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少女10中

ハイパーヨーヨーにハマってます。

 スペカを消費してスペルを使うため、一見するとスペカにこそ技や魔法が封じられているように思えるかもしれない。


 しかし、その認識は誤りである。


 あらかじめ技の名前と、その技名を体現した技をいくつか考えておき、技名を契約書形式に記した紙を任意の枚数所持しておくことになる。


 この契約書を「スペルカード」と呼ぶ。


 スペルカード名を宣言して発動するのがスペルカードルールであるが、このカード自体には何の力もない。


 必殺技や切り札のアイテムであるかのように思われることもあるが、実際はただの紙である。


 つまり弾幕とスペルカードで発現する現象は全て個人の能力によるものであり、他人のスペルカードを借りたから他人の弾幕が使えるといったことは基本的にない。


 攻撃より美しさに重点が置かれる。ただし当たり所によっては死ぬこともある。

 

 スペルカードルールの目的の一つに「完全な実力主義」の否定があるため、隙間のないように撃たれた攻撃や速く大きな弾を放つ攻撃など、最も使いやすく、最も効果的な攻撃は弾幕としては使えない。


 弾として使用出来るものは御札、金平糖、氷の粒、泥、ナイフ、血、埃、蟲、天井、火、花、木の葉、オンバシラ、携帯電話、レーザーなど幅広く、制限はないようだ。


 また、雲居 雲山のようにダイレクトアタックしてくるものもいる。

 弾幕である必要すらないのかもしれない。


 ☆


 現在の幻想郷に浸透しているスペルカードルールを考案したのは霊夢である。


 本来妖怪は人間を襲う存在だが、幻想郷が博麗大結界で外界と隔絶されてからは妖怪達は博麗の巫女を倒すわけにはいかなくなり、巫女に目をつけられない為に人間を襲うことも殆どなくなった。


 結果、戦いもせず人も襲わなくなった妖怪達は弱体化していった。


 そんな折、外からやってきた強力な妖怪である吸血鬼によって幻想郷の妖怪は次々と打ち負かされる。


 いまだ力を保っていた妖怪がそれらを倒すことで事件は解決したが、現状に危機を感じた妖怪達は霊夢に相談に行く。


 霊夢もたいした異変もない日々にだらけきっており、ある程度の戦闘がなければ力を失い異変に対応できなくなるという結論に達し、

 模擬戦のような形式であるスペルカードルールが成立した。


「恋符「ワイドマスター」! 星符「アステロイドベルトナイトメア」! ミアズマスウィープ! あとは、えーっと……」

「こら、魔理沙。三回勝負と言ったのは、あなたよ?」


 ☆


 霊夢たちがそのようにBBQ風味の宴会を満喫していると、守矢神社のほうからぞろぞろと誰かやって来た。


「諏訪子、それにみんな……!」

「神奈子もいるのよ。早苗もね」


 洩矢 諏訪子。

 種族は八百万の神。守矢神社に祀られている蛙の神だ。

 

 守矢神社に祀られるまでは、各地のミジャクジ様をまとめて洩矢王国を築いた一国一城の主だった。


 しかしある日、天津神である神奈子が王国に攻め込んで来て敗北してしまう。


 当初は神奈子は王国をそのまま乗っとるつもりだったが、王国の民が神奈子を受け入れなかった。


 そこで神奈子は諏訪子と、守矢という名前だけの神様を融合させた新たな神を信仰させる事で民を納得させることにした。


 という事になっているがそれは建前で、実質信仰されているのは諏訪子であり、神奈子は諏訪子の力で山の神となり王国を裏で支配することになった。


 ☆


 というように、勝手に攻めてきた神奈子に国を取られ、都合の良いように振り回され、おまけに信仰が集まらないからと幻想郷に移住までした諏訪子だが、神奈子に対して恨みは持っていない様子、むしろ感謝しているくらいで仲良く守矢神社で暮らしている。


