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第1話 再び変わる日々

「ひとちが」シリーズ第2弾、本編開始です!


あと、サブタイ「○○章」から「○○話」に変えてますが、話の雰囲気に合わせただけで特に意味はありません^^;

なれど一つ違う才能



第1話 再び変わる日々



「この勝負、俺の勝ちだね。」

「・・う、嘘だろ ・・そんな・・・」

 その後決まって、誰もがこう言うのだ。

「こんなの、勝てるわけないーー!」


「・・と、これがほぼ毎週行われている光景らしいのだが、・・変わったのはこれだよな?」

「・・間違いないですね。変わったのはこれですね。」

「・・だな。」

 俺たちはため息をつかずにはいられなかった。

 



 放課後、部活に行こうとしていたら携帯のバイブが鳴った。原則、学校にいる間の携帯電話の使用は禁止だが、かけてきた相手の名前を見て躊躇せず俺は電話を取った。

「何かあったのか、望?」

「・・ごめん、勇二。「あれ」が起こったみたい。・・僕の教室まで来てくれないかな・・?」

「・・わかった。身体の方は大丈夫か?」

「うん、何とか前よりは・・・ごめん。」

「気にするな。今から行く。」

 俺は望の教室である、二年一組に急いだ。



 望は一組の教室のすぐ前の廊下にいた。壁を背に苦しそうに座り込んでいた。手には携帯、ポケットに戻してすらいない。

「・・大丈夫か?」

「はあはあ、・・ごめん、二度目とはいえなかなか慣れないよ。・・とりあえず、また保健室までお願いできるかな?」

「断るほど俺はひどい奴じゃないぞ。・・多分な。」

 俺なりの軽い冗談を交えつつ、苦しそうな望を支えながら保健室に向かった。



「・・そういえば、叶野君と二人って一月前くらいにもあったわね。日高君。」

「・・その節はお世話になりました。」

 保健室のベッドに望を横たわらせてすぐに、保険医の先生にいきなり言われて少々たじろいだが、素直に礼をする。

(「あの時」、俺と望がここに来たことはあったことになっているわけか・・やっぱりややこしいな・・)

 ともかく俺は先生に尋ねた。

「それでのぞ・・叶野君は大丈夫なんですか?」

「別に言いにくいなら、いつも通り名前で呼んで良いわよ。私、その辺あまり気にしないし。叶野君の容態は、前に君と来たときとほとんど同じね。」

「やっぱり、そうですか・・」

「やっぱり?」

 怪訝そうに俺を見る保険医の先生。一瞬ヤバと思ったが、

「・・前に勇二と来たときと同じような立ち眩みなので「やっぱり」となるでしょう。もっと身体を鍛えないといけないですね。」

「・・ああ。君は生まれつきのようだから急に無理するのはいけないけれど、ほどほど体力をつけておくことはいいことね。若いうちは特に・・」

 そう言って少しため息をつく年上の女性を、俺たちはあまり見ないようにした。だって、ねえ・・・


 それにしても頼れる相棒だ。


「それじゃあ、私は職員会議があるから。・・って、これもなんか前と同じね。何の因果かしら。」

 と、おどけた仕種で話す先生。うん、まだまだ全然若いですよ。

「まぁ、この際だから前のように休んでいていいわよ。あ、一応調子悪いようなら帰ってもいいけど、保健室に誰もいなくなるのはまずいから、その時は日高君呼びに来て。会議中で入りづらいかもしれないけど、・・まぁ、君なら大丈夫でしょ。」

「・・いかにも職員室慣れしているみたいな言い方は、勘弁してください。そんなしょっちゅう行ってるわけじゃないですから。」

「そう?」

 何故だかきょとんとした目で見られてしまった。なんでだ。

「・・そりゃあ、担任の飛鳥井先生や顧問の宮坂先生から呼び出されて行ったり、日直とかで行くこともありますが、大体みんなそうでしょう?委員とか生徒会の人たちとかほどには、職員室に行ってませんよ。」

