表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英者は次男坊!  作者: ゼット
◆シーズン1
7/33

第7章 城下町での買い物

 エクスディア王国は南西に豊じょうな土地を臨み、季節による気温の高低差が大きい土地に広がっている。一方、適度に痩せた土壌もあり、そこは大陸を横断するように流れるトゥルー川のおかげで、谷ブドウの生産に適している。数々の名ワインを生み出すこの地方は、水彩画のような風景を観光客に提示する。海に面する地形は三日月の弧のように湾曲し、ちょうどエルデ海を抱く格好になっている。その形のおかげで豊富な海産物にも恵まれ、特にムースカキの名産地として知られている。


 潮の匂いを幾分含んだ外の空気を、二人は胸いっぱいに吸い込んだ。中央広場の街並みは想像以上に彩られていた。市場が広がるひさしの下には色とりどりのフルーツや野菜、海産物が所狭しと並べられている。街の子供たちがせわしなく駆け抜け、街全体がカーニバルのように、はしゃいだにぎわいを見せている。


〈いらっしゃーい、エルデ海直送の大エビが安いよ〉


〈そこのお二人さん、日よけにも魔獣よけにも効く鈴付きサンバイザーはいかが?〉


 長身のストゥール族や、低くがっしりとした体つきのヘブル人、古くからの先住民で鳥を先祖に持つコンバード族が行きかっており、人種のるつぼと言えた。


 ジェードやファルナは、彼らとはまた違う種族に属する。王国に名を冠している伝統的なエクスディア人が公的な分類で、髪や瞳の色に特徴がある。ちなみにエクスディアは、ジェードのラストネーム(名字)というだけではなく、この地方の言葉で「(エクス)(ディア)」の意味を持つ。


 髪と瞳の色が同じという者もいれば、異なる者もいる。ジェードはグレーの髪に、クリ色の瞳。ファルナは、サンゴ色の髪に群青色の瞳。アリーザとミュウは同じ色を持つパターンだ。アリーザはバイオレットの髪と瞳。ミュウはそれぞれピーコックグリーンという具合だ。


 この地方の若者の間にまことしやかに伝わっているのが、髪の色と性格の関係だ。占いのようなもので、赤系は気が強く信念を押し通すタイプ、紫系はおっとり型でしっかり者。緑系はにぎやかで、おっちょこちょいが定番だが、迷信にしてはなかなか的確だとときおり感心する。グレーの髪は気分屋で、内向的かつ二面性を持つ……って、耳を塞ぎたくなるな。でも、兄貴もグレーだったぞ……結構微妙な占いだな。


 大通りを歩く道すがら、ジェードはひょいと青色の紡すい型のフルーツを手に取った。立ち止まった拍子にファルナも足を止める。通りは大勢の市民であふれかえっている。


「いらっしゃい、これはライモンっていう、今の季節がちょうど旬の果物ですよ。少し甘酸っぱくて、そのまま食べるのにはちょっと勇気がいるかな。どうせなら料理に合わせるといいわよ」お店の奥から、押し出しのよい女性が出てきて言った。子供が二、三人はいるように見えるふくよかな店員だった。


「へえ、このまま食べるのは勇気がいるんだって、ジェード。もしかして、そんなに酸っぱいんですか?」


「ええ、もうこんな感じ」と店員は口と目をすぼめて見せた。


 ファルナもその顔をまねした。極端に人見知りな俺が、自然と会話に入れるように工夫しているのか――いつも、頭が下がる。ただ、逆にハードルが上がって会話の縄跳びに参加しにくいんだけどな。ジェードは仕方なく酸っぱそうな表情を返し、そして言った。


「二ついただけますか? ちょっと今、何かと勇気が必要なんで……、挑戦してみます」


 ジェードは通りに戻ると、落ち着かない様子で明らかにそわそわし始めた。実は、街をそれほど(自由に)出歩いたことがないのだ。ジェードはポンと手をたたいて言った。


「そうだ、ラックのお土産を買わなきゃ」


 すかさずファルナが目を細めて言う。


「こんなお城の近くの街で、しかも旅の開始早々に何を買うつもりかしら? 荷物をたくさん抱えたおのぼりさんにでも、なっちゃうの・か・な」


 目が笑っていなかった。確かにファルナの言うことも、もっともだ。街の騒々しさに刺激され、ただの旅先で浮かれた少年になっていたようだ。自重自重。


 照れ隠しのように薄茶色の紙袋からライモンを取り出し、ファルナに渡した。そして自分の分に勢いよくかぶりついた。思ったより皮は薄くシャリシャリとしていて、そのまま食べても……なかなかいけるじゃないか! ただ、果肉の奥に差し掛かると……ウヒョウ! 例の酸っぱい顔になった。それを見てファルナは大笑いした。


