表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

悪女だとは思いたい

ありきたり?な断罪イベントにしてみました。

拙い文章ですが、最後まで読んでくださると嬉しいです。

「もう一度宣言する。ギリス・アースロットの罪をここで告白し、罰を与えると!」


罪。

王子が罪としてひけらかしたその言葉は、あまりにも信憑性ものがないものだった。

あの柔和で…そう、優しすぎるほどに優しかったはずのアースロット嬢が、ヘンリー子爵のご息女に、嫌がらせを?

しかもそのような低俗な…


「お待ちください。私が、ヘンリー様にしたと仰せられた内容は、一切しておりません!なにかの手違いです!」


彼女は焦りながらそういう。

いや…私はそれよりも気になっていることがある。

(…何故?)

何故、ハナ・ヘンリーは、殿下と寄り添うようにして立っているのかと。

ずっと目に入れないようにしていたが、流石に彼女が主役である話が出たのなら見る他ない。

鮮やかな黄色のドレスを着た彼女は、いい意味でも、悪い意味でも目立っていた。因みに、大半は悪い意味の方である。

数々の男を落としてきたと名高い彼女の顔は、なるほど確かに落ちるのも納得だ、というような非常に愛らしい顔をしていた。特に、多彩な色を放つその瞳に目が惹かれる。

かといって好印象というわけではないけれど。

というか、見た目で判断するのは屑だと重々理解しているが、アースロット嬢の方がなんだろう…性格の慎ましさというか、清楚さというのがはっきり出ていてむしろ美しい。目鼻立ちがいいとは言われないと彼女は悲しげに笑っていたが、それでも元は美人だと思う。

ともあれ話が脱線したが…結論は、ハナ・ヘンリーの今の現状と取り巻く噂についてだ。

ハナ・ヘンリーはその目に涙を溜めながら王子の腕をちょこんと掴み、後ろに隠れている。

そしてそんな愛らしい彼女には、「男好き」、「節操なし」、「美貌を逆手にとって女を馬鹿にする屑」などと素晴らしいあだ名が女子の間で取り巻いている。

…いや、まあ…どちらが本当の彼女なのだろう?

一に、罵詈雑言を吐かれずっと耐えてきた淑女。

二に、アースロット嬢を陥れようという悪女。

…学園の面では一だが、裏では二のほうなんだよな…

私が通っている魔法・魔術養成学園(あだ名は宮殿)

での生活を思い出し悩む。

男子がいるところではおしとやかな愛らしい子なのだけれど、女子しかいないところでは笑顔が消え、「私よりも可愛くない」らしい年下の少女を虐めているような子である。

学園ではそんな二面性があり、そして何よりアースロット嬢を目の敵にしていた、と思う。事あるごとにアースロット嬢に突っかかっては、正論を言われて撃沈しているのを何度も見た。

しかも大抵、私が離れている時だった。故に個人的には悪女の方だと思いたいのだけれど。

悶々と考えていたその時、ずっと泣いてたヘンリーが不意に言葉を発した。


「わ…たし、ずっと…こわかった、です…っ」


そう言い目を伏せ肩を震わせる。堪え切れないというようにしゃくり上げ始めた彼女は黄色いドレスに染みを作っていた。


「ハナ…っ!怖かっただろうね、ずっと耐えてきた貴女はなんて芯のある人なんだ!」


芯のある…

まあ、ある意味芯はあるな。

そう熱弁した王子は、おもむろにヘンリーの肩を抱く。


「なっ…!」


その瞬間、ここにいる人全員が絶句した。

いや、なんかアースロット嬢が悪者みたいになってあるけれど…

アースロット嬢って、お前の、いや王子の婚約者(フィアンセ)だったよね?

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

日本語がおかしかったり、漢字ミスなどがあった場合は是非知らせて頂けると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