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「ベルっ!!??」



隊長様が部屋に飛び込んで来られた時、私は男性とまったりお茶を飲んでおりました。

隊長様は驚きに眼を見張る私の元へ大股で近寄ると、ガシッと両肩を掴まれます。

「何があった!?」

痛みに少し顔をしかめたところで男性の声が割って入ります。


「アレク、乱暴にするな」

「アルフレッド!?お前何故ここに…」

「説明はまずお前が手を離してからだ」

男性はアルフレッド様と仰るのですね。名前を聞くのを忘れていました。というか、私も名乗っておりませんでした…。


隊長様はハッとした様子で手を離し、私の隣に座られました。隊長様の眉間にはいつもの深いシワが刻まれています。


「一体何があったんだ?」

私は身を縮めながらも先程アルフレッド様に見せたノートを手渡しました。それを読み進めるうちに、みるみる隊長様の表情が険しくなっていきます。

「な……なんだとっ!?これは本当か!?」

今や隊長様は私が見た中で一番の怒気を放っておられます。私は居心地が悪くなって更に身を縮めました。恐いデス…。

「そして私と出会い、保護した」


「そう…か……ベル…本当に済まなかった」

私はその言葉に思わず隊長様を凝視してしまいました。だって…まさかまさか!!あの隊長様が私に謝られるなんて!!

そんなまさか!!!

頭まで下げているだなんて!!!








「おい……それはどう言う意味だ…?」







ハッ!!

思わず額に手を当てて熱を確認してしまっていました!!

いや、これはですね…その…………えへっ?



「『えへっ?』じゃねぇよ!俺が真剣に謝ってやってるってのに、どんな扱いだ!」

う…すみません…でも、だってだって『お前がフラフラしてるのが悪い』って言いそうなんですもん。

「あぁ!?どんな鬼畜だよ」

わぁーっ!ごめんなさいっ!!



「…はははははっ!」



突然響いた笑い声に私と隊長様は揃って目を丸くします。

「はははっ、いや…すまん。だがお前ら…面白っ…はははっ!!」

「おい、何だよ」

身体を折り曲げて笑うアルフレッド様に、隊長様が不機嫌に問われます。

「まるで……くくくっ、それにっ…お前…っっ!!」

「クソッ」

ブスッとした隊長様は何だか幼く見えて可愛らしいと思ってしまいました。あ、でもこんな事言ったら叱られますね。内緒です。






涙を浮かべて笑い続けるアルフレッド様に、不機嫌な隊長様。

先程まで最悪な気分だったのに、その様子を見ていると自然と笑顔が浮かんでしまいます。不思議ですね。今はとても穏やかな気持ちですよ。




隊長様がそんな私を見て小さく微笑まれました。うわぁ……素敵な笑顔です…。




何となくその笑顔を見ると顔が熱くなってしまいますので、私は慌てて誤魔化すようにお辞儀をしたのでした。

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