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それからの私は王宮内なら割と自由に動けるようになりました。もちろんあまり出掛ける用事もありませんし、リリアンさん達にご迷惑もかかるので滅多な事では外出はしないようにしています。
私が外へ出ると決まって様々な視線や噂話に遭遇しますしね。
(「ほら見て…あれが…」)
(「特に秀でた容姿でもないですわね。どうやって殿下に取り入ったのか教えて頂こうかしら」)
(「あの方は自分の事を話せないと言って同情を買ったらしくってよ」)
(「まぁ!なんて浅ましい」)
まぁ大体こんな感じの内容ですかね。
私自身取り入った訳でも同情を買った訳でも無いんですよ。私だってここに居る理由を知りたいぐらいですし。
しかしそんな時は決まって側にいる侍女さんの誰かが庇って下さいますので、特にダメージは受けていない図太い私です。
外出を控える主な理由はですね……
ある時の話です。一人の美しいご令嬢に声を掛けられました。
誰でしたかね…と思っている間にそのご令嬢はツカツカと近寄って来られ、突然頬を殴りかかって来たのです!!!それもぐーで!!!
驚愕の事件は華麗な動きで助けて下さったオリビアさんのお陰で未遂に終わったのですが、アルフレッド様が「動く時は最低でも侍女を二人付けるように」と仰いました。
お一人が付き添って下さっていたのも申し訳ないのに、二人もなんて!と言ったのですが、泣きそうな顔でお願いされてしまい了承するしかありませんでした。
しかしその後も事件は続きます。
部屋に突然虫の入った箱が届けられたり、窓に石を投げ付けられたり、酷い時には食事に薬が入れられたり…。
最後のはアルフレッド様に内緒にしておいて欲しいと言ったのですが、その日の内にバレてお説教を頂きました。静かに怒るアルフレッド様は恐かったです。隣に座られていた隊長様の方が優しく見えましたよ!
って、お二人共怒っていらっしゃいましたけどね……はい、もう内緒にしません。二度と。
隊長様と言えば、実は約一月の間ほぼ不眠不休で働かれていたそうで、私が怒ったあの日から丸三日爆睡されたそうです。しかも起きてすぐに四日分の宮廷料理をペロリと平らげたとか…。
それは人としてどうなんですか?と聞きたかったのですが、私も先日同じ様な経験をした身ですので言えませんね…。あ、でも私の胃はそこまで強靭ではありません。至って正常です。
そんな隊長様も私の身辺強化計画に対して肯定的で、「触れられた瞬間周囲を殲滅する術でも施してやろうか」と言われました。その時は冗談かと思いましたよ。しかしアルフレッド様が「それは良いな。しかし数人瀕死で残しておいた方が吐かせやすい」と返され、お二人で真剣に話し合っているのを見た瞬間に冗談ではないと悟りました。
あなた達は一体私で何を始めるつもりですか?
…そして私には護衛の騎士様が付けられる事になりました。
人間兵器計画?
何ですかそれ?
バカですか?