「・・言われてみれば、そうね。ごめんごめん。」

 右手で軽くごめんとした仕草をする先生。まぁ、いいですけどね。


「生徒会。・・・すいません、今の生徒会長、鳴海君ですよね?」

む、思わぬ方向から望が食いついてきたぞ。これには先生もちょっとビックリしたようだが、

「生徒会長?ええ、鳴海、鳴海正利君だけど、彼がどうかしたの?」

「・・ああ、いえ、生徒会の話が出たものでなんとなく・・」

「生徒会といえば今日は「三本勝負」の日ね。」

「「三本勝負?」」


 聞きなれない言葉に思わず聞き返してしまった俺と望。

だが、その反応に保険医の先生もまた若干驚きの表情を見せる。

「ちょっと、・・まさかあの「三本勝負」を知らない生徒がいたなんて。・・今は少し落ち着いたけど、当初は学校中で話題になったでしょ?」

「えと、三本勝負って・・?」

「・・って、もうこんな時間! 先生急ぐから、日高君あとはお願いね!」

「ぇ、あ、えと・・」「じゃあ、そういうことで!」


 ピシャ!


 ・・こうして数々の謎を残して、保健室の主はいかれましたよと・・



「・・さて、こりゃどうしたものか。」

「なにはともあれ、まず望さんを休ませてあげるべきです!」

「・・あ~、そうだな。望、気づかずすまん。」

「・・いや、別に大丈夫だから。」

 とはいえ、まだ体調が思わしくなさそうな望をベッドに横たわらせる。

「あ、ありがと。」

「いやまぁ、とりあえず、」



「・・姿を見せていいぞ、フォーチュン。」

「言われるまでもなく、華麗に、優雅に、軽やかに登場してやりますですよ!」


 そんな声を聞くや否や、俺の目の前に妖精が現れる。それは神秘的で、華麗で、優雅で、それはまるでバレリーナの如く、軽やかに回転しながら、

「・・・・・」

 俺はなんとなくいらっっとなって、妖精の回転方向にさらに回れるよう指でつんと、押してやった。


「な、なんばすっとね~~!!?」


 何故かどこかで聞いたような方言で文句を垂れつつ、目を回すフォーチュン。俺はそんな感動の再会をよそに、ベッドの望に話しかける。

「・・さて、望、話を続けるか。」

「・・ちょっとはフォーチュンに優しくしてやろうよ、勇二。」

「これが俺の友好の表現だ。」

「せめて間を入れて答えなさい!!」


「ぜ~、ぜ~、・・」と息をあげながらこちらを睨むフォーチュン。うむ、元気そうで何よりだ。



「冗談はさておき、・・今度の願いはその生徒会長のものなのか? 望、フォーチュン?」

「・・・おそらくは、ね。」「ですね。」

「・・・・願いの内容は?」

「・・僕が倒れる前に鳴海君から聞いた言葉はこうだよ。「何か楽しいこと、ないかな?」ってね。」

「え、なにそのアバウトな台詞?そんなんでFW発動しちゃうの?・・と言うより、なんで生徒会長が望にそんなことを言う場面になる訳?二人はぷ○きゅ、・・知り合いだったの?突っ込みどころが色々なんだけど・・」

「・・私としては、今のユ-ジの発言にこそ色々突っ込みたいのですが、最後がわざとらしかったので敢えて突っ込みませんです。」

「ごめん、悪かった!」

 平謝りする俺だが、妖精さんはスルー。相棒さんは微妙に苦笑いを浮かべていた。


「とりあえず、FW、「他者願望成就」の私命名版「Fulfill Wish」の頭文字をとった名前ですね。望さんも同意したし、私的にも短いのでOKです。が、発動した内容にはこれまでもアバウトなのはありました。・・これは経験上確かです。」

