少女11中
タピオカジュースにハマってます。
守矢の風祝、東風谷 早苗。
彼女は一子相伝の秘術を持つれっきとした人間で、性格はいたって真面目。
自分の力に自信を持っており時にはそれを過信しすぎることもある。そして天然気味だ。
元々は、風の神様を祀る人間の家系の末裔であり風祝とはその職業だった。
だが、秘密の多い秘術で風や雨を降らす奇跡を起こしているうちに周りの人間は秘術を行う人間自体を信仰するようになっていた。
つまり、風の神様が起こしていた奇跡を、いつの間にか人間が起こしていると勘違いし始めたのだ。
それにより彼女達のように秘術を扱う人間は人間でありながら信仰を集め、神と同等の扱いを受けるようになり現人神と呼ばれるようになったのだ。
しかし、外の世界の人間達の信仰対象は神から科学へと変わっており神徳の多い神様でさえ信仰する人間は激減していた。
当然、人間でありながら神となった現人神など信仰する人間は殆ど存在しなかったのだ。
☆
早苗は別に信仰がなくても普通の人間として生活できるから問題はなかった。
だが、彼女が祀る神である神奈子と諏訪子はそうはいかなかった。
神様は信仰を失うと力を失い神徳を出せなくなる。それは神の死に等しい。
神奈子はそれをよしとせず、忘れられた物達の世界……幻想郷への移住を決断した。
それはつまり人間の世界との決別であった。
早苗にとって人間の世界との別れは恐怖でもあったが、それ以上に奇跡を起こす力を持っていた彼女にとって奇跡の世界に行くのは楽しみであった。
しかし彼女は正直幻想郷の人間を甘く見ていた。
唯一の神社である博麗神社を脅せば、幻想郷の信仰は自分達の思い通りになると考えていたのだ。
☆
だが、脅すつもりが逆において霊夢にこてんぱんにされてしまった早苗は、自分がここでは現人神などではなく、普通の人間となっていた事に気づいたのだ。
実はあまり語られていないが諏訪子の子孫であり、奇跡を起こす力を操ることができるのもその為ではないかと言われている。
だが、自分が諏訪子の子孫だということを早苗は知らないし諏訪子もわざわざ教えるつもりはないらしい。
もっとも、二人の関係は祭神と風祝にすぎないのでその事は多分、一生語られないだろう。
その後は幻想郷流の挨拶の仕方を学んで常識に囚われない発言をしたり、だいぶ幻想郷には慣れた様子であるが、たまに認識を誤ってたりする。
だがそこがかわいいと人間たちには密かに人気だ。
☆
妖怪退治楽しい発言やら巨大ロボ大好きっ子やオカルト雑誌読者ということがバレてその方面でも度々ネタにされる。
ただ妖怪退治については不慣れらしく、霊夢のお祓い棒や魔理沙のミニ八卦炉と違って、彼女の大幣はいつかの異変の時に針妙丸が持つ小槌の魔力には中てられ無かった事がそれを示唆している。
普段は神様と妖怪達に囲まれて暮している為、人間の話し相手が欲しいと思っている早苗だが、麓の人間は妖怪染みた人間ばかり。
そのうち、自分のああなるのかと少しだけ心配しているらしい。
普段は妖怪の山にある守矢神社で過ごす彼女。しかし人間の里の住人と打ち解けているという話もあるので、ある程度は馴染んでるようだ。
一応神様であり、土着神な彼女が、月からの遷都を防いだという話は、すごいことらしい。
☆
先祖である諏訪子に「そろそろ追いついちゃうかもしれんませんよ?」という台詞と共に採点では自己評価の九.五点よりも低い九点を付けて図に乗ってみせたり、野良神様の秋姉妹や疫神の雛に対して手厳しい評価を下している。
さらには『早苗が調子に乗りすぎたのでご先祖大出張』という事態に陥り、二柱も加えた守矢一家で臨んだことも。
その際、早苗は「私が幻想郷中の信仰を集めてきますよ!」と自信満々に主張して、神奈子と諏訪子の両者を閉口させている。
「ところで文殿、早苗殿の奇跡とは一体……?」
「屠自古さん、それはズバリ〈奇跡を起こす程度の能力〉というスゴい能力なんです」
