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何気ない日常を彩る美少年  作者: さくら優


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番外編 同窓会 前編

「リュウ、この前の試合観たよ」

「マジで!? 来るなら言えよ」

「いや、配信で」

「なんだよ、直接観に来いよ」

「仕事あるから無理だって」


中学を卒業してから10年、俺たちは25歳になっていた。


今日は中学の時の同窓会があって、今はその二次会と称して、地元の小さな居酒屋でリュウと学と一緒に飲んでいた。


「仕事って、芳樹今何やってんだっけ?」

「ただのしがない会社員だよ。お前と違ってな」

「まあまあ。そう僻むなって」

「別に僻んでないし」


この手の話題は、普通同窓会の最初の方でする話だとは思うんだけど、今日はリュウが開始から1時間近く遅れての参加になってしまったことと、来たら来たで、プロのサッカー選手になっていたリュウは皆からの質問攻めでろくに話が出来なかったため、今になったというわけだ。

3人でゆっくり話そうということで、皆が行く二次会の方は断った。


「あ、これ美味しい」

「それなに? 日本酒?」

「そう」

「学、そんな飲んで大丈夫なのか? 医者って夜中に呼び出されたりしないの?」


学は大学病院で研修医として勤めているらしい。


「今は医師も働き方改革だから、大丈夫」


学は得意気に微笑む。なんだか裏がありそうだが、まあいいか。学が大丈夫だと言うなら大丈夫なのだろう。


「もう俺たちも25か〜。早いな」

「な〜」

「芳樹、結婚とかしないのか?」

「こっちの台詞だ」


ちょっと今はその話題には触れないでほしい。最近彼女と別れたばかりなのだ。


「リュウ、ちょっと⋯」

「うん?」


事情を知ってる学が、リュウの耳許でこそこそ囁く。そっとしておいてくれるのかと思いきや、リュウはニヤアッと笑みを浮かべると、肩を組んできた。


「まあまあ、そう気を落としなさんな」

「うるさいよ、お前」

「俺がいい子紹介してやろうか」

「ほっといて」


ったく。こいつにデリカシーを求めた俺が馬鹿だった。


「そういえば、あいつどうしてるかな」

「あいつ?」

「ほら、メロスだよ」

「ああ」


メロス、本名メロウ·スンヴァニリシア。中3の春に俺たちのクラスに突然やってきた宇宙人。

3人で集まると、必ずメロスの話になる。


メロスは俺と同じ高校に入学後、卒業まで一緒に過ごして、その後すぐに自分の星に帰っていった。


いつかまた来ます、と言って笑顔で帰っていったけど、俺たちは多分、2度と会うことはないんだろうなと思っていた。それでも、不思議と寂しいとは思わなかった。

薄情だとかそういうんではなく、お互い元気でそれぞれの場所で過ごせていれば、不思議とそれだけで嬉しく思えたんだ。


「あいつ日本の漫画とか送ってもらってたんだから、俺の試合のDVDとかも送れるんじゃないかと思うんだよ」

「DVDとか見れるのか? CDもないって言ってたじゃん」

「⋯確かに」


リュウが悔しそうに眉を寄せる。2人は特に仲が良かったから、メロスもリュウの試合を見れたら嬉しいだろうけど。


その時、ふいに周りのお客さんたちがざわめいていることに気がついた。


「おい、なんだあれ?」


窓の外を見て、しきりに何やら話している。


「なんかあったのかな?」

「さあ?」


俺たちも窓に近づいて外を見てみる。火事とかそういう危ないことだったら怖いし。


すると、


「――え⋯? あれって⋯」

「⋯⋯UFO?」


楕円形の光がゆらゆらしながら下降していくのが見えた。


俺たちは顔を見合わせ、それから「ははっ」と乾いた笑いを漏らした。


「UFOって、そんなんいるわけないじゃん」

「だよな〜あり得ないよな〜」

「どうせあれでしょ、飛行機とか、せいぜい流れ星とか」


あははは、と白々しい笑いを3人で漏らした後。


俺たちは、慌てて会計を済ませて店を飛び出した。


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