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無限の塔  作者: ドジョウ


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幕間 sideクレア

 クレアはコボルトキングを倒し、諸々を済ませて宿舎に帰って来ていた。


 そして新しく貰ったスキルオーブや、依頼した装備を使う自分を想像して思わず頬がゆるむ。


 そして今日新しく更新された探索者カードのDランクの文字を見て、


 ―――私も、ここまで来れたんだ‥


 今までの事を思い返す。


 クレアは、幼い頃から気が弱く人の後ろに隠れている様な大人しい子供だった。


 成長してもそれは変わらず、仕事を探したがその性格が災いし、人と関わる仕事はうまくいかなかった。


 そこで彼女が目をつけたのが探索者だった。魔物と戦うのは怖かったが、ラットならどうやら初心者でも倒せるらしい。


 ‥‥弱い魔物を倒して、お金を稼ごう、


 晴れて探索者になったクレア。日雇いの頃に貯めたお金を使って鎧を買った。魔物が怖かったからだ。


 それからキャンプに参加したクレア。ラットは怖くて最初は怯えてまともに攻撃を受けてしまった。

 しかし、鎧で身を固めたクレアにラットの攻撃はあまり効かなかった。


 安心したクレアは時間をかけて盾を振り回してラットを倒すことが出来た。ジャイアントラットでは何も出来なかった。吹っ飛ばされた、とても怖かった。


 それからクレアは一人でひたすらラットを倒した。毎日塔に行き、ラットを倒す。地道な作業は嫌いではない。それに一人で黙々とお金を稼げるのはとても嬉しかった。そんな日々を過ごし少しずつ塔を進んでいく。そんな生活をしばらく続けて行くと、ラットを盾の一振りで倒せる様になってくる。


 そこでクレアはジャイアントラットに挑戦することにした。とても怖かったけどもしかしたら今の自分ならと思ったのだ。


 結果は、負けはしないが倒せない、だった。


 ラットを倒し続け、鎧と盾を装備したクレアはジャイアントラットの攻撃を受ける事はできた。ラットは一撃だし問題ない。でも、湧いてくるラットを倒しながらジャイアントラットを削り切る事は出来なかった。びびっていたのもあるだろう。あまり積極的に攻撃出来なかった。


 そんな日々を過ごし、倒せないまでもジャイアントラットが怖くなくなって来た頃。


 パーティーの誘いを受けた。ある程度強くなり少し自信もついて来たクレアは、誘いを受ける事にした。


 ダメならダメで仕方ないよね。


 そう思ってパーティーに入った。自分の仕事をしっかりこなせばきっと大丈夫。


 それから、今までの苦労が嘘の様にジャイアントラットを倒すことができた。メンバーも褒めてくれて、嬉しかった。


 でも、問題があった。女性の探索者は、男性に比べると少ない。クレアが最初に入ったのは男性のみのパーティーだった。内気で大人しいクレアに押し切れると思ったのか、飲みの誘いをして来たり、いやらしい視線を向けられることがあった。


 そんな誘いを断り続けると雰囲気も悪くなり、パーティーを抜けた。


 それからも、同じ様なことが何度かあった。それに、後からパーティー入るとそのパーティーのやり方を覚えないと行けない。咄嗟にあーしろこーしろと言われ、テンパってしまい、怒られることもあった。


 ‥‥やっぱり、人と接するのは向いてないのかな。


 それからはまたソロに戻った。五階層より上まで探索していたクレアは、ソロに戻ってもジャイアントラットを時間をかけて倒すことが出来た。


 コボルトの装備と倒して強化された力は裏切らない。スキルオーブを落とすジャイアントラットをそれはもう沢山倒した。得られる盾用のスキルは習得した。倒したお金でもスキルを買い、とうとうコボルトキングの元まで辿り着く。


 あんなに怖かったジャイアントラットだって倒せる様になったのだ。コボルトキングだっていつかは‥‥


 そう思い、研鑽を積んだ。しかし、十階層の壁はクレアには高かった。それから長い時間をかければ分からないが厳しい状況が続いていた。


 また、パーティーを‥‥でも。


 そんな曖昧な気持ちで毎日塔に向かう。ある時、クレアはカトレアをギルドで見かけた。彼女の噂はクレアも知っていた。貴族令嬢で探索者、それだけでも注目されるのに、奴隷落ちしたと言う話は探索者をしている者なら、知るところとなる。そんな彼女が帰ってきた。


 それから少し気になってしまい、見かけると目で追う様になった。カトレアの隣にはいつも男の人がいた。パーティーメンバーなのだろうか。男性からのいやらしい視線を受けていたクレアにはわかった。男の人がカトレアに向ける視線はそう言う類のものでは無さそうだと。


 ―――いいなぁ、私もあんな風なパーティーに入れたら‥‥カトレアさん、楽しそう。


 それからますます二人のことが気になったクレア。


 そんなある日、いつもの様にギルドで素材を売っていると受付の人に打診を受けた。


 ―――クレアさん、パーティーに入りませんか?紹介したいパーティーがあるのですが。


 紹介されたパーティーは、まさかのカトレア達だった。


 心臓が早くなる。あのパーティーに私が!?でも‥私に務まるのかな‥前みたいに上手くいかなかったら、


 クレアはとても悩んだ。悩んで、悩んで、そして‥






「あの、そのお話、受けさせて頂きたいです。」

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