悲しみの時
次の日、私は勇気をふりしぼって学校に行った。
結局昨日は翔くんに返事は要らないとだけ言い帰った。
「私、本当に言っちゃってよかったのかな?」
でもあれは私の本当の気持ちだ。後悔はしてないとおもう・・・たぶんだけど・・・
私は独りで教室の扉を開けた。
ガラッ
その時私の前に夢菜が通った。
「あっ夢菜!おはよ・・・」
「・・・・・・」
あっ・・・さけられた・・・
わかってはいた。だけどやっぱり・・・辛い。
私は静かに席に座った。なんだかポツンと周りから取り残された気分だ。
「いつもは、もっと教室がキラキラしてた・・・」
独りでそうつぶやくと、誰が私の名前を呼んだ。
「霧夏!ちょっといい?」
綾だ。 だけどいつもと様子がおかしい。
私達は綾の指示で屋上へ向かった。
「・・・どうしたの」
おそるおそる口を開いた。
「あんた・・・昨日何してたの?」
「えっ?」
「何してたって聞いてるの!」
体が凍り付いた。
まさか、まさか綾・・・
「あんた昨日、翔と公園にいたでしょ!あんた翔のこと好きだったの?」
「!!綾、それは・・・」
「言い訳なんて要らないわよ!あんた本当に最低ね!友達を犯人扱いした後は、友達の彼氏をよこ取りしようとするなんて!見損なったわ!!!」
「綾、私そんなつもりじゃっ」
「