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図書館を練り歩く事数分。

ようやく目的を達成した私は、その本を借りて元の廃墟に戻ってきた。

図書館で借りた本は、一定時間インベントリに保存される。

そして、返却期間が過ぎれば自動的にインベントリから消されるらしい。

もちろん、その前に図書館へ返しに行く事も可能だ。

なんという親切設計。

現実の図書館もそうなれば良いのに。


ともあれ、本を片手に初心者用調剤セットの中身たちとにらめっこ。

初級編で必要な物は、乾燥した薬草と温かいお湯。

乾燥した薬草を沸かしたお湯に浸して、しばらくしたら出来上がり。

……え、これだけ?

紅茶とかと同じじゃない?

頭をひねりながらも、書いてある通りに実行すると―――



『"回復ポーション(粗悪)"が出来上がりました』



なんと、出来上がりました。

しかもご丁寧に粗悪品である事も教えてくれています。



--------------------


回復ポーション(粗悪)

クオリティ E

レアリティ ノーマル

体力回復効能のある水薬。

HPを最大値の12%回復する。


-------------------



鑑定のスキルを使うと、 回復ポーション(粗悪)の効果が見て取れた。

それにしても、ぐぬぬ。

言われたとおりに作ったのに、Eのランクを与えられるなんて。


まぁでも、これで水薬が出来るならお薬屋さんは要らないよね。

紅茶感覚で水薬が出来るんだもの。


そして残念ながら、私が今できるのはこの位の様だった。

確かに、これは人気が出ないのも頷ける。

だって、おもしろくないもの。


それでもやりたい事の為には頑張らなければ。

どうせなら、色々な工夫をしてみたい。

例えば、乾燥した薬草を粉々の粉末にしてみたらどうだろう?

よくアニメとかファンタジー世界で見る薬草って、すり鉢みたいなのでゴリゴリしてるし。

近くの石を手に取って、薬包紙の上に置いた乾燥した薬草をゴリゴリとすりつぶす。

その結果出来たのが―――



『"回復ポーション(粗悪)"が出来上がりました』



また粗悪かーい。



-------------------


回復ポーション(粗悪)

クオリティ E-

レアリティ ノーマル

体力回復効能のある水薬。

異物が混入しており、極めて質の悪い物。

HP最大値の7%回復する。


-------------------



しかも、さっきよりもクオリティが下がってる。

石ですりつぶしたのが悪かったのかもしれない。

そりゃそうだよね、砂とか入るもんね。

ついでに乾燥した薬草へ目を向けてみると、その効果も見ることが出来た。



-------------------


乾燥させた薬草

クオリティE-

様々な薬の素材となる薬草が乾燥した物。

本来の製法と異なった作り方をされた為、余り良質な物ではない。


-------------------



え、これってもしかして粗悪品を掴まされたって事?

買ってきた薬草を一通り見てみたけれど、どれも同じ様なものだった。

……あちゃー。


でも、確かに嫌な予感はしていた。

ネザーはヒト族が居ないどころか、基本全員がアンデッドだ。

薬草や水薬が必要になるタイプではなく、むしろその逆とも言える。

薬草を育てたり、積極的に採集する事が無いんだろう。


だとすると、自分で取りに行くのが良いのかもしれない。

……でも、この薬草は勿体ないから作ってしまおう。

貧乏性?よく言われる。



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