異世界での第一歩
今回ようやく主人公の名前が出ます。あと次回登場人物の簡単なプロフィールなども掲載したいなぁっと思ったり思わなかったり(笑)
男が異世界に放り出されてから早3日が経とうとしていた。
心が極限状態に陥り、ベッドの上で何するわけでもなくただただボーっとして過ごしていたが、不思議なことに拒絶した世界でも生存本能は働き、生きる糧を求める。
簡単な話、腹が減ったのだ。
それも当然な話だろう。3日も何も口にしなければ誰でも空腹を訴えるはずだ。
男はむくりと身体を起こしホームを見渡す。しかし、ゲームでは空腹になることなどないため内部に食料等置いてあるわけがない。つまりホームから外に出る必要があるのだ。
心が弱った男にはもう考える余裕はなく、フラフラと外に繋がる扉に向かう。もしかしたら意識もほとんどないのかもしれない。
ただ”生きたい”という本能が働いているのだろう。
あれほど恐怖した異世界への一歩は空腹に負け、呆気なく男は外への扉を開けた。
時間はわからないが、外は既に太陽が沈みかけ薄っすらと星が見え始めており、村の中を行きかう人もまばらになっていた。
男も飢えを満たすべく歩みを進めようとしたところで、気がついた。
ゲームでは食料品など必要としないから、売っている場所も知らなければ食堂があるのかもわからない。知ってるはずの世界なのに、知らない事が多い世界という矛盾が男を悩ました。
そんな時だった。どこからか漂ってくる食べ物の匂いが男の鼻をくすぐった。
明確な場所などわからないが、その匂いを辿る様に男は歩みを進めた。
数分ほど歩いただろうか?そこは村の中心から外れた小さな食堂だった。
店内はガランとしており、初老の男性と小さな少女がカウンター内にいるだけでであった。
男の存在に気がついたのだろう。少女の顔に笑みが溢れた。
「いらっしゃいませ!お一人ですかぁ?」
その問いに男は黙って頷き、案内されるがままにカウンター席についた。
久しぶりの人との触れ合いに、そしてその少女の笑顔にささくれ立っていた男の心には何かわからない温かなモノが流れ込んできているのを感じた。
この2人との出会いが後に自分の生き方を変える事になるとは、このとき男は思いもしなかった。
な・・・・・・・名前が出せなかった。
次回・・・・次回こそ出します!!
・・・・・・・・・・・あれ?主人公喋ってなくね?