報告
コボルトキングのドロップ品を回収したアル達は、ギルドに戻っていた。スキルオーブの鑑定と十階層突破の報告をする為だ。
探索者にはランクがあるが、十階層を超えると、探索者のランクが一つ上がる。ここを超えられない者はずっとEランクのままと言うことだ。
アル達はコボルトキングの素材を確認してもらい、ランクDの探索者となった。駆け出し卒業である。
ランクは、基本的に十の区切りの階層を突破すると確実に上がる。しかし、ここから先では他にも上げる方法がある。ネームドと呼ばれる魔物の討伐である。塔の十階層以降から現れるその魔物達は数が少なくどの場所にいるのかもわからない。ただその階層に見合わない強力な力を持ち、倒すことができればランクも上がるし、強力なドロップや、貴重なアイテムを落とすとされている。
しかし今まで討伐が確認されているネームドはたったのか二体。
――聖獣ライオネル
――怪鳥クジャ
のみ。戦いになれば死が確定するような化物。普通なら逃げ一択である。
この情報も最初のランクアップの時に初めて教えてもらえる。下手に夢を見て死なれても困るし、十階層を突破する力があるならネームドがどれほどのものかも想像がつく筈。あとは自己責任ということだ。
受付からネームドの話を聞きランクアップを果たしたアル達は、スキルオーブを鑑定する
今回は一つしかなかった。
《アイアンボディ》一定時間防御を底上げするスキルで使い勝手が良さそうである。しかし、アル達のチームにはタンク。壁役のメンバーがいない。アルが使っても良かったが今回は使わずに取って置くことにした。
ギルドを出るとルシアンの使いの者が待っていた。今日十階層へ挑戦する事は伝えていた。おそらく安否と、結果の確認のためだろう。
アルは使いの者に十階層を突破し、ランクが上がった事を報告した。そういう事なら時間があればルシアンの元へ来て欲しいと言われ、向かう事になる。
部屋に通されたアル達は早速今日の成果を報告した。ボスは手強く厳しい戦いだった事。討伐に成功し、ランクが上がった事を報告した。あとは、量量は少ないがマジックバックが手に入った事、その他のドロップ品の種類なども伝えた。
一通り話を聞いたルシアンは、やはり上機嫌になったが、ボスが手強かったという事でこれからの予定はどうするかを聞いてきた。
「十階層を危なげなく突破出来るようにしたい、と思っています。自己強化をしつつ都合のいいメンバーを探すと言った感じになる、と思います。」
「なるほど、承知した。もし、資金が足りないときは言いなさい。これからもよろしく頼むよ、十分な利益は得ている。焦る必要はないからね。」
事実、ルシアンはアル達の成果に大変満足していた。
半年も経たず二人で十階層を突破するのはかなりのペースだ。それに二人とも奴隷にも関わらず。
ここに至ってはもう、ルシアンには、アル達を失う事は考えられなくなってきた。資金など幾らでもくれてやる。それで装備を整えたり、メンバーを増やせば、彼らはどこまも進んでいくのではないかと。
そこから取れる素材や品物で元は幾らでも取れるのだから。
アル達は褒美として追加の資金を受け取りルシアンの元を後にした。
その後は宿に戻り身支度を整える。
今日は十階層の攻略を記念してカトレアと祝勝会をすることになっていた。それから今後の計画についても話し合う予定だ。
身支度を整えカトレアと集合すると二人は街へ繰り出して行った。