 フォーチュンは一瞬、気にするように望の方を見る。望は軽くうなずいて続きを促す。俺は何も言わない。

「あと、生徒会長の鳴海さんと望さんは1年の時のクラスメートですね。まぁ、ちょっと話すくらいでほとんど接点はなかったですが。」

「そうなのか、望?」

「うん。僕も彼もあんまり話すタイプじゃないしね。そう言えば一年の時も生徒会やってたとか聞いたことあるな。」

「役職は会計、ですね。・・・生徒会会計から生徒会長へのクラスアップ!この学校の全権は握られている!?」

「と言ったことは、漫画の中の世界だけということで。・・・望、絶対こいつの教育間違ってるぞ」

「なんば言いよるか!」「だからなんでどっかで聞いた方言だよ!?」

「ははは・・・」

 そのとき叶野望氏は、再び苦笑いを浮かべるしかなかったとさ・・・



「まあとにかく、生徒会長の鳴海、だったか?と、望が話した直後、こうなったということは、鳴海の願望が叶うように変わったと見るのが、妥当だよな。」

 俺は真面目な顔で話を戻した。・・正直、真面目モードは長くは持たんのだが、脱線しっぱなしじゃ、話が進まないからな。

「だね。・・で、今回変わったことと言えば、」

「さっきの「三本勝負」というのが怪しいですね。ぶっちゃけ、そんな行事、聞いたことありませんし。」

「俺もだ。 ・・まぁ、俺たちがこの学校の世事に疎くて知らないだけだった、前からある行事ではないとは言い切れないが、確認する価値はあるな。」

「なんて回りくどい言い方!」

 俺は久々に仲良くデコピンでもかまそうかと思ったが、それは回避された。む、こいつ、レベル上がってる?

「・・でも部活はどうする?勇二は真面目に行き始めたばかりだし、僕も入ったばかりだから、ここで休むのはあんまりよくないよ。」

「そこはあれだ。 ・・もう一人の仲間に頼むことにしよう。」

 俺は持っている携帯を取り出すと、さっそくとある番号に電話を掛けた。



「あれ?携帯? ・・誰だろ?」

 ちょうど弓道着に着替えようとしていたところで、携帯が鳴っている(学内ではバイブにしているので、厳密にはバイブしているだけど)のに気づき、掛かってきた相手を確認して、・・私は一瞬固まってしまった。

(・・ここにいるのは、今、私だけよね?)

 何故か、回りに誰もいないのを確認して、私は電話に出た。

「・・も、もしもし?」

「・・あ、えーっと、立花さん? 今ちょっと大丈夫かな?」

「う、うん。今、弓道着に着替えようとしていたところだし、周りに誰もいないし、大丈夫だよ・・」

「あ、・・そ、そうなんだ・・・」

 ちょっと動揺した日高君の反応に、私は瞬間的に、言わなくてもいいことを言ってしまったことに気づき、顔が真っ赤になった。

(「着替えてる」とか、「周りに誰もいない」なんてわざわざ言う必要ないじゃない!私の馬鹿馬鹿!)

 穴があったら入りたいところだが、何はともあれ、

「ひ、日高君! よ、用件を!」

「あ、そ、そうだな。 え~っと、立花さん、悪いんだけど、俺と望は部活に遅れる、・・場合によっては、どっちも今日は休むかもしれないって先生に伝えてもらえるかな?」

「日高君と叶野君も休むかもって・・・ひょっとして!?」

「・・うん、先日の「アレ」がまた起こったかもしれない。・・ところで立花さん、「今日行われる週一の生徒会行事」って何か心当たりある?」

「へ? ・・・ううん、特にないけど?」

「そっか。 ・・・う~ん、・・・まあそういう訳だけど、お願いできるかな?」

「・・いや、どう言う訳だかは、大体しかわからないんだけど、」

「それを確かめにいきたいんだ。・・立花さんも気になると思うけど、三人とも部活休むのは目立つから。だから悪いけど、事情を知ってる立花さんにお願いしたい。」

 私は一瞬考えたが、納得して返事をする。

「わかったわ。先生には伝えておく。・・その代わり、何かわかったら私にも教えてね。」

(仲間外れは、なしだよ。)

「もちろん。それじゃ!」

 電話が切れた後、私はしばしボーっとなってたかもしれない。でも、気を取り直すと、

「さ~~って、 ・・どういう風に言おう。」

「何かお悩み?立花さん。」

 入り口の方から突然声がして、私はハッと振り返った。



「・・同士立花の助力は得たし、さて、どこから調べるかね。」

「・・・どんな言い訳するんだろう、立花さん・・」

「この鬼畜!」

 とりあえず二人の発言は聞こえない振りをする俺。そうしていると、


 ガラッ


「あら叶野君、気がついたのね。具合の方はどう?」

保険医の先生が帰ってきた。そしていつの間にかフォーチュンの姿は見えなくなっている。・・要領いいな、こいつ。

「・・大丈夫です。ご心配をかけてすいません。」

「そう? ん~、でも前もこんなことあったし、・・念のためご家族に連絡か、病院に連れて行きましょうか?」

「いえ、本当に大丈夫です。・・何て言うか、昔からこういうことはあったし、慣れているので。」

「それにいざとなったら、自分も助けますし!」

「・・それはそれで別の意味で心配なんだけど。」

「グハッ!」

精神的にダメージを受ける俺。・・え、なに? 俺って先生たちに嫌われてる?

