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『悪役令嬢になりたいのに、全部善行扱いされてしまうんですが!?』  作者: ゆう
《悪役令嬢、国レベルで誤解される》 ――捏造も陰謀もすべて“正義”に変わる世界で

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第2章 第13話――国中の支持が爆発して、悪役ルートが完全に消滅しましたわ!?

第13話は、

悪役令嬢としての可能性が完全に消滅する回 でした。


・学園外にまで評判が拡大

・国民が押し寄せる

・殿下が公式に「最も信頼」と宣言

・王妃候補扱い

・教員、生徒、国民、全員が味方


主人公にとっては絶望、

読者にとっては爆笑必至の加速回です。


次は物語転換期(第3章)に入っていきます。

第2章 第13話――国中の支持が爆発して、悪役ルートが完全に消滅しましたわ!?


 殿下への“不敬発言”が、

 なぜか“本音を言える唯一の相手”という

 恋愛フラグとして扱われた翌日。


(終わりましたわ……

 私の悪役令嬢計画、もはやボロボロですわ……)


 私は重い足取りで学園に向かっていた。


(殿下は全面信頼状態、

 ミリアは完全に私崇拝ルート、

 学園中は“エリザベート様最高”……)


 どれを見ても、悪役令嬢らしい悪評はゼロ。

 むしろ逆に、好感度だけが天井知らずに伸び続けている。


(せめて……せめて学園の外では

 私は無名なはず……!

 まだ挽回できる余地があるはず……!!)


 そう思って門をくぐった瞬間。


「ローゼンクロイツ嬢だ!」

「本物だ……! ついに学園で見られるなんて……」

「殿下のご信頼厚いって噂は本当だったんだ……!」


(誰!? 見たこともない人達がいるんですけど!?)


 門の前には大勢の貴族、商人、記者らしき人々が押し寄せていた。


(……なんで!? 私、有名人なの!?)


 すると学園の先生が駆け寄ってきた。


「ローゼンクロイツ様! いま国中があなたの話題で持ちきりなんです!」


(なぜ!?)


「偽文書事件を防いだ功績、

 舞踏会での礼法、

 殿下との“本音を語る関係”、

 ミリアへの導き……!」


(全部誤解ですわよ!?)


「それに昨日、殿下が公式に言ったんです!」


(え……?)


「“私はエリザベート・フォン・ローゼンクロイツ嬢を

 最も信頼している”と」


(やーーーめーーーてーーーぇ!!)


 先生にリードされるまま学園に入ると、

 今度はクラス中の生徒が一斉に立ち上がった。


「エリザベート様、おはようございます!」

「いつも気品をありがとうございます!」

「本日のご登校、嬉しうございます!!」


(今日の“ご登校”ってなに!? 王族なの私!?)


 ミリアが机の前で深々と頭を下げてくる。


「エリザベート様……!

 国民の皆様が……あなたの活躍に……涙を流していました……!」


(涙!? 国民!? 活躍!? 何一つ事実がありませんわよ!?)


 そこへ、アレクシス殿下が颯爽と入室した。


(来た……絶対何か言うつもりですわ……)


 殿下はクラス全員を見渡し、

 堂々と宣言した。


「皆、よく聞いてほしい」

「エリザベート嬢は――」


(嫌な予感しかしませんわよ……!!)


「この国が誇る“未来の象徴”だ。」


(はい????????)


 クラス全員が拍手喝采。


「おめでとうございますエリザベート様!!」

「殿下がそこまで言うなんて……!」

「未来の象徴って……王妃候補以外ありえない……!」


(絶望……!!!

 そんな称号、悪役どころか“国のヒロイン”ではありませんの!!)


 しかし、殿下の爆弾はさらに続く。


「いずれ正式に、

 彼女には何らかの形で国政に関わってもらうつもりだ」


(国政!? 私、悪役令嬢希望者ですのよ!?)


「国民にも発表する予定だ」


(やめてえええええぇぇぇ!!)


 クラス全員が歓喜に震え、

 ミリアは泣きながら私の手を握った。


「エリザベート様……本当に……本当に素敵な方……!」


(素敵な方じゃありませんのよぉぉぉ!!

 ただ悪役ムーブが全部裏目に出てるだけなのよぉぉぉ!!!)


 その後、私は廊下に逃げ出した。


(無理……もう無理……

 この国、みんな私のこと褒めすぎ……!

 悪評が一つもない……!!)


 外に出れば出るほど、

 窓から見える生徒たちが手を振る。


「エリザベート様ー!」

「今日も素敵ですー!」

「殿下とお似合いですー!」


(私の悪役ルート……どこ……!?)


 空を見上げると、

 青すぎる空が憎かった。


(どうしてこうなるの……

 私……ただの悪役令嬢希望者なのに……)


 そしてその日の国中に広まった噂はこうだ。


「ローゼンクロイツ嬢、国民的スターに」

「殿下、“最も信頼する人物”と断言」

「王妃候補、事実上一本化」


(断罪どころか……

 国民の後押しで王妃ルート一直線ってどういうこと!?

 私の“悪役願望”……もう国に消されましたわ……!!)


 私はその場にへたり込んで、

 小さくつぶやいた。


「……悪役令嬢って……どうやってなるの……?」


第13話で完全に“悪役ルート消滅”が描かれ、

エリザベートの願いは国規模で封殺されるという最高の悲劇になりました。


次は 第14話:ヒロインの好感度を下げようとする → 慈愛の心と誤解されます。

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