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何気ない日常を彩る美少年  作者: さくら優


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2-1.人類はいつだって宇宙に仲間を欲しがったりする

体育祭が終わり、次の大きな学校行事は合唱祭。俺たち3年は当然だけど最後の合唱祭なので、今から気合が入っている。


「まだ何ヶ月も先なのに、すごいですね」

「受験勉強もあるから、むしろ今のうちにしっかり練習しとこうって感じなんだよ、3年は」


今から必死に勉強したところで、どうせ俺は途中で失速するに決まってるし。練習は気分転換にもなっていい。


体育祭が終わった翌週から、今度は歌の特訓が始まった。さすがに体育祭の日はすぐに帰った。カラオケで練習はリュウの冗談だったらしい。


「では、今日のHRは合唱祭の自由曲を決めます」


前でクラス委員の学が仕切る。課題曲がつい最近発表されたので、次は自由曲を決めるのだ。


候補となる曲のタイトルを書き出し、順番に流していった。


「1回聞いたくらいじゃなあ。いいのか悪いのか、よくわかんねえよ」

「うーん⋯」


好きなジャンルの曲ならまだしも、合唱曲となると、いまいちピンとこない。

それでも、音楽が好きな特に女子たちは盛り上がっているようで、少しずつ候補が絞られていく。


「たじまギュウ⋯」

「読み方『うし』な。たじまギュウだと焼き肉みたい」

「美味しそうですね」


席が後方の俺たちは、前方の盛り上がりを眺めながら適当に参加していたのだが。


「ねえ、やっぱこの曲じゃない? せっかくメロスもいるんだし」


もう1人のクラス委員の女子が、候補に残っている曲の中から1曲を選んで流す。

ちなみに、俺たちが決めたメロスという呼び名は、もはやクラス内に留まらず、学校中に広まりつつあった。


彼女が流した曲は『二十億光年の孤独』。宇宙をテーマにした曲だ。


「歌詞が意味わからん。メロスわかるか?」

「火星人と友達になったら、くしゃみが止まらなくなったっていう実体験じゃないですか?」

「実体験!?」


だったら面白すぎるな。


せっかくクラスに宇宙人がいるから宇宙をテーマにした曲に。メロスのことは国家機密で誰にも話してはいけないと言われているが、このくらいなら何も問題はない。


「いいんじゃない? インパクトがあって面白い曲だと思うよ」


学を含めた他のクラスの面々も乗り気なようだ。最初のアカペラがきれいに決まればかっこいいだろう。


「20億光年ってどれくらい遠いんだ?」

「光の速さで進んで20億年かかる距離だよ」

「すげーな。光ってめっちゃ速いんだろ。メロスのいた星は? どんくらい遠いの?」

「まあ、だいたいそのくらいです」

「お前今テキトーに言っただろ」

「わぁ!」


リュウがメロスの頭を掴んでゆさゆさしている。相変わらずこの2人は仲が良い。


「や〜め〜て〜」


じゃれてる2人は放って、俺は配られた楽譜を眺めた。結構長いな。


歌詞を読んだだけではそんなに長くないと思っていたが、何度も同じ歌詞が出て来たりするので曲としては想像以上だった。


「じゃあメロス、明日からこの曲練習な」

「はい!」


具体的な目標が決まると、俺もちょっと楽しみになった。


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