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長かった学生生活も終わり
この春から社会人となった僕は
上手くやれるのかという不安と
少しの期待を胸に職場となる校舎を見上げた。
入学式を終え、後片付けなどが終わったのは
日も沈みきった頃
家までの道の途中コンビニにより何かしらを買い
あの桜の綺麗な公園で呑むのもいいなと
思いを馳せながら歩く。
春の夜の涼しい風が頬を撫で、その心地良さに
酔いしれている間に公園に着いた
少し他より高くなっており街頭もポツポツとあるだけ
だからこの時間はあまり人が来ないので
よく一人になりたい時に来ているお気に入りの場所だ
そんないつもは誰もいない特等席に
今日は珍しく人が居た
月明かりに照らされた髪は
きらきらと光を反射して
肌はどこまでも白く透き通るような
今にも消えてしまうんじゃないかと
思ってしまうくらい儚い美しさを放つ
彼女と目が合った時
一瞬、ほんの一瞬見とれてしまった
僕はなんとも情けない顔をしていただろう
これが僕と君との初めての出会い