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無限の塔  作者: ドジョウ


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青の誓い



今日はいよいよ中ボスと戦うと言うことで気合いの入っていたアルは早めにギルドに来ていた。そして昨日のキャンプで教えてもらった塔のガイドブックのような本をルシアンから預かったお金で購入する。


昨日のキャンプ後、宿でルシアンに塔の探索の為の本が欲しいと、言伝を頼んだのだ。そして今日の朝使いのものが来て本を購入するお金を受け取っていた、



アルは空いている席に座り本を開き読み始め、目当ての情報が載っているページを見つける。


そう。今日のメインイベント、五階層の中ボスの情報である。この本によると中ボスは、ジャイアントラット。先日から戦っていた、ラットの上位個体のようだ。ラットの2倍以上ある大きな体、さらに発達した鋭い前歯、そして取り巻きのラットを従えているようだ。


塔を探索する者は遅かれ早かれコイツぐらいは倒せるようになるようだが今の初心者のアル達には身の丈に合わない強敵だ。


塔で異形の敵、魔物と呼ばれるモノを倒すと少しずつ身体能力が向上していくようだが、

まだ、たかだか低階層の魔物を二日倒しただけ。少し体が軽く思い通りに動く、ようは今日は調子がいいな、ぐらいのものだった。


探索も慣れてきて体も仕上がってきている本物の探索者とはわけが違うのだ。


いざと言うときは教官が助けてくれるようだが、やはりやるからには倒したい。

こんな所で躓いてなどいられないと厳しいことは分かっているがどうにかならないものかと考える。




そんなアルの元へすっかり馴染みになってきたカイルとリアがやってくる。リアはいつもと変わらないが、カイルは少し装備が変わっている。


「よう!早いじゃねぇか!お前も待ちきれなかったのか?」


「馬鹿カイル。あんたとアルを一緒にしないの!おはよう、アル。今日も頑張りましょ?」


アルも二人に挨拶を返し、自分のテーブルに二人を座らせる。二人はアルの見ている本に気づき、カイルはジャイアントラット戦の作戦会議をするぞ!と意気込んでリアにうるさい!と叱られていた。二人と話して時間を潰していると今日のキャンプの時間がやってくる。


今日はパーティー戦について、Bランクチームの青の誓いに指導を受け、その後午後から貴族、一般、奴隷の順で五階層のジャイアントラットへ挑む。


早速アル達は教官役の青の誓いと共に塔へ向かう。

青の誓いのメンバーは、盾役のガオ、剣士のルイ

弓使いのミーシャ、魔法使いのサラだ。


魔法使いと言われて三人の視線がサラへ向いた。


「気になるか?サラも元は短剣で戦っていたんだかな?遠距離魔法のスキルが手に入ってから魔法使いに転向してもらったのさ。」


ルイの説明を聞いて「いいなー、俺も魔法とか使って見てーわ。」というカイルに、アンタは魔法が使えてもどうせ剣を振り回すでしょ!というリア。





またいつものが始まった、アルはそう思った。



それからアル達はまず青の誓いの戦闘を見ることになった。アル達にも倒せるラット相手ではあったが三人は青の誓いの戦いを食い入るように見ていた。


彼らはBランク、探索者のランクは下がEから上はAまである。Bと言うことは相当の腕利き。ギルドから今回のような依頼を任されるだけはある。




挑発系のスキルだろうか?盾役のガオが赤いオーラを纏うと五体いたラット達が一斉にガオに殺到する。

そこへ弓使いのミーシャが後ろの少し遅れている二体へすかさず弓を射る。これで残り三体。


三体のラットに囲まれているガオを回り込み、後ろからガオに夢中になっているラットを一体切り倒す。


それを合図に盾を残るラットに打ち付け吹き飛ばすガオ、打ち上がったラットへサラの魔法が殺到し、跡形もなく消し去った。



全員が特に言葉も交わさずに最善の行動をしている。味方が何をするのか、こう言うときはどう動くのかが決まっているような、完璧な連携。


これがBランク。三人はゴクリと唾を飲む。



「さぁ、どうだっかな?これが青の誓いの戦い方だ。パーティーによって色々違うとは思うが基本は同じ、誰が何をするかをはっきりさせることが大切だ。それさえ決めておけば自然と連携できるはずさ。まあ練習は必要だし、不測の事態の陥った時の取り決めもひつようだしね?」





―じゃあ今度は君たちでやってみようか?―





ルイにそう言われたアル達は朝の作戦会議を思い出し意見をすり合わせる。

カイルとアルが前衛、リアが後衛なのは武器などからしても当然だがそこからさらに詰めていく。

青の誓いを参考にカイルが盾役兼アタッカー、アルは遊撃、リアが後衛、と決まる。






そして青の誓いがラットの集団を見つけた。





アル達、初のパーティー戦の開幕である。








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