3.晒し
連続投稿中~。
昼間からカーテンを閉めきった、万年床の薄暗くてジメジメした狭い4畳半の部屋。その部屋の中で、パソコンの22インチのモニタ画面いっぱいに写った、蒼の写メを見つめる、ひげ面のでっぷりと太った青白い顔の親父。それが蒼の3人のメル友のうちの1人 ダイ←自称17歳のイケメン高校生。実際は「須賀利大」(35歳:ニート)が蒼の顔をぼ~っと見ながら、こんな事を考えていました。
【そんなにすごく可愛いくはないけど、こいつマジJKかな? それにどーもこの写メは、なんかほんものぽいな~】
当然大が、蒼におくったイケメンの写メは別人の写真でした。
「こいつで、なんかおもしろいこと、できねぇかな……」
大は、次々と蒼から送られた写メをモニタに写しながら、なにやらぶつぶつと呟きながら、蒼へのメールを書き初めました。
《蒼奈ちゃんどうかな、お互い夏休みなんだし時間はあるよね。ちょっとでいいから会ってみない?》
それはメル友の一人、高校生のダイ←実は大からのメールでした。
【ダイくんは、確かに格好いいけど……。でもでもやっぱり会うのはちょっと怖いな】
ダイは、同じ高校生で蒼のタイプだった←と蒼は信じていた、ので、メールの頻度も一番多く、蒼としてもできれば、今後もメル友は続けていきたかったのでした。そこで蒼は、この「会いたい」というメールに曖昧な返事を返す事にしました。
《ごめんなさい。ちょっと友達と旅行の約束があって、今は時間ないんだよ。また今度タイミングがあったら、会ってもいいかなって~。ごめんね》
こんな返信はしましたが、さすがに実際には会うつもりはない蒼でした。
【なんだこいつ、友達と旅行だと? なんだよ、俺よっかそいつら優先かよっ! こんなにメールしてやってるのに、このブス感謝のひとつもできねぇのかよ!】
実は嘘の写メを送っている大自身だって、リア会いをするつもりは、全くありませんでした。ただ蒼の後をつけて、住所を知りたかっただけなのでした。でも蒼からの断りのメールを読んで、なぜか単なる興味に過ぎなかった感情が、メラメラと怒りの感情へと昇華させていく大でした。
《ごめん、ごめん。急に会うとかいって悪かったよ。もうリア会いは、蒼奈ちゃんに任せるからね。まぁその代わりといっちゃぁ、なんだけどさ、蒼奈ちゃんって実は、JKでしょう? どう俺だけに制服写メ、送ってくんない?》
ちょっとダイへの返信メール←旅行の話は真っ赤な嘘に、心苦しさを感じていた蒼は、このメールに喜んで返信しました。
《ごめんね。うんうん、そうだねリア会いの件はまた考えようね。そうだよ、蒼奈はダイくんと同じ高校生だよ。いま1年生ね。それじゃぁ、リア会いの代わりに制服の写メおくるね~。これってダイくんだけだからね~》
これでリア会いの件が有耶無耶に出来るならと、軽い気持ちで写メを送った蒼でした。
薄暗い部屋の中で、大きなモニタに写る蒼から送られた制服の写メをみながら、ニヤ~っと嗤う大の顔が、モニタ画面上の蒼の制服姿の上に反射していました
大以外のメル友もからも、リア会いしたいってメールが来ていました。そして蒼は大と同様に、そんなメールには曖昧な返事を送っていました。
【なんだこの返事! 俺をからかってんのか? このくそガキが馬鹿にしやがって、ちょっと懲らしめてやっか】
この男もまた、自己中な考えで蒼への怒りを爆発させていました。そしてこの男はあるサイトの掲示板に、蒼から受け取った写メに、勝手なメッセを付けてUPしたのでした。そこにあったメッセは……。
《あたしぃ、蒼奈って云いますぅ。わたしと遊びたい人はぁ、連絡頂戴ねぇ。メアドは…………》
“ピピッピピッ・ピピッピピッ”
と蒼のスマホが何度も何度も何度も、夜中にメールの着信音を鳴らしました。眠い目を擦りながらスマホの受信BOXを開くと、見慣れないメアドからのメールが数件入っていました。
《蒼奈ちゃん。まぁまぁ可愛いじゃん! 俺と即エッチやらね?》
《どう?いまから会わない? 気持ちよくしてやるよ》
《今から出てこいよ。遊んでやっからよ》
そこにあったメールは、みんなそんな感じなメールばかりでした。
【な、なにこれ? イミフ?】
見の覚えのないこんなメールにきょとんとする蒼でした。それでも受信したメールを即座に削除し、そのメアドを受信拒否する蒼。しかしその後も次々と似たようなメールの着信が途切れることはなく、数日で蒼のスマホは多量のメールで爆発する程でした。
いったい何が起こっているのかまったく判らない蒼でした。でもその数多く送られてきたメールの一通に、蒼が晒されている掲示板のURLがありました。大慌てでそのサイトの掲示板をみると、そこにはメル友に送った写メの何枚かが貼ってあり、更に掲示板に書いてあった“蒼奈”名によるメッセを見て、さすがの蒼でも全てを理解する事が出来たのでした。蒼は直ちに写メ交換を行っていた3人のメル友に怒りのメールを送り付けると同時に、躊躇う事無くスマホのメアドを変更したのでした。
どうでしたか?
ちょっと怖くなってきたよね?
あと2話で完結しま~す




