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その少女、弱虫につき。

2020.05.19 3話目


-------------------


624名前:名無しの斧使い

なぁ、ちびちゃんとぬこ様の目撃情報有ったか?


625名前:名無しの大盾使い

いや、どこにもない。


626名前:名無しの弓使い

アンタらが追い回すから、ちびちゃんも怖がって出てこれないんじゃないか?


627名前:名無しの農夫

あんまり追い回すのはいかんよ~。

マナー違反で報告されて、垢BAN喰らっても知らんぞ~?


628名前:名無しの斧使い

お、追い回してなんてねーよ!

ただ少し会ってみたいだけだって!


629名前:名無しの牧夫

それが行かんのだって。

確かディナダンさんが人見知りって言ってたぞ?


630名前:名無しの弓使い

なら尚更だわなw

野郎が斧持って「会いたい!!!」なんて言ってたら、隠れたくもなるわw

下手したらこのままアルカナ止めるかもしれないぞ?


631名前:名無しの斧使い

ぐ、ぐぬぬっ……


-------------------






やってしまった。

お母さんに怒られてしまった。

つい夢中になって遊び過ぎて、ゴールデンウィークが明けてもゲーム禁止令を解いて貰えなかった。

厳しい世界。


けど、毎日の様にお手伝いをして、勉強も頑張って、中間テストで良い成績を取ったら許して貰えるって約束してくれた。

だから今こうして図書室で頑張っているんだけれど。



「せ、先生、何で居るんですか」



目の前で本を読んでいるのは、現代文の担当教師 柴咲先生。

綺麗で優しいけど、怒ったら怖い。

クラスの男子にも厳しく叱ってる姿をよく見る。



「いや、最近の山口は頑張ってるなーって思ってね」



そりゃ頑張るよ。

アルカナオンライン、早くやりたいもん。

お母さんは凄く甘い人で、きっと中間テストの結果がそこまで伸びなくても許してくれる。

でも、それに甘えてたらダメ。

頑張って、すっごく頑張って、それでも伸びないなら仕方ないけど、頑張らないで伸びなくても許されるのは何か違う気がする。



「そういや山口、ゲーム好きなんだって?」


「だ、だれからそんなことを?私、友達いないのに……」


「はははっ、教師の情報網なめるなよー。それで、最近は何のゲームやってるんだ?」


「アルカナオンラインっていう、VRMMOです。先生は多分、知らないと思うけど」



柴咲先生はニコニコしながら持っていた本をパタンッと閉じる。

まるで全てを理解した名探偵みたいなその笑顔が、ほんの少しだけ怖い。



「なるほど、遊び過ぎて親御さんに怒られたか。まぁ、私としてもハマり過ぎてたみたいだから心配してたんだよ。遅くまで遊び過ぎ」



……え。



「皆が向こうで待ってるから、今はちゃんと勉強に集中しな。許して貰ったらまた遊ぼうね、ユンちゃん」



ヒラリと手を振って図書室から出ていく柴咲先生。

その姿に見覚えがあった。

ネザーの図書館で、何度も私を驚かしてきた格好良いお姉さん。

イベントでは一緒にパーティを組んでくれて、一緒に遊んでくれたイケメンお姉さん。

……嘘でしょ、先生。

なんで先生あんなに遅くまで遊んでるのに、あんなにキリッとした感じで授業出来るの。

私なら絶対に眠くなっちゃう。






それでも先生はすごい人だった。

公私混同は一切せず、その時以降は私を山口 結芽として接してくれる。

ごくたまにゲームの事を話してくれるけど、それは放課後の図書室で会った時だけだ。

クラスのみんなにも、私がゲーム好きだって話さないでくれてる。

隠してる訳じゃないけど、言いふらすものでもないからありがたい。


その時に教えてくれたのは、徐々にネザーにもヒト族のプレイヤーが増えて来た事。

きっとイベントで活躍した人達の報酬が大きかったのだろう。

難しかったネザーへの道も、すんなりと通れるようになったのだ。

けど、白組の全員に渡された報酬だったから私もイベント報酬を貰ったけれど、凄い物では無かった。

個人のスコアによって渡される物が変わってくるのかもしれない。

スコア的には、セエレさんを倒しただけだったし。

悔しくないって言ったら嘘になるけど、それでも満足してない訳じゃない。

楽しかったから、それで良し。


そんなこんなな学校生活を経て、ようやく中間テストが終わった。

結果はすっごく成績が伸びた。

それを見せた時、お父さんもお母さんも喜んでくれた。

でも、誰よりも私が喜んだ。

これでようやくアルカナオンラインが出来るから。


お母さんが隠していたフィルポーターは、いつの間にか私の部屋に戻ってた。

やっぱり、お母さんは優しい。

聞いてみたら、「結芽はちゃんと頑張るって知ってるもの。でも、遅くまで遊びすぎちゃダメよ」と、言ってくれた。

約束はちゃんと守ろう。

23時には、ちゃんと寝よう。


久々に装着するフィルポーターの感触。

軽過ぎず、重過ぎず、良い感じ。



「フィルポーター、起動っ」



目の前に広がるタイトルロゴ。

何もかもが久しぶりに思えてしまう。


それではさっそく、本日も冒険していきましょう。


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