 因みにこの守矢神社の建前の神の名はタケミナカタ。

 天津神の地上平定の際に最後に立ち向かった軍神である。


 かつて守矢神社の探索に来た霊夢や魔理沙に対して、気さくに話しかけてきて『神遊び=弾幕ごっこ』をしようと言って弾幕勝負を挑んだりもした。


 他にも、諏訪子は昔、幻想郷に産業革命を起こそうとお空に核の力を与えるが、これが元で霊烏路 お空が暴走してしまったこともあった。


 ☆


 諏訪子が昔まとめていたミジャクジ様とは白蛇の姿をした祟神である。

 つまり蛙が蛇をまとめていたのだ。


 また彼女の能力である、〈坤を創造する程度の能力〉の「坤」とは大地や土を意味する。


 つまりそのまま額面通りに能力を受け取れば、ヘカーティアが属する大地母神と同等の能力を持っている事になる。


 もっとも、ヘカーティアは閻魔である映姫どころか、八雲 紫という別格と思われていた存在すら凌駕する世界を牛耳る最高神なので実際は言わずもがなだ。


「山の神がバーベキューなんて……くすり」

「こら、雛。河童でもそんな厄が付きそうな笑いかたなんてしないぞ」


 山の神、それは神奈子という神のことだ。

 無邪気に笑う雛をにとりは、思わず嗜めた。


 ☆


 八坂 神奈子。

 東風谷 早苗が祀る神。風の神ではあるが、紆余曲折を経て現在は山の神として祀られている。


 山の神様として祀られる事になった経緯は非常に複雑であり、その真意を知っているのは神奈子と諏訪子の二人だけである。


 似たような名を持つ神にはタケミナカタノカミの妻であるヤサカトメノカミがいるが、関係性は分からない。


 神奈子は雨や風をつかさどる風雨の神、つまりは農業の神。


 彼女は〈乾を創造する程度の能力〉の持ち主だが、「乾」は八卦で「天」を表す事から雨や風などを使う事が出来る。


 もともと外の世界の神だった神奈子だが、人が科学を信じ神を信仰しなくなった為に存在が危うくなってきたので、守矢の神社ごと幻想郷に移住してきた。


 ☆


 その際に幻想郷の住人、特に霊夢や山の妖怪との間でひと悶着あったが、いまでは受け入れられ信仰を得ている。


 現在は早苗を風祝とし、神奈子は妖怪の山の頂上にある湖に祭られる。


 神奈子の趣味は人妖の産業・技術を発展させること、そのせいか異変の原因になる事が多い。


 背中に有る注連縄は蛇を表しているが、これは再生の象徴であるとともに、蛙の諏訪子に勝ったことをアピールするため。


 かつて、河童のエネルギー産業革命と称して霊烏路 空に八咫烏の力を与えた神奈子。

 ちなみに、そのヤタガラスと融合したお空が地上に出てきたら彼女はお空を戦闘不能にする予定だったらしい。


 神様なのに神奈子は、信仰を集める最も手っ取り早い手段は神の力では無く科学だと思っている節がある。

 科学知識に詳しく、突拍子も無い意見には非科学的と断じる神奈子。

 どう考えても本人がいちばん非科学的な存在なのだが…。


 ☆


 最近、命蓮寺というお寺が出来たため、神奈子は信仰上の理由で警戒している。


 溢れんばかりのカリスマ、背にしめ縄と御柱を背負ったすさまじい見た目でプレイヤーを圧倒する神奈子。

 そんな彼女はスペカも神たるに相応しい、難易度の高いものである。


 縄張りに踏み込まれて早苗を出動させたことがあり、人使いは荒いとも言われる神奈子。

 

 しかしさすがに国津神、天津神に関しての知識は広く、月の民の特徴を話せば何の神であるか分かってしまうのが八坂 神奈子なのだ。


「諏訪子や神奈子は、雷なんて起こしようがないから無罪よね、文?」

「えっ。やだなあ、霊夢さん。そもそも神を疑うなんて新聞記者にあるまじき恥ずべき態度に決まってます」


 異変について会話が始まったが、守矢神社の三人は事態を把握してないらしく、揃ってキョトンとしている。


「でも、神奈子が本気で乾を作れば、雷くらいなんとかなるかもだぜ?」

「えっ。やだなあ、魔理沙さんまで。だとしたら早苗さんの奇跡も怪しく……あっ」


 神奈子も早苗もいる前で、ついつい魔理沙につられて失言してしまう文なのだった。

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