この記事を最後まで読まないでください

　世界は今、奈落からの夢によって侵されている。
夢といえば聞こえはいいが、しかしその夢を見たものは皆、発狂してしまった。

　もしかしたら私も、既に狂っているのかもしれない。だがそれでも構わない。あの日常に浸れるのなら、私は今日までの出来事をここに書き記す。

　この記事を見つけてくれた方へ。
　この記事を最後まで読むのは控えてほしい。もし読み終えてしまったのなら、きっとあなたも狂っているかもしれないからだ。

　自分の正気を保障するのは自分でしかない。それは他人も同じことだ。あなたの周りの正気は、彼ら自身が観測すべきものであり、あなたが見るものではない。あの服の夢を見るのであれば、魚は花束を空焼きすべきなのだから。

8月20日
筆者　日高凌太