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無限の塔  作者: ドジョウ


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攻略準備

更新は不定期ですがなるべく多めにできたら‥


ルシアンに買われたアルは直ぐにでも塔へ向かうと意気込んでいたが現実はそう甘いものではなかった。


「まずは装備を整える。そしてキャンプへ参加してもらう、これは必要なことだ。そして君のためにもなる。君が並々ならぬ塔へのこだわりがあるのはわかるが、こちらも買ってその日に死んだとなれば困るのでな。」


「わかった。‥‥わかりました。」


アルは素直に従った。確かに今の自分には何もない。防具もなければ武器もないし、奴隷商にいた頃とは違い、この男に用意してもらわなければ今日の飯もないのだ。自分は塔で成り上がり、何も奪われない強さ、そして自分を、つまりアルフレッドという人としての身分を手に入れなければいつまでも底辺を這いつくばる事になる。


二人はまず鍛冶屋に赴いた。ルシアンに連れられて向かったそこは塔を探索する者、()()()ご用達の店だ。武器や防具などは皆ここで買いメンテナンスをしてもらう。


「すまないがこの者に剣と鎧を見繕ってくれないだろうか?」


「あー、悪いがこいつに鎧を着せるのはどうかと思うがな。鎧なんてものを着て塔へ潜るやつはガタイが良くて敵の攻撃を受け止める役か指揮を取るボンボンぐれーのもんだしな。」


その男、鍛冶屋のアンドレイの言葉を聞いてそうなのかとルシアンは思案する。確かに自分たち貴族は安全や箔付けのために鎧を着、剣を差すが、この痩せているアルがガチャガチャと鎧を着て異形の怪物と戦うと考えると確かに理に適ってないという気になる。


「わかったか?それとそこの坊主、お前さんの物になるんだから、お前がどれが必要か考えてみろ。お前さんがこれから塔でやっていけるのか見極めてやる」


アンドレイが。多くの探索者を見てきた者が自分を見極めると言っている。アルも少し緊張した様子で品物を物色していく。しかしその目はやはりギラついており、自分の命を預ける物を真剣にえらんでいく。


幾らかの時間をかけアルが選んだのは鎖かたびらのインナーと槍、短剣、なるべく軽い靴、そして頭を守る兜だった。それを見てアンドレイはやや驚きそしてニヤリと笑みを浮かべた。


「お前さん、塔にはいったことはねーんだろ?中々良い感性をしてるじゃねーか。」


そう言ったアンドレイはうんうんと頷きながら語る


「大体、初心者の奴らは自分の力量もわからずに高ぇ武器や頑丈な鎧なんかを選びたがる。そう、道具に頼ろうとするんだ。まぁそれも悪い事じゃない。高ぇのには高ぇだけの理由があるしな。」


そう前置きをした上で、

だがな?とアンドレイは言う。


「それは裏を返せば道具がなければ何もできないということを意味する、探索中に敵から逃げる時に鎧で走れるか?いいものだからと大剣をふりまわせるか?落としたら?さぁどうする?道具だけでなんとかなる程塔はあまくねえ。それならいい道具を揃えればいいってだけの話になるからな。」


「だけどお前は違う。本質を理解してるのさ。なるべく軽く動きを邪魔しない、最低限の致命を避ける、体力を余計に消耗しない防具。狭い場所でも扱え、最速の攻撃速度の突き、そして距離も取れるアドバンテージを持つ槍、しかし近づかれた時も考えいざという時の短剣。全てがお前の痩せた体型、塔の中の未知の環境に適している。」


「まあその分一撃の火力は劣るし防御も薄いがな。

あと兜はいらん。頭を守りたいと思うのはわかるが耳も鼻も鉄を挟むと感覚が鈍る。お前さんはどっしり構えるタイプでもねーだろ。」


褒められているのかそうでないのかよくわからないがあまり間違ってはいないようだと、とりあえずアルはアンドレイの話を聞きながら頷く。


そうして買い物済ませたアル達は雑貨屋や、衣服屋も回りポーチや服、ベルト。他にも細々した物を買い込んだ。






アル達が去ったあとアンドレイは久しぶりに塔を登れそうな奴が現れたか?


と先ほどのアルと名乗った男の事を考えていた。別にあーいった言い方をしたものの鎧や剣が悪いわけではない。


だがそれはパーティーなら。もしくはそれに特化した才能があるならだ。お互い役割が違うのであれば盾役が受け剣や槍で攻撃し、さらに後衛などのサポートもある。


逃げる必要がないのならば、他にも味方がいるのならば防御力のある鎧も悪くないし、他にもたくさん選択肢はある。だがあいつは一人でやるつもりだった。だからこそ、あの選択には感心したし、それならばと、先ほどの説明をしたわけだが。



あんまり早く死ぬんじゃねーぞ。



装備を身につけ少しみすぼらしくなくなった男が去った方を見ながらアンドレイは呟いた。


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