エピローグ
広大な土地の上で
とある高校にて<2028年>
新学期が始まった。
「ああ、春休みも終わりかー。」
「僕のクラスなんだろー。」
木村先生が見えた。
クラス表を貼っている。
2年B組
1浅井海斗
2大竹拓也
3神谷航貴
4倉下高加尾
5児島竜次
6斎藤努
7師春彦
8高澤亮貴
9戸田広夢
10中川登
11野村高志
12羽田茂
13山口三十郎
14吉川神司
15渡邊功大
16天野日菜
17霧野薫
18栗田明理
19佐井恵美
20谷川優香
21津田弘子
22中山尚子
23村上涼美
24森田瀬奈
25矢倉理摘
26山岡桜
27山崎那美恵
28山本高代
29和田詩延
30渡辺菜緒
と、名簿を確認する。
「♪チャイム~」
急げ。2Bに向かえ。
先生と思わしき姿が2Bに向かっているのが分かる。
「間に合え~。」
・・・
セーフ。間に合った。
ちゃんと着席しているのはあらかた8割といったところだ。
しばらくして、先生がやってきた。担任ではないそうだ。
中川が走ってこっちにくる。
「セーフ!!」
「いや、アウトだぞ。遅刻した理由は何だ。」
皆が笑っている。
中川はふてくされた顔で席に戻った。
「え~今からは入学式だ。」
-----------------放課後-----------------
「えーと、テキスト地学の21ページ・・・あった!」
「木星」
太陽系の中でもっとも大きい惑星。
ガス質で重力は小さい。
主成分は水素と金属水素。
「Jupiter・・・Jupiter・・・木星・・・」
そう繰り返してみた。
そういえば、家には天体望遠鏡がある。
TV「つづいては、お天気のコーナーです。北村さんお願いしまーす。」
TV「はい、北村のお天気コーナー始まりまーす。」
TV「シルモシティは今夜にかけて晴れ。久しぶりの青空となりそうです。」
と、晴れの予報だ。
その夜、天体観測の準備をした。
夜空を見上げた。
「あそこに見えるのはさそり座、魚座も見える。」
ここからが本番だ。
望遠鏡を外に出し、ピントを合わせた。
きれいだ。まことに、ととのっている。
「Jupiter・・・木星・・・。」
ふと繰り返し、探してみた。
「木星、やっぱり大きいなぁ・・・。」
「ん・・・?これは、何だ?」
「どこまでも黒の逆三角形・・・。」
かくして、朝をむかえることとなった。
「今日は自己紹介をするぞ。」
新任の田中先生が言う。
今日はこれからを左右するファーストコンタクトとなる。
「では、名簿の・・・。」
後からであってくれ。
後の方が気が楽だ。「4月10日なので、4番からやってくれ。」
「!!」
「まさか、オレの名簿・・・4!!」
そうそのまさかが的中したのである。