圧倒
ついに新メンバーと10階層に挑む日がやってきた。
ギルドに集合し、4人で進んでいく。
以前ジャイアントラットを倒した後に決めた作戦を確認するアル達。
まずは、カトレアの魔法でコボルトジェネラルを素早く倒す。その後は、クレアのスキルを使って、コボルトキングを引き付け、アルと、ジンで攻撃する。
以前とは違い、今回はクレアが敵を惹きつけてくれるので、前回コボルトキングを倒したスキルをタイミングをあまり気にせず使うことができる。おそらく問題なく倒せるはずなので、今回はジンとも連携を合わせてみる予定だ。
ボス部屋に入り、コボルトジェネラル達が突っ込んでくる。が、一人前に出たカトレアが魔法を発動させる。
「《並列起動、ボルケーノッ!》」
ゴォォォ
二つのボルケーノが、大きな螺旋となりコボルトジェネラルを巻き込んでいく。今回も開幕キングに強化されていた様だがお構いなし。前回より成長し、二重起動したボルケーノは、全てを巻き込み消滅させる。
「っ!?カトレアさん、す、凄いでしゅ!」
初めて見るカトレアの切り札に驚くクレア。ジンも僅かに目を見開いている。
やはりカトレアのこれは凄いな‥。驚く二人を見てカトレアの魔法の強さを再確認し、同時に少し誇らしくなる。
「よし、これであとはキングだけだ。クレア頼むぞ!ジンも様子を伺って攻撃を頼む。」
「は、はい!《ピンポイントハウル!》」
「‥‥フッ。」
アルの指示を受けてスキルを使う二人。
クレアが敵のヘイトを奪い、ジンはスキル《潜影》を使い消える。
潜影は発動すると、自分の影に一定時間潜れる。効果が切れるまでに相手や味方の影から現れることが出来る攻防一体の強力なスキルだ。
敵のヘイトを奪ったクレアが前に出る。
「行きます!《シールドバッシュ!》‥っ!《スマイト!》」
クレアは十階層こそ越えられていないが、それは、盾役で味方がいない為、強化されたコボルトジェネラルを倒すのに時間がかかり、キングを含め囲まれてしまうからだった。
コボルトキングとはいえ、一体を抑える事はソロでここまで来たクレアにとって、脅威にならない。
強烈なカウンター、仰け反った所に更に盾で殴りつけられ、タタラを踏むコボルトキング。
好機と見たアルはすかさずスキルを切る。
「《浸透打》」 「フッ!」
追撃をかけるアル、更にコボルトキングの後ろ、その影から飛び出したジンが鎧の隙間から短刀をねじ込む。
―――グルルルルルゥ!
怒りに任せ吠えるコボルトキング。しかし―――
「スタンハウルっ!」
すぐさまクレアのカバーが入る。咆哮を上げたコボルトキングを‥‥抑えつける。
ダメージが蓄積した状態での硬直が先のジャイアントラット戦を思い出させる。まだ一人攻撃に参加していない者がいる。
おのずとメンバーの視線は一人に集まり、その獰猛な笑顔を顔を見て距離をとる。
「行くわよぉッ!《並列起動!ボルケーノ!》」
燃え盛る螺旋がコボルトキングを巻き込んだ。
コボルトキングを倒したアル達。クレアは初めて見たカトレアの魔法の強さに興奮しきりだ。カトレアも満更でもない様で嬉しそうにしながら、クレアも今回も凄かったわよ。と二人でわいわい盛り上がっている。
そんな二人を見て、アルもジンに話しかける。
「ジンは、合わせるタイミングは、問題無さそうだな、クレアが思った以上にしっかりしてるから潜影との相性が良さそうだ。」
「‥フッ。」
「先を経験してるジンに聞くが、俺達は次の階層からでも問題なさそうか?」
「フッ。」 コクリ。
頷くジンによし。とやる気を出すアル。経験者が問題ないと言うなら大丈夫だろう。
それからメンバーを集めて素材を回収していく。
「そうだ。これからの予定だが、先ずはクレアの防具を更新する。コボルトキングのドロップ品を使おう。ジンに確認したが俺たちの地力は次の階層でも通用するみたいだし、クレアもギルドショップに入れるようになるからスキルも充実させれば万全だろう。」
その後は新スキルの慣らしと装備が出来てからお試しを行う。装備ができるのはアル達の経験から三日後ぐらいと思われる。なので、次の階層に行けるのは早くて四日後。
アル達は今日はこのままギルドに行き、スキルオーブの鑑定。素材の売却。ギルドショップの確認や装備の依頼。諸々をこなし、明日から四日間コボルトキングを周回することにした。
装備と、スキルの試運転をしながら資金集めをする。コボルトキングなら、それだけ倒せば帰還の書も揃うだろう。クレアのスキルと防具はルシアンに出してもらう。
コボルトキングを回れる様になり、十一階に挑むとなれば喜んで投資してくれるだろう。




