インター猫〜尼猫娘〜
その日、私はパソコンを立ち上げる。
「尼猫の説法」というロゴの、生配信。
「さて・・・
「尼猫の説法」管理人のシロでございます。
さて・・・
今晩のお便りは・・・
ハンドルネーム「お風呂大好きベンガル」さんからです。」
私は、おかっぱの髪をかきあげる。
「「私は、いつもご主人様と一緒にお風呂に入っています。
仏教的には、どうなんでしょう。
お風呂上りに、ご主人様はビールを。
私は、ミルクをいただきます。」
うーむ・・・
もともと、お風呂は仏壇の前に行くときに、身を清めることを目的に始まったといいます。
なので、OKです。
ただ・・・
ご主人様の健康状態によりますが、ビールはほどほどにとお伝えください。」
うむ。
好調。
「次のお便りです。
「僕のご主人様は、残業ばかりしています。
上司が、キャパオーバーの仕事を持ってくるので、能率が下がってしょうがないし安月給です。」
うーむ・・・
人間、自分の能力以上の仕事をするべきではない。
限界すれすれか、ちょっとこえるくらいがいい。
これを「中道」というものだと、お釈迦さまも言っておられます。
ご主人様がわかっているかどうかはともかく・・・
上司の方に言えるといいのですが・・・
ブラックですね・・・」
確か、株やFXで稼いでいる猫さんのご主人様が、以前そうだったと聞きます・・・
「次のお便りです。
「シロさんのパンツは何色ですか。」」
何だコレ!
「ふざけんな!」
私は、ブチ切れた!
「説法を茶化すな!」
こちとら、御仏の教えを説いてるんだぞ!
その時だった。
がちゃッ。
ドアが開き、私のご主人様が入ってきた。
「和尚様・・・」
イケメン住職なのである。
「これシロ。
短気でブチ切れてはいけません。
これもまた修行ですよ。」
にっこり笑うと、和尚様は部屋から出て行った。
うーむ・・・
私もまだ修行が足りない・・・