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社畜がいく、異世界冒険物語(仮)  作者: 犬宮夢雨
第一部 サバイバル
1/1

プロローグ(1)

 夏の強い日差しが照らし、猛暑の中、公園で一人の男がベンチに座っていた。

 二十代前半の少しガタイが良く、髪は金髪、美男だが、その顔には少し疲労が見え、負のオーラをまとっている。

 男は世間一般的に呼ばれている大手商社に入社して三ヶ月。朝早くから出社して、夜遅くに帰宅する毎日。毎回のように叱責上司に加え先輩からは仕事を大量に押し付けられる。職場の空気も重く、ピリピリしている。

 

 いっそ辞めてしまって、大学で続けていた剣道を子供に教える教室でもやろうかなって思ってしまう。だけど、それでは飯は食っていけない。それに剣道で良い成績を残していたかと言われると正直微妙だ。高校のインターハイではベスト八位止まりだし、大学では怪我をして大会に出場すら出来なかった。最初から辞める覚悟なんてできていなかった。

 男は深い溜め息をつきながら、会社の近くのコンビニで買ったおにぎりとお茶を飲み昼休みまで時間を潰していた。

 男の胸ポットにしまっていた携帯がメールを受信した。男はメールの中身を確認した。

 送り主は高校時代からの友人だった。内容は今日の夜、地元の居酒屋に飲みに行く話で、他にも何人か誘っているみたいだった。明日は偶々仕事が休みだったので男は「了解!仕事が終わり次第向かう。」と返信した。久しぶりに会える事もあって少し心が躍動した。昼休みはまだ時間が残っていたが、早く会いたいと思い仕事場に戻った。

 仕事が終わったのは集まる時間より一時間以上経っていた。今から行くとメールで連絡し急いで向かった。

 

居酒屋に着くと「こっちだ!」と奥の座席から呼ばれた。男は呼ばれた方に向かう。

「久しぶりだな、レオン」

 そう男に話しかけたのは、友人の西原だった。「早く座れよ、みんな待っていたんだぞ。」

軽く謝り、椅子に座り軽く注文をして、飲み始めた。飲み会に来たのは西原以外に斉藤と高橋も来ていた。斉藤は大学卒業後、運送会社に就職したもの、上司のミスを押し付けられ

辞めさせられたらしい。高橋は大学には行かずに、実家の仕事手伝っているみたいだ。西原は医大に進み、卒業後は国立病院で働いる。

 そんなことを思いながら他愛もない身の上話しつつ、時間は過ぎていった。

 そんな時だった。

「俺、結婚するんだ──。」

そう言ったのは西原だった。あまりにも突発のことだったので、俺は思わず聞き返した。

「今、なんて言った?」

それに対して西原は少し恥ずかしい素振りを見せながらも答えてくれた。正直驚いた、あまりにも突発だったこともあったが、そういう恋愛話は一切聞いたことが無かったからだ。少し複雑だったが西原の結婚を祝福した。


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