「そんなことないわよ。職員室では人気者よ。・・ある意味・・」

「心を読んだかのようなかつ微妙な発言はやめてください~・・」

俺の精神的なダメージは甚大だ。

「・・え~っと、先生と勇二って結構親しかったり?」

「いや、あんまし。」「保健室にはまず来ないし。ほとんど接点ないわね。」

(・・なんでそれで、こんな会話が出来るんだろう・・・)

 と思わずにいられないが、聞くのはなんとなく躊躇したので、結局言わずじまいの望であった・・


「あ、そうだ。先生、今日の生徒会行事ってどんなのでしたっけ?」

「・・いきなり唐突ねぇ。」

「いきなりは唐突です。」

 ニンマリ顔の勇二を見て、保険医の先生は呆れたように返事を返す。

「・・はぁ、・・恵理には後で言っとかないとね。今日の生徒会行事と言ったら、週に一度の「三本勝負」のこと?」

「そう、その三本勝負って、どんなのでしたっけ?」

 おそらく必要であろうキーワードにについて聞いてみる俺。・・それ以外にも一部、別の意味で不穏な発言があったような気もしたが、・・ま、まぁ、気のせいだろう。

「そ、生徒会役員と一般生徒との三本勝負。・・今はだいぶ熱が冷めたけど、執行開始当初は全校でかなり話題になったじゃない。」

「り、流行とか話題にはホント、疎いんで・・・ははは。」

 疑わしい視線に、自分でも苦しいと思える言い訳を返す。しょうがないじゃん。これって多分、望の魔法の効果なんだから。

「・・あ~、そうだったわね。じゃあ、簡単に説明するわね。」

「え、なにその理解度!?」

 苦しい言い訳があっさり通って、つい突っ込んでしまう俺。・・いや、いいんですけどね・・・。


 先生は机の中から、何枚かのプリントの束を出して俺たちに見せた。その表紙にはこう書かれてある。


<ドキッ! 校内スリーサイズベスト3(女子編)>


「・・あ、間違えた。」

「ちょっとまって、すごく気になります!」

「というか、女子編って・・」

 二人同時に突っ込んだが、華麗にスルーされた。保険医恐るべし。

続けてこう書かれたプリントを机の上に出す。


<生徒会主催「社会生活における競争への生徒の意識向上のための活動」について>


「あった。これこれ。」

「え?これが「生徒会三本勝負」の資料ですか?」

 さっきの事もあるので、つい疑ってしまう。

「三本勝負っていうのは通称。こんな長くて堅苦しい名前、言いたくないでしょ。」

「先生がそれを言っては・・」

 望の至極まともな意見も、明らかに聞こえないフリ。強すぎです、この先生。

「まあ、まずはこの活動の目的ね。「激しい競争社会で将来過ごすかもしれない多くの学生たちに対し、競い合うことの厳しさ、そして楽しさを少しでも実感してもらうため」ということね。」

「はぁ、経営、サービスについて学ぶために、生徒だけでお店を運営させる学校があるって聞いたことがありますが、そんな感じですかね。」

「「へぇ、そんな学校があるんだ。」」

 望のプチ情報に感心した俺だが、同じ台詞を同時に言った人がここにいる。

「いや、知っていてもいいのでは、先生なら・・・」

「私は保険医、専門外だからいいの。まぁ、それを聞いたらなかなか、」

 彼女はにやりと黒い笑みを浮かべて言った。

「・・それっぽい建前出してるじゃない。さすがね、生徒会。」

((なんか聞き捨てならない台詞を言ってる・・!))

 同時に思った俺と望だが、口には出さない。それが処世術ってものです。

・・・はっきり言います。言うのが怖い空気なのです。


「さて、続いて具体的なルールね。え~っと、・・・ここに書いてある通りね。」

(((投げた!!)))

