幼馴染がお菓子食べなきゃ死んじゃう病にかかったので、結婚してお菓子を作ってあげてます
「ふうまぁああ!!! お菓子食べなきゃ死んじゃう病になっちゃったよぉおお!!!」
「は?」
幼馴染のゆきなは『お菓子食べなきゃ死んじゃう病』を患ってしまった。
毎日手作りのお菓子を食べないと死んじゃうらしい。
嘘だろと思ったが、ノーベル医学賞を取った有名な先生が「これは……世に珍しい『お菓子食べなきゃ死んじゃう病』ですね」と眼鏡をくいっと上げながら言ってるからまじだ。
「不運ですね。中学生にして、これから毎日手作りのお菓子を食べなければならない」
ノーベル医学賞を取った有名な先生が深刻な顔で告げる。
「僕が毎日ゆきなにお菓子を作ります」
「え!?」
ゆきなが涙を拭きながら顔を上げ、こちらを見る。
「で、でも一生だよ? 私たちが大人になっても、おじいちゃんおばあちゃんになってもだよ?」
「心配すんな。ゆきな、結婚しよう! 毎日俺がお前にお菓子を作ってやる!」
「結婚?」
「ああ」
「言質取ったよ?」
「え?」
「先生! 診断書を偽造してくれてありがとう!」
「はああ?」
「そんな病気あるわけないでしょ? ぷぷぷ」
「おい! ノーベル医学賞を取った有名な先生! どういうことだよ!」
「すみません……欲には勝てなくて……」
ノーベル医学賞を取った有名な先生は引き出しから、『優希王』のカードを取り出した。
「なんすかそれ」
「私が先生にあげたの! これあげるから嘘の診断してくれって!」
「レアカードが欲しくて……つい……」
「つい……じゃないだろ! 曲がりなりにもノーベル医学賞を取った有名な先生だろ! プライドはないのか!」
「ないです」
だめだこりゃ。
「そのかーどは優希王の世界大会に優勝したらもらえる世界に一枚しかないかーどなの! 診断書を偽造してもらうために、先生の趣味である優希王をいっぱい練習して、世界大会で優勝して手に入れたんだ!」
才能ヤバすぎだろ。
「ゆきな、俺はそんな嘘をつかなくても、お前と結婚したいと思っていた。お前が好きだからな。でも今日で変わった! 悪ふざけが過ぎる! 結婚はしない!」
「きゃああああ!!」
ゆきなが突然椅子から転げ落ちた。
「『結婚してくれなきゃ死んじゃう病』が発症した!」
ゆきなは先生の手からレアカードを奪い、それを破ろうとしながら、先生に目配せをしている。
「『結婚してくれなきゃ死んじゃう病』にかかっていますね」
いい加減にしろーーーー!!!!
* * * * *
10年後。
死んだらいけないと思って結婚しました。
お菓子も作ってあげてます♪