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紅の刻印  作者: 陽川大地
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「ゲムオ・スルトラ」〈1893年〉サルヴィークの大きさ180,7㎞

『ゲムオは暴力ばかりふるって迷惑を被っていた。力に溺れたゲムオは、サルヴィークの惑星を見て、「強い力をもっと、もっと」と願った。それに気に入ったのかクランゼス・サラグ11世は、そちらに、体を取り込んだ。その証拠として、紅い逆三角形が残っている。その後、ゲムオは優しき科学者となった。そして、サルヴィーク人の体にテリネンと呼ばれる、性格を真逆にする、成分が入っていることが分かった。しかし、サルヴィークが無くなると次第にそれを知るものは少なくなっていった。』


 と、黒光りのページを読んでみた。人?思い当たる節がある。あの、惑星Mだ。Mがサルヴィークだとすれば…

 と、考え事をしながら学校に向かった。


「ねぇ、惑星M見た?」

「見た見た。」

「怖いね、惑星型隕石だって。この近くを通るらしいよ。」


 僕は空を見上げた。案外朝の方がはっきりと惑星が見えた。


「おう、倉下!」


 たしか、戸田の声だ。新学期になって声をかけられたのは初めてかもしれない。


「戸田、おはよー。」

「かぁ~。ロマンがあふれるぜー。惑星M。俺はそいつをサルヴィークって呼んでんだぜ。」

「!?」「サルヴィーク?」


 その後、文字を書いてもらうようにした。


「S・A・L・V・I・E・Q!」


 不思議なことに、文字が一致した。この人なら、何か知っているに違いない。

 思わず、


「記憶辿りの術!」


 と、教室で大声で叫んでしまった。


 そう、戸田の前世の記憶を辿っているのだ。


『そこは、立派な宮殿だった。


「父さん、僕も、立派な王になるからね」

「ああ、お前が国民のための政治をしてくれることを楽しみにしているよ」


 どうやら、国王の息子の記憶らしい。


「はっ、ただいま報告する。フリザーのネックレス、7000万で落札、こちらがその品である。」

「ほう、よくやった。大切なものとして、この宮殿の形見としよう。」

「ニケロス=ヒクガよ。お前の部屋に飾るがよい。」

「ありがとう、父さん」

「では、ファルムント国王より命令する…」


 ファルムント…?ニケロス…?まさか…。


 その後、国王は夜空を見上げる。サファイアを持って、空を見上げると、サファイアが赤く光を変えたのである。

 次の朝、ヒリガは宮殿の様子がおかしいことに気がつく。


「ファルムントは正気か?」

「ファルムントはどうしたんだ。」


 どうやら、父さんがおかしくなっているようだ。その暴走は止まらず、3日が経った。


「いいかげんどうにかしてよ」


 王の部屋を見ると、サファイアが、赤く光っている。ヒリガは、そのサファイアを空にかざした。そうするとそのサファイアは青に戻った。これで暴走は止められた。しかし、もう手遅れだった。


「助けてーーーー!」


 力いっぱい叫んだ。しかし返事をする者はいない。ヒリガは思わず倒れてしまった。

 目を覚ますと、一人の女が僕の手当てをしていたあるはずだった町はもう無い


「ここは…どこなの?なんでこんなことになっているの…」』


 ここで記憶が消えた。

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