 街並みを眺めながら、交差する通りを二つ分歩く――ファルナが、とある店の前で足を止めた。大きなガラス張りで商品を見せつつも、歴史を感じさせる、しゃれた赤レンガ造りの建物だった。


「ウィズマティカ魔法具店 ――SINCE 天地創造から千年後――」


 店の歴史の壮大さには誇張を感じたが、それはさほど重要ではないだろう。由緒正しき名店であることは、店の中に足を踏み入れた際に、足首まで埋まるじゅうたんから伝わってきた。王室にも劣らない、吹き抜けの最上部に取り付けられた豪華なシャンデリア。待合席に伏せているビートドッグの光沢ある皮装具を見るだけで、およそ客の質も分かった。


「いらっしゃいませ、お客様。本日は何をお探しでしょうか」うさん臭さを顔に貼り付けたような笑顔の店員が、ファルナに話しかけた。金色のチェーンを下げた眼鏡が、成金趣味をほうふつさせる。本当の笑顔をエクスディア城で見てきたばかりだからこそ、そのギャップに戸惑った。


「え、ええと、こちらは何を取りそろえているのかしら?」ファルナでも少し緊張するらしい。


「はい、ミス――」


「ファルナよ」


「さようでございますか、ファルナ様。こちらでは主に、魔法を増幅するミュレット系のアクセサリーを取りそろえております」


「何だい、ミュレットって?」と、なぜか小声のジェード。


「ミュウちゃんからもらったクルミも、細かく言えばミュレットって言うアクセサリーに分類されるの。あれは余りかわいくないからアクセサリー向きじゃないけど、代わりに威力は絶大ね」


 確かにあの古ぼけたクルミを耳飾りやペンダントにするのには勇気がいる。前衛的過ぎるセンスだ。


 ファルナはすっかり手慣れた様子で店内を見て回る。もみ手をしながら、コウモリ傘のように細身の男がその後をついて回った。そのさまは、まるで王女の買い物風景にも見える。ファルナは何となく、冗談でそういう雰囲気を演出しているのだろう。彼女はそういういたずらを、よくする。おかげでジェードの表情もすっかりほぐれた。


 ショーケースの中に飾られたミュレットの幾つかを指差すと、即座に別の店員がその中身をファルナの前に陳列した。その恭しい一連の動作に、彼女はすっかり御満悦のようだ。イヤリングのようなものからネックレス、リング、はたまたアンクレット型のものまで物色を始めた。――女子の考えることはよく分からん。店員がそろそろ冷やかし半分かと勘繰りたくなるほどの数を、ショーケースの上に並べた。すると、どこからともなく声がかかった。


「あら、そちらのお連れ様、どこかでお見かけしたような気がするのですが……気のせいでしょうか」


 ギクリ、心臓が止まる。


 すっかり油断していたが、ここはまだエクスディアの城下町だ。第二王子の顔を知ってる人がいても不思議ではない。ばれたところで問題はないのだが、旅の目的は襲撃者の特定と討伐にある。したがって、旅をしていることや素性が明るみ出てプラスになることは、ひとつもなかった。飽くまでも秘密裏に遂行したい。ジェードの心配をよそに、ファルナは少し気だるそうな声を出した。


「ええ、彼はちょっと前までサーカス団にいたことがあるんです。そこでピエロをやっていましたの。もしかして、それで覚えているのかしら。ちょうどこの街にも来てますよね、サーカス団が。もちろん、彼が前にいたところとは違いますが」


「ええ、サーカス。そうでしたか。確かに今、盛んに宣伝していますね」


 文字通り、曲芸のような話題の変え方だな、ファルナ。ピエロは大抵化粧をするから、そもそも顔は分からないだろうが。そんなジェードの心のツッコミをよそに、もみ手店員が大きくうなずいている姿が見えた。単に話を盛り上げるためだったのだろう。まあ、兄貴と違ってオーラのない、しかも第二という(覚えなくて済む理由付きの)人間の容貌など、いちいち覚えていないよな。


「あれっ……」


 何かに思い当たるような声にまたギクリとしたが、これはファルナの声だった。


「この列にあるのって、もしかしてエージャーじゃないですか?」


「さようでございます、さすがお目が高い。ここ一帯の魔法具屋でこれを扱っているのは当店だけでございまして」


「見せてくださる、ぜ・ん・ぶ。ほら、ジェードもちょっときてよ」と、ファルナがジェードの肩をたたく。


 デートで何かをおねだりされる気分とは、もしかしてこういうものか。まだデートに類するものを一度も体験したことがないのに、先に知ることになろうとは。


「これ、ジェードにいいと思って。見て、この小さなメダルに模様が描かれてるでしょう?」


「ああ、確かになんか馬みたいなのが描かれてるけど、この模様がどうにかなるのか。こいつがドヒャアッて、出てくるとか」


「御名答! ですよね?」とファルナは店員に水を向ける。


「さようでございます。これは、自分の代わりになる代理者を召喚する魔法メダルでございます。こちらを介して従者を呼び出し、主にハンティングや護身用に用います。つまり、戦闘用ですね」


