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怪奇浪漫BOX   作者: 座堂しへら
祟り地蔵の御役
52/267

52 プロローグ


 それは、『祈り』なのだと、彼女は言った。


「とげ抜き地蔵、子安地蔵、子育て地蔵、身代わり地蔵、しばり地蔵、しばられ地蔵、水子地蔵。果ては祟り地蔵でさえ、生まれた理由は、そこに祈りがあったから。祈りがあるという事は、先に悲劇があるという事。そういったプロセスを含めて、お地蔵様の謎を解いていくのは、ドキドキするわ。この可愛らしいお地蔵様は、その悲劇にピリオドを打って、収めてくれる蓋のような物よ。だから、コルクを抜けばシャンパンが溢れ出る様に、お地蔵様をどかせば、封じていた禍いが溢れ出る。当たり前じゃない。閉眼供養へいがんくようしたって無駄よ。禍いの元は、お地蔵様じゃないんだもの。『悪い何か』は、お地蔵様が収めていた、その地にあるのだから」


 萌音もねの言葉に、太郎たろうは首を傾げる。


「でも、ずっとそこに置いておくってのも、現実問題難しくないですか?土地開発や道路拡張などで、どうしてもそのお地蔵様を退かさなきゃいけない事って、ありますよね?」


「そうなのよねぇ。甘んじて祟りを受けるか、或いは」


 萌音は人差し指を立てる。


「何故、その場にお地蔵様を置いたのか。誰が、何の目的で置いたのか。その辺りをよーっく確認して、目的に反らないようにお地蔵様を移動する、または撤去する事が、大事なのよ。そのお地蔵様のお役目が終えているなら、閉眼供養へいがんくようして撤去しても、問題ないわ」


 だつてそれは、誰かの加持いのりなのだから。


第二章に入ります。本日は、21時に次話もアップします。

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