*Twitter*【#140字小説】No.161~170
No.161【#強引】
日に日に痩せていく妹を見てると心配になる…自分のことが。またデザートまでペロリと食べちゃった。「いつになったら、この服着れるかな~?」「眺めてるだけじゃダメでしょ。」「そうよね!」妹に言われ奮起した!「着て伸ばさねば!」姉よ、服を身体のサイズに合わせるな。身体を服に合わせるのよ。
No.162【#発音】
ホームステイの外国人が、なんだか困ってる。「"パーマあてた"は、ナンデスカ?」「"かけた"って意味で…」「"あてにしてたのに!"と、チガイマスカ?」難しいよね…。父が「"アテにご飯"とか、やめろよな~」母に苦笑うと、ホームステイ外国人が、怒りを露に。「ママ!"アテ逃げ犯"はギルティ!」え?
No.163【#どないやねん】
ボケたオカンとこに遊び行きよる優しい息子に感謝や。「俺、婆ちゃんでツッコミの練習してんねん。」ほぇ。「婆ちゃんが話しかけてくるやろ?」おん。「それに毎回違うツッコミ返すねん。」「おまえ…芸人の鑑やな!」「や、婆ちゃんのボケがコロコロ変わんねん。」俺はついてけへん。さすが我が子や。
No.164【#アゲインアゲイン】
心が疲れたならピクニックしよう、おにぎり握って。卵焼きとタコさんウインナーも入れたいな。「緑も入れよう」って、ブロッコリーを足してくれる彼氏が素敵なの。川のせせらぎを聴き…暖かい日差しに包まれ、優しい気持ちになる…て妄想してたら、華麗に二度寝を決め込んだ。遅刻…もういい寝ちゃお。
No.165【#ブラックで働いてまつ】
https://youtu.be/LseMSBeU90w?si=15fehTGEsaNMquhs
うちの居酒屋はイカれてる。本気ですか?抹茶アイスの注文に躊躇う。丸い緑に冷たい湯気、甘くて美味そうだ。口に入れた直後に客悶絶。そりゃそうだ。それ、抹茶じゃなくて…ワサビでつ。本気ですか?からし…ですか?白い皿の端の存在感…巻きウ○コやん。いえ、ねりからしでつ。バイト辞めたいでつ。
No.166【#不謹慎な眠り】
急な葬式で本家に親族が集まった。身内は雑魚寝。寒気がして掛布団を引っ張りあげようとするが、あがらない。何かに引っ掛かってるのか?幽霊が踏んでんのか?怖いな~怖いな~。月明かりに目をこらすと…それは!なんと!カカアの下っ腹だった。「こりゃあ、実りの秋よの」うまいこと言って安眠した。
No.167【#運び屋】
「運ぶの手伝ってほしいの…」母親からの電話に、私は実家までの道のりに車を走らせた。母の声は随分と疲れていた。「運ぶって…これ?」「そうよ…毛布とブルーシートでくるんだから…」このフォルムは…?ごくり。「…や、軽自動車にチャリンコ乗らないよ!」「やってみなきゃわかんないでしょ!?」
No.168【#おすまし】
だし汁の香りが、ふわっと鼻から抜けた。湯気が立つお椀に浮かぶ会話。「…何、その真顔?」「や、"すまし汁"だって言うから。」「すましてんの?」「冷ましてんの。」まどろっこしいな…。フッと思い出し笑いがもれた。今、どこで何してるのかな?お椀の熱が冷めていき、フゥと鼻からため息がもれた。
No.169【#危険な脳ミソ】
ペーパーナプキンになりたい。テーブルの向かいに置かれたペーパーナプキンの君の唇…綺麗な形だね。そんなにぶちゅっとキスされて。そのペーパーでいいから君の柔らかそうな唇にキスを…そのキスマークを僕にください!…衝動にかられ奪いそうになる手をポーカーフェイスで食い止める。はい、俺変態。
No.170【#言霊】
俺の母親は42歳と聞くと「厄年だね」が口ぐせだ。そんなことが頭を巡った。水道代が通常の6倍と水道局から連絡が入った。給湯器が破裂したらしい。そういや、このところ負の連鎖が止まらない。換気扇のボタンが壊れて回りっぱなし、グラスを割って手を切るし、洗面所の床が抜けたし…と嘆く俺、62歳。厄は20年も有効だったのか。