表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エルフの食人姫と殺戮皇帝  作者: 塚田恒彦
一章
4/16

04話 山積みの書類

皇帝サイド

「エルグランド様、今日はなにやら気が晴れない様子ですな」

「爺か。そんな事を言ってくれるのも爺とマルクバッハだけになったな」

「それもそうでしょう。陛下は人を殺し過ぎますからな」

「適当な事を言うな。国民に利の無い征伐は行わん」



 ベオロード王国王城執務室、エルグランドは山積みの書類を驚異的な速さで捌いていた。隣国からは畏怖の対象とされているが、政治は盤石で国民の支持率は常に高い。

 爺と呼ばれている直属の魔法使いは名をルドロイと言った。様々な分野に及ぶ知識でエルグランドの頭脳を支えている。ベオロード王国先代国王、つまりはエルグランドの父のころから国を支えている。



「国政は堅実であるべきだ。不安要素はなるべく消しておきたい」

「今日襲撃しているハギリの村も、錯乱薬の温床でしたからな。一時的な快楽のために精神を侵す劇薬を求めるなぞ、おかしなこともあったものですな」

「何か埋められない穴があるのだ。俺は民の心を理解できていないのやもしれぬ。近いうちに、領内農村部との意識のすり合わせが必要だな。

 昨年は少し実りが悪く負担は減らしたが、分かってやれぬ部分もあったのだろう」

「悪は弱き心に宿るもの。そうせぬためにも強い国を築いていかねばなりませんな」

「最大の脅威も去った、今後は戦争など起きなければよいな」

「あの小国も過去になりましたな」



 エルグランドは執務机を離れ、ルドロイの用意した紅茶を少し喉に通した。表情は硬く、しばし続きを口にするのを渋った様子だったが、愚痴を漏らすように呟いた



「……エルフ。あんな化け物はこの世界に一体も残してはならない。

 だが、殲滅作戦から四日しか経っていない。入念に出国者も確認し、八千体の死亡を全て確認させた。それでも、エルフが全て果てたなど現実味を感じないものだな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