「代理者? 戦闘?」


 そのメダルは、ジェードの心をグッとわしづかみにした。説明によれば、メダルを使うと代理者であるエージャー(Agent=エージェントの崩し読みで、Ager=エージャーだそうだ)を召喚でき、代わりに戦闘を行ってくれるということだ。強力な魔獣や魔人が取りそろえられ、中にはとてつもなく強いのもあると聞いた。


 なるほど、世の中にそんな便利なものがあるとは。これに興味が湧かないはずがない――何せ、こちらは魔法がめっぽう不得意な身だ。是非、使わせてもらおうじゃないか。


 ジェードはこれまでにないほどの真剣な顔つきで、吟味を始めた。光沢のあるカラーリングが施された箱は、五十ばかりの種類があった。厚い羊皮紙でこん包されたその正方形の箱の表には、特徴を示す紋様が記されている。


 魔獣系はそれぞれ個性があったが、どれも積極的に欲しいとは思えない図柄ばかりだった。ワニの頭に蛇があしらわれ、手足が十本もある生物を召喚したら生きた心地がしないだろう。もちろん召喚者の命令は聞くらしいが……敵を食い殺すイメージしか湧いてこないのは、いかがなものか。もう少し穏やかな図柄を探した。決めかねているジェードを見て、ファルナが店員に尋ねた。


「そうだ、プリストン王子が愛用しているメダルって御存じないかしら? 是非参考にしたいんだけど」


 プリストンのことを過去形にしないところに、様々な思わくを忍ばせていた。当然、城下町にはまだ伝わっていないだろう。


「ええ、ええ。プリストン王子の使われているエージャーですよね。もちろん存じ上げてますとも。殿下が愛用していることが広まった途端、もう、ものすごい売れ行きで。ですが、ちょっとばかり値が張る代物でして。御覧になるだけのお客様も多くて、はあ」


 いかにも目の前の傍若無人な二人組を、そう決めつけているような口ぶりだった。渋々持ってきたそれは、他の商品とは一線を画する豪華なもので、金ぱくが張られたこしゃくな箱に品よく収まっていた。


「これね……」思わずため息が出るほど美しく、表面が鏡面のように磨かれたメダルだった。


 紋様には天空を貫く目をした、タカのような鳥が描かれていた。恐らくは不死鳥をモチーフにしたものだろう。ジェードはそれをしばしの間見続けていたが、首を小さく振った。ファルナがそれに言葉をかぶせた。


「そっか……これ、相当強いと思うけど、やっぱりお兄さんのことは――」そこでファルナは口を自らの手で、はっと押さえた。


「――じゃなくて、実のお兄さんのように憧れている人のものは、いろいろと問題あるもんね」苦しい言い逃れだったが、店員が二人へ興味を失っていることが幸いした。既に物見遊山の客と決めつけているのだ。それは店員の小さなあくびからも分かった。


 危ない、危ない――ジェードはそっと話を戻した。


「このメダルより、強いのっておいてませんか?」


 油断していた店員が、はっと意識を取り戻した。


「お客様、御冗談を言ってはいけません。これは双頭を持つ不死鳥を、エージャーとして召喚するメダルです。その名も『双えんのインフェニックス』。不死鳥はもう、天を覆うばかりの巨大なもので、自らを省みずに全身から炎を放出し、あだなす敵に絶大なダメージを与えると言い伝えられています」


「ん? 見たことはないの?」


「それはそうでしょうとも。エージャーは飽くまで護身用。その力を解き放つときは生死を分かつときが、ほとんどでございます。私は一介の商人でございますゆえ、戦闘による実際の召喚を見るなんて、めっそうもないことで……」


 店員がふちなしの眼鏡のツルをいじりながら語尾が弱くなっていくにつれ、ジェードは少し面白く感じた。自分が見たこともないものを売るというのは、どういう心境なんだろうと。


「じゃあ、どうするのジェード。ちゃんと集中して選んでみて。多分このエージャーより性能がいいのなんてないのよ」そう言うとファルナが、肩をピッタリとジェードに寄せた。


 髪からセルンの聖水の匂いが直接伝わる距離だ。清らかな花の香りを先に感じ、かんきつ系の残り香が鼻孔をくすぐる。なぜかドギマギして、鼓動が早くなってしまう香りだ、彼女はそんなことを気にもせず、真剣な面持ちで並べられたメダルをにらんでいるが、ジェードは別の意味で集中できない。