早苗の〈奇跡を起こす程度の能力〉は主に天候を操り、雨乞いなどで使われているようである。海も割れる。
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ただ、幸運に関わる能力ではないらしい。
奇跡を起こすためには呪文詠唱が必要であり、奇跡の大きさに見あって詠唱の長さが変わる。簡単な奇跡ならば一言で起こせる。
天変地異レベルの奇跡も可能らしいが、数日呪文詠唱を続けるという人間には現実的でない芸当が必要なので、実質無理かもしれない。
「風祝としての経験。それが霊夢さんと違って奇跡を生む存在へと……あっ」
「文。私と違うって、どういうことなの?」
先にも述べたが職業の風祝とは、風の神を祀る神職。そして早苗は数々の奇跡を起こし信仰を集めた人間、現人神である。
かつて早苗は霊夢の前で「巫女といえば巫女のようなもの」と自らのことを述べていることから厳密には巫女とは異なる可能性はあるものの、人間には「巫女さん」とか「巫女」と呼ばれ、基本的には霊夢と同様に巫女として扱われている。
なお、早苗が信仰がなくなっても「人」としては生きていられるのは「神」であると同時に「人」でもあるからだ。
ちなみに風祝の送り仮名である「かぜはふり」は歴史的仮名遣に基づく読み方であり、現代仮名遣いに基づいて読む場合は「かぜほうり」となる。
☆
「げっ、椛だ。霊夢さん、私はこの辺で失礼します」
バーベキュー場にやって来た天狗、椛を見るなり文はいそいそと帰り支度を始めてしまった。
犬走 椛。
山の見回りをしている白狼天狗で、天狗の中では下っ端だ。
普段は滝の裏で待機しており、たまに河童と大将棋で暇をつぶしている。
かつて上司の大天狗からの命令で、山へ侵入してきた博麗霊夢と霧雨魔理沙の二人と、不審な神の八坂神奈子を監視していた。霊夢と魔理沙へは威嚇攻撃も行なっている。
ある時に射命丸文とは不仲であることが明らかとなった。顔を合わせると喧嘩になりやすいらしい。
実際椛は狗符「レイビーズバイト」なるスペルまで使って噛みつきにかかっている。
姫海棠 はたてから見ても文は椛を苦手としているようで、犬猿の仲とも評されている。
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文曰く、白狼天狗は大天狗には敬意を払うが、烏天狗を軽視している節があるとか。
ただし同じ烏天狗であるはたてからの評価は悪くないので、必ずしも烏天狗全般と険悪というわけでもないらしい。
鬼人正邪の追手のひとりとして動いていた時期もある椛。
その容姿は、白髪もしくは灰色髪の短髪。
山伏風の帽子、頭襟を頭に乗せていて、手には剣と紅葉が描かれた盾を持っている。上半身は白色の明るい服装、下半身は裾に赤白の飾りのついた黒いスカートか袴かといった衣。そして靴は裸足もしくは明るい色だ。
椛には犬耳がないようだが、その一方で犬耳がある白狼天狗も存在することがわかった。
尻尾はあるのかないのかという衣装で、よく分からない。
烏天狗は羽根を自由に出し入れ出来るので、白狼天狗の耳や尻尾も出し入れできるのかもしれないが、白狼天狗は他の住民に親しまないので、やはり詳しくは分からない。
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そもそも幻想郷の天狗は、様々な天狗の種族の総称に過ぎない。
天魔という名の天狗が全ての天狗のボスにあたる。
鴉天狗は報道部門で、すばしっこい。文や姫海棠 はたてがその代表格だ。
大天狗は管理職で、鼻高天狗は事務仕事が得意。
白狼天狗には山の自衛隊や椛がいる。
妖怪の山のふもとにいたのは、おそらく山の自衛隊で、その中でも特に使われ新人の集まりだったために弾幕ごっこくらいで怖じ気づいたのだろう。
他にも山伏天狗という印刷業者がいる。
天狗は高度な文化の中にあるとは言うが、天狗の里の中にも様々なパワーバランスがあるのだ。




