1-3.お寿司が好きなメロス
「はー、この変わり映えしない給食も、あと1年か」
給食を目の前にしながら、リュウが溜息を吐く。
「変わり映えしないとか言わない。終わる頃には寂しく思ってるかもよ?」
「思うか〜? あー、たまには寿司とか食いたいな」
「親に連れてってもらえばいいじゃん」
「お寿司! いいですね。僕も好きです」
「食べたことあるんだ?」
やっぱり、外国人に人気の食べ物は、宇宙人でも美味しいと思うのだろうか。
「じいやに連れていってもらいました。生魚、僕の星では食べられないので」
「じいや⋯」
突っ込みたかったが、寿司の話で盛り上がっているのでまた今度にしよう。
「そうなんだ。何が美味しかった?」
「えっと、いっぱいありますけど、アレです、アナゴ!」
「⋯アナゴは生魚じゃないんじゃね?」
「そうなんですか?」
「多分」
確か、生だと毒があった気がする。
「まあ、美味しいけどね。アナゴのお寿司」
「じゃあアレは? かっぱ巻き」
「魚ですらなくなったな」
「なんと⋯」
メロスは日本語も流暢だし、妙なとこ詳しい時もあるが、キュウリが魚かどうかもわからないらしい。
「そうなんですね。カッパは魚ではない⋯」
「うん、多分、違う」
「なんか色々間違ってるぞ」
メロスは神妙な顔で今日の給食のメイン、鮭のムニエルを口に運んだ。それだよ、それが魚だよメロス⋯。