「でも、何か違うんだよ。俺向きの感じじゃないし。それに……」


「それに?」


「向こうから語りかけてくる感じがしないんだ。きっと自分に合ったエージャーは、自然と引き合う感じになると思うんだけど……向こうから、買ってくれって呼んでくるって言うか」


「それって、何か雑貨とかを選ぶときじゃないの? 魔法筆のケースとか、藤編みのお弁当箱とか、そういう小物を選ぶときの。フンフフン」ファルナは手持ちぶさたのように、鼻歌を交えた。


「そうかなあ……んっ、あれっ! あそこのヤツは何ですか?」ジェードは十二段ぞろえで陳列された、最上段を指差した。


「どれですかな? おや、こんなのありましたか」ほこりを払いながら店員が言う。


「誰か棚卸しのときにでも、上に押しやったのでしょう。ええと、台帳にも載ってない型ですね。だとしたら、相当古いヤツです。うちは、様々な流通経路の品を扱っておりますので、ひょんなことから紛れてしまったのでしょう。ひょっとしたらお宝かも知れませんが、きちんと機能するかどうかの保証はできませんよ。もし、それでもよろしければお売りいたしますが、いかがいたしましょう?」


 やめときなさいよ、とファルナが小声で諭す。売り手が雄弁なときは気を付けた方がいいと、注意を添えて。それでも「逆に珍しくていいんじゃないか?」とジェード。夫婦の押し問答のようなやり取りはあったが、最後には彼女が折れた。


「いいわよ、好きにすれば。どのみち、戦闘は私の仕事だからね。ただ召喚できなくても、がっかりしないでよ。そっちの方が心配」


「大丈夫だよ、ファルナ。ほら結構立派なケースに入ってるじゃない」


 棚の片隅から取り出してきた箱を、ファルナが手に取りしげしげと見つめる。


「すんごい、ボロボロなんですけどぉ」


 箱を覆っている黒い羊皮紙はところどころ、はげ落ちていた。いや、他の立派なものと比べると不良品と言っていいレベルだった。棚の隙間を埋めるためのブロック材と間違われてしまっても不思議ではない。さすがにジェードも顔をしかめた。それでもめげずに、ゆっくりと箱の蓋を開けた。


「フヒャア!」ものすごい声が店内に響き渡った。


 高価な店であり、その時間帯の客は少なかったが、全員がジェードたちの方を向いた。声の主はジェードの肩に顔をうずめ、声を震わせていた。


 ジェードは悲鳴の正体を見た。既に床をものすごい勢いで走り去った後だが、百本は足のあるベルトムカデの特大サイズがそこに潜んでいたのだ。百戦錬磨の彼女であっても苦手なものがある。実は、大の虫嫌いなのだ。


 肝腎のメダルも、先ほどの同居人と同様に残念なものだった。小ぶりのメダルで、原形はとどめているものの紋様がよく見えなかった。また、大方の予想通りだが効果を示すロール紙すら含まれていなかった。通常はその紙にエージャーの能力や姿などが、取り扱い説明書のように細かく記載されているそうだ。


「こちらの状態ではさすがに難しいですよねお客様。いかがでしょう、あちらに今季の最新モデルがありますので、そちらを御案内するというのは」店員がすごすごと別の陳列棚へ移動しようとした。ファルナもさっとそれに続く。さっきのベルトムカデの残像を振り払うかのように。


「いや、これでいい。これに決めた」


「ええっ?」と、ファルナと店員が同じ声を上げた。


 ジェードはメダルをしげしげと見つめる。珍しいものに昔から弱かった。限定品とかそういった類だ。他の人と同じものを持ちたくないという、一種の偏向性の現れかもしれない。とにかく、そのメダルが自分を呼んでいるような気がした。


 うっすらとその理由にも気づいていた。小さい頃、母が読み聞かせてくれた絵本に登場する『不思議な暗黒メダル』にそっくりだったからだ。もっとも、その絵本のメダルは不幸の象徴であり、何も主人公の少年に与えてくれなかったのだが。


 冗談のように安い会計を済ませると、ジェードは大股で大通りに出た。やれやれ、しょうがないわね――ファルナは浮かれ気味の太陽(空とジェード)に向けて肩をすくめた。


 二人が店を後にすると、店員はゆっくりとテレプスと呼ばれる交信水晶へ手を伸ばした。この世界におけるポピュラーな通信手段であり、水晶に触れることで双方向の意思交換が行える。


「ええ、ジェード王子と侍女のファルナ嬢です。名前も言ってたので間違いありません。どうやらあのうわさも信用できそうですね。それと、こちらではガラクタのようなエージャーメダルを買っていきましたよ。――はい、ありがとうございます。報酬は仰せの金額で結構でございます。それでは」


 そう言ってテレプスを切ると、細身の店員はコウモリのように不敵な笑みを浮かべた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