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閑話 ある女の話

あの、女。




見かけは地味で何の教養もない癖に、話せないと嘘を付いてあの方に上手く取り入った悪女。



どうしてあの女が!?

私の方があの方に相応しいでしょう!?

あの方の隣に立つのは私だ!!!

だってマスターもそう仰っていた!!

彼の隣に立つ為に今までどんな辱めにも耐えて来たのに!!!





許せない。



あんな毒婦は拷問の末、殺してしまえば良いのだ。








「あの女は殺さず連れて来い」

街の宿屋の一室に暗い声が響き渡る。マスターの命令は絶対だ。

しかし私は納得出来ない。

何故!?

何故ですかマスター!!

あの女が私よりも上だと!?

あの女は毒です!生かしていてはあの方に悪影響です!!





「二度は言わん」

必死に追い縋る私を蹴り飛ばしてからマスターは部屋を出て行かれた。






何故……

何故あの女が……







……許せない。








薄汚れた床に這いつくばったまま、私は拳に力を入れる。

何故あの女ばかりが得をするのだ。

何故私はこんなにも惨めなのだ。

あんな女死ねばいい!!!












蹲る私に差し伸べられた大きな手。

彼は私を抱き起こして優しく微笑んだ。



「大丈夫だよ。僕が必ず君の願いも叶えてあげるから」

男の背後にはもう一つの、影。



「マスターは僕らに秘密があるみたいだね。なら僕らも手を組もう。お互い目的は同じだろ?」


男は頷いた私を見てにんまりと笑った。

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