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何気ない日常を彩る美少年  作者: さくら優


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2-5.ピンクのそうめんの噂

夏といえば、プール、花火、お祭、海、他にも色々あるだろうが、メロスに、夏休み一緒に何か夏らしいことをしようと話して最初に出て来たのは、


「流しそうめんがしたいです!」


だった。


「俺もやってみたいな、流しそうめん」

「僕もやったことないよ」

「あれ、やったことある奴の方が少ないんじゃね?」


日本の夏を俺たちが教えてやろうと思ってたのに、まさかの全員が初体験だ。


「竹ってどこに売ってるんですか?」

「ホームセンターとかじゃね?」

「え? ほんとに? 僕見たことないけど」


流しそうめんが出来るほど長い竹は、ホームセンターにはないんじゃないだろうか。


「うーん、じいやに聞いてみますね」

「面目ない」


日本人の俺らがわからないことを、宇宙人のじいやさんに聞くのは申し訳ないが、やはりここは大人の力を借りよう。


「じいやの知り合いの方が竹林を持っているみたいで、分けてくれることになりました」

「例の大臣だか官僚だかの偉い人?」

「どうでしょう。最近じいやも知り合いが増えたようなので、別の方かもしれません」


じいやさんも日本での生活を楽しんでいるようで何よりだ。


当日はメロスの家で、一緒に準備からやることになった。



   ✦✦✦


「出来た〜!」


流しそうめん会当日。俺とリュウはじいやさんと一緒に竹を組み立て、メロスと学はそうめんの準備をした。そうめん以外にも、トマトなどの野菜や果物も流す予定だ。


「こっちも準備出来ました!」

「結構いい感じだね」

「だろー?」


早速配置につき、学がそうめんを流し始める。


「いくよー? それ!」

「あー!」

「わ、はや!」


傾斜をつけ過ぎたのか、かなりのスピードでそうめんが流れていく。


「次いくよー」


学は次々流してくれるが、俺たちは全然取れずに苦戦していた。


「うー、全然取れません」

「学、もうちょっと手加減しろ」

「どうやって?」

「ふふふ。皆さん、頑張ってとらないと、私が全部食べてしまいますよ?」


一番下流にいるじいやさんがそう言って笑う。俺たちが逃したそうめんは、みんなじいやさんの胃に収まっていた。


「気を付けてください。じいやはああ見えて大食いなので、本気かもしれません」

「マジで? あの量のそうめん全部食えんの!?」

「可能性はあります」


マジか⋯。


これは本気でなんとかしないと、俺らが餓死する。


「もう、3人ともしっかりしてよね」

「学! お前1人で食ってんじゃねえよ!」

「だってお腹空いちゃったんだもん」


学は流す合間に自分だけ直接そうめんを取って食べていた。お腹が空いてるのは俺たちも一緒だ。


「メロス、来た時を狙うんじゃなくて、こうやって待ち伏せしとくといいかも」

「こうですか?」


あらかじめ箸を流れにスタンバイした状態で待つ。すると、


「取れました!」

「やったじゃん!」


初めて成功したメロスは、嬉しそうに器を見つめる。


「ピンクのそうめんが入ってますよ。当たりですか?」

「かもね」

「ピンクのそうめん食うとエロくなるんだぞ」

「またそういうこと言う」


一体どこで聞いたのか、根拠のない噂話に学が呆れる。


「そうなんですか? じゃあいっぱい食べます」

「⋯え?」


思ってもみなかった返しに、俺とリュウは面食らった。


「どうしました?」

「いや、普通そう言われると避けるのが一般的だったから」

「そうなんですか? でも女性はそういう男性の方が好きなのでは?」

「そうなのか?」

「好みじゃない?」


肉食系か草食系かって話だよな。確かに好みなんだろうけど。

ただ、エロいという言い方はアレだが、メロスに色気が加わったら無敵かもしれない。


リュウも思うところがあったのか、メロスに絡み始める。


「メロス、俺によこせ」

「いやです。リュウ君は自分で取ってください」

「情報料だ」

「リュウ君が勝手にしゃべったんじゃないですか」

「2人ともじゃれてるとこぼすよ〜」


学はそう言いながら、ちゃっかりピンクのそうめんが混ざっているところを、自分の器に入れていた。


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