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12話 呼ばれて飛び出て、誰ですか?

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

 祈る。真剣に祈る。さあ私の召喚モンスターよ来てくれ。強くてかっこよくて良い感じのモンスターよ来てくれ。私の祈りよ届いてくれ。何処まで行くのか知らんけど。


 とりあえず、30分ほど祈っているんだけど、うんともすんとも言わないんだけど。日付が間違っているのか? そんな訳ないよな。今日が9月10日に間違いは無いはずだからな。


 こんなに時間がかかるものなんだろうか。ちょっとでさくっと出てきてくれてもありがたみが無い訳なんだが。確定演出があるわけでも無いしな。


 祈りはささげている。強くてかっこよくて良い感じのモンスターが来てくれることを願っている。それについては変わらず。役に立つモンスターが来て欲しいと思う。


 邪念が強すぎる? 当然のことだとは思うんだけどな。月齢を合わせて、痛い思いをしてまでした召喚なんだから。良い結果であって欲しいと願うのは当然の事じゃないか。


 だからこそ、真剣に祈れるというもの。適当な対価ではなく、自分の身を削ってまで用意したんだから、何とか頼むっていうのが本心みたいなものではあるんだが。


 祈りを捧げる事45分。遂に変化が訪れた。魔法陣が光り始めた。確定演出か? それだったら良いことではあるんだけど。何が呼ばれるのかが問題だよな。何が来るんだろう。


 祈ることを辞めてはいない。ここで辞めて終わりですって言われても困るからな。兎に角祈り続ける。こんな演出が来て駄目でしたって事は無いだろう。


 光がどんどんと強くなる。レア度がどうのとか言うつもりは有りまくりだが、とりあえず強いの、かっこいいの。良い感じの奴よ来い。祈りは届いているだろうか。


 光が強くなっていって、もの凄く強く光り輝いた。もう目を開けていられない。偶に目を開けて確認しようとするんだけど、眩しすぎて無理。兎に角強い光が出ている。


 瞼越しにも解る強さだ。これは来たんじゃないか? 良いのが来たんじゃないか? 確定演出なんじゃないか? 何が起こっているのかよく解らんのだけど、良い感じの奴よ来い。


 そして光が治まっていった。まだ目を開けていないぞ。どうなっているのかは解らん。とりあえず、祈り続けているが、何時まで続ければいいんだろうか。


「――ああ、芳醇な魔力の香りがした血液だ。これは良いものだな。少し量が少ないが、なかなかの味じゃないか。誇っていいよ、召喚主よ」


 声がかかる。女性の声だな。召喚をした結果という事は解った。何だ? 話すことが出来る召喚モンスターを召喚できたのか? 召喚モンスターが話すなんて聞いてないんだが。


 目を開けると、そこには私の3倍ほどの大きさを誇る女性が居た。金色の瞳をした長い銀髪をした女性だ。体型は、……スレンダーだと言った方が良いのかもしれない。


 人間……じゃないんだよな? 特にこれと言って特徴があるわけでも無いんだが。エルフなら長耳が、ドワーフならもう少し小さいし、獣人でも無いな。妖精種では絶対にない。


「んん? ああ、召喚主は我が存在を知らないのか。見当が付いていないようだな。これは面白い。あの対価を用意した時点で我の様な存在を欲していたのではないかと思っていたのだが」


 えっと? 見当が付いていないのは確かなんだ。血を対価にしたのはその通りだが、血が欲しい、そうなると何が出てくるんだ? 特にこれと言って思いつかないんだけど。


「そうだな。自己紹介をしようか。我が名はアナベル=エル=ウィルデン。ウィルデン男爵の当主だ。まあ当主は交代してきたがね。我は呼ばれてきた訳だからね」


 名前があるんだな。それで貴族と。貴族が何で呼ばれてくるんだ? 訳が解らなくなってきたんだけど。モンスターは貴族社会なのか? それともモンスターではない?


「まだ解っていないのか。妖精種が博識という訳では無いしな。博識なのはエルフの方だったか。まあ我の種を見たことが無いというのはあり得る話だ」


 貴族。男爵。貴族。ん? ああ、もしかしなくても吸血鬼か。血が必要と言うか、血を好むって言ったら吸血鬼が思い当たったぞ。貴族ってのも何となく納得できる。


「もしかして、吸血鬼なのか?」


「お、解ったようだね。そうだよ。もう男爵位は降りてしまったが、ヴァンパイアバロネスさ。比較的に珍しいのかねえ。ダンジョンで会う事もまず無いしね」


「ん? ダンジョンで会う? もしかして敵として出てくるのってそういう事なんです? え? ダンジョンも何処かから呼ばれて出て行くものなんです?」


「まあ夢の中の様な感じなんだがね。実在する我らが行くわけでは無い。我らの分身と言うべき存在がダンジョンに呼ばれている訳だ。当然ながら対価も貰っているがね」


 ……この情報は本来は貴重な情報なんではなかろうか。ダンジョンの魔物は何処かから呼ばれてきている。召喚の本質と変わらないのでは? あ、召喚は本人が来ているんだろうか。


「召喚は本人が来るんですか?」


「そうだよ。その為の引継ぎやらで手間取ったが、召喚に呼ばれるのは本人だ。契約上はその召喚主が死ぬまでの間、使役されるというものだ。そういう条件で召喚しているだろう?」


「いえ、あの、条件とかは特に付けていないんですけど。兎に角祈れって言われただけで、特段何かしろと言われた訳では無いんですが」


「この世界は古式召喚をしているのかい? どおりで変な契約内容だと思ったものだ。基本的には魔法陣に書かれている内容で契約をするんだろう? 特に縛りも何もない召喚魔法陣だとは思ったけど、魔法陣だけ用意した古式召喚だったのか。これは意外だ」


 あの、情報爆弾が降り注いでくるとどうしようも無いんですけど。え? 色々と聞きたい事とかが出来たんですけど。色々と情報が出てくるんですけど。これって黙ってて良いのか?

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