現実は小説より奇なり
新しき世界は、知ってるはずの世界であり、それとはまた異なる世界でもある。
うっすらと開く瞼。寝起きのためかまだ視界はぼやけている。意識も曖昧なものだ。
まぁ、もともと寝起きはいい方ではないのは誰よりも自分が知っている。
それでも、霞む目をこすり瞬きを何度かすれば視界も定まってきた。
「ここ・・・・・・は?」
目に見えるのは見たこともない石造りの天井。
酔って廃ビルの中にでも迷い込んだか?そう思いながら身体を起こす。
そして周りを見渡せば、ビルでないこともわかる。石造りの建物に暖炉、匠が拵えたと思われるほどの立派な細工がされた木のドア。
そして何よりも目立つのが、部屋の中に飾られた武器や防具だった。
何だこの部屋は?色んな意味でヤヴァイ人にでも攫われたのか?
だとしても、こんな危険なもので溢れた部屋を作れるほど日本の警察は甘くないはずだが・・・・。
そもそも、何故自分なんだ?別に裕福な家庭でもない自分を攫って何のメリットがあるんだ?
考えれば考えるほど今自分が置かれている状況が理解できない。それに何故だか、この部屋にある武器や防具に見覚えがある様な気がしてならない。
でも、頭の中に霧がかかった様な感じがしてそれが思い出せない。
こんな状況に置かれながらも焦りが生まれない自分に違和感を覚えながらも男はベッドから起き上がり洗面台を探すが、それらしい物は無く、あったのは姿見とその前に置かれた水の入った桶であった。
今時水道が引かれてないない物件なんてありえるのだろうか?まぁ、仮にあったとしても住みたいと思う奴がいるのか疑問だな。
そう思いつつも、とりあえず意識の覚醒を最優先とし姿見の前まで足を運んだ時だった。
男は何気なく見た鏡に映る自分の姿に驚きを隠せず、ただただそこに佇んだ。
何故ならば、そこに立っていたのは慣れ親しんだ自分の姿ではなく、青黒い肌をした男が立っていたからだ。
短めではありますが、投稿します。
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あと、誤字や脱字の報告も・・・・・(苦笑)