 再びここにいた面子が、― 今度は一人、・・匹?多いか ― 同じ様に思った中、先生は俺たちにルールの書かれた部分を見せてくれる。

 なるほど、意外と書かれていることは多い。・・でも、投げ出すのは、ねぇ?

「・・ほらほら、さっさと読んだ読んだ。」

 生徒の冷ややかな視線に対し、少しは動揺したそぶりは見せる先生だが、結局俺たちは素直に自分たちで読むことにした。内容は次の通り。


一.一般生徒3人一組で参加登録を行い、鳴海生徒会長、千里ヶ谷副会長、谷川会計とそれぞれ勝負する。

二.参加する生徒は学年、性別を問わない。ただし、生徒会役員および以前に本行事に参加した生徒、ならびに当日に部活の試合があるなど学校側が不適当と判断した生徒を除く。

三.参加登録は勝負3日前までに生徒会に行う。参加希望が複数の場合は、生徒会役員の立会いの下、参加希望同士の話し合い、それでも決定しない場合、代表者による抽選で参加者を決定するものとする。

四.勝負内容は原則、一般生徒側が勝負2日前までに決めること。3人同じでもそれぞれ別でも構わず、客観的に平等と思われる勝負ならば生徒会側は却下できない。ただし、明らかに不平等、危険、運頼みな内容は除く。また準備は原則、生徒会側が行うが、複雑すぎる、大掛かりな設備が必要などの理由で生徒会活動に支障をきたす場合も生徒会側は却下できる。

五.会計には知力を競う勝負、副会長には体力を競う勝負で原則挑む。生徒会長はそのどちらよりでもよい。また原則、前日までに生徒会役員の前で実際に模擬戦を行ってもらう。ただし勝負内容ならびに模擬戦の有無は、各生徒会役員が認めた場合はこの限りではない。

六.勝負時間は長くても30分程度とする。その判断は生徒会側が行う。

七.報償は本校の購買部のみで使える商品券とする。期限は本生徒会任期中。トラブル防止のため、生徒手帳と一緒に提示することで本人のみ使用できることとする。ちなみに不足分のお釣りは出ない。

八.報償金額は副会長、会計に勝利したら千円分、会長に勝利したら二千円分とする。負けた場合も参加賞で二百円分もらえる。また事故、法事などやむをえない事情を除き、棄権ならびに開始時間への遅刻は不戦敗とみなす(参加賞もなし)。尚、生徒にペナルティ等はない。

九.勝敗は学校側が用意した審判に委ねられ、反論は一切認められないものとする。

十.本行事は毎週金曜日17時より行う。場所は前日までに準備側が相手方に通知する。

十一.不測の事態などで上記のルールに変更のある場合は、原則として当日13時までに相手方に連絡すること。

十二.本行事は生徒自由参加の公式な学校行事であり、本行事における非難中傷など学生としてふさわしくない行為は行わないこと。また、練習などの理由で他の学校行事、部活などの活動を怠ってはならない。どうしても学内で練習を行いたい場合は、必ず学校側の許可を得ること。

以上


「要するに「知力、体力、時の運で生徒会に挑みましょう」ということね。」

「「アバウト過ぎます!!」」(大雑把過ぎ!)

 またもや3人同時突っ込み。・・フォーチュンは声に出していないが、直接頭に伝わってくるのでステレオ状態。なんなのこの状態・・

「・・そんなに突っ込まなくても、わかりやすいでしょ? んでもって、これまで3回、計9戦行われて7勝2敗、まぁ優秀♪」

「・・2敗の内容を教えてください。」

間髪入れぬ俺の質問に先生は一瞬きょとんとなったが、面白そうな表情で答える。

「ふ~ん。 ・・負けたのは3回目。3連勝は流石に面白くないと3年生の有志が集って、将棋部、ソフトボール部、サッカー部の各エース級が、それぞれの部活で勝負。谷川会計と千里ヶ谷副会長は善戦しつつも初黒星。・・・で、鳴海会長だけが勝利。・・それも圧勝しました、っと。」

「・・うちのサッカー部って確か、県トップクラスですよね。・・そのエースとサッカー勝負して圧勝?」

「まー、勝負内容はサシのサッカーではありがちなPK勝負ね。キッカーとキーパーを変わって交互に5本打つって奴。これならちょっと上手い素人ならサッカー部に勝てる可能性は全く無いとはいえないかもね。・・3本目で終わるってことじゃなければ・・」

「ぇ?5本勝負で3本目で終了って・・」

「・・ぁぁ、3-0のパーフェクトゲーム、ってやつね。」


俺は唖然となった。PKは運と言うのは聞いたことはあるが、さすがにそれは同レベルのプレイヤーでの話だろう。仮に同レベルであったとしても3連続決めてかつ止めるなんて、普通ありえない。


「・・こんな勝負を受ける時点でおかしいと思ったのに、それで完全勝利だなんて・・」

「1年の時もすごいと思ってたけど、これはさすがに想像以上。・・あれで色々手加減とかしてたのかな・・?」

「あれ?叶野君と鳴海君って、」

「1年の時のクラスメートです。・・ほとんど話したりしてませんけど。」

「・・ああ、そうなんだ。そうは言っても、彼の入学当初もすごかったでしょ?なにせ中学の剣道全国チャンピオンだし。」

「なにその無敵キャラ設定!?・・・ぁ、そういやそんな生徒がいるって聞いたことあるけど、それが鳴海君?」

「・・ほう、情報に疎い日高氏も流石に知ってましたか。そうそう。んでも、当然剣道部に入るのかと思いきや、まるでそれを避けるように生徒会入りしたんで、先生たちももう騒然。」

「・・ぁ、その辺の話は知らないっす。」

「やっぱり疎かった!!」

 速攻の突っ込みいただきました。・・いや、そうは言ってもねぇ・・・

「えっと、3本勝負の話、ですよね、今?」

ハッとなる俺と先生。

((忘れかけてた?このふたり!?))

だからステレオ攻撃やめい。


「ん~、・・コホン。・・・何はともあれ、鳴海生徒会長はとんでもないってことよ。具体的にどうすごいかは、・・実際に見た方が早いんじゃない?」

「・・ェ?」

保険医の先生は壁にかかった時計を指して言った。

「・・今、5時10分。3本勝負の1本目の最中か早ければ2本目、副会長戦くらいね。今から行けば生徒会長戦は見れると思うけど?」

「・・それを早く言ってください!」(早く言って!)

立ち上がる俺。その肩には姿を消した状態のままのフォーチュンが乗る感覚が。

「ぇ~、だって、説明キボンヌ状態だったんですもの~~」

わざとらしく科を作りながら、棒読み発言をする先生。この人・・・

「わ、わかりましたから、3本勝負をやっている場所を教えてください・・」

「生徒会室よん♪場所わかるかなん?♪」

「・・なんでまたぶりっ子口調なんすか。 わかりますんで、望のことお願いします。」

(このセンセー・・・)

呆れる俺とフォーチュン。そんな表情の俺を面白そうに見ながら、

「わかりましたわ。・・必ず、・・・必ず帰って来て下さいまし!!」

「変なフラグっぽい言い方辞めてください!」

戦地へ行く将校さんを見送るお嬢様風な振る舞いを わざとらしく する先生に流石に突っ込みを入れながら俺はフォーチュンと共に生徒会室に向かった。


そして、冒頭のシーンにつながるのである。・・な、なんか疲れた。



「ぁ~、満足満足。」

「・・・先生、本当に勇二とはあんまり面識ないんですよね?」

 呆れた表情を隠せない叶野望氏の姿が、そこにはありましたとさ。

読んでいただき、誠にありがとうございます!!

このあとがきを読んでいるということは、前作もきっと読んでいただいていると思うと、感無量です!!


今回の見所はズバリ、保険医の先生、だと思っています。

・・・この役どころがあんなに使いやすいなんて・・・


・・ぁ、ちなみに今作のこれ以降、多分出番ありません、彼女^^;


フォーチュン、LVアップ! このみさん、好感度アップ!!

・・といった感じで書いたつもりです。少しでも萌えてくれたら嬉しいです^^


・・さて、この投稿段階で、本当に全く、続き書いていません。

頑張ってなるべく早く書いていきたいと思います;;


評価・感想頂けたら、きっと少しは早く書ける(・・と思います;;)ので、評価、感想頂けたら幸いです。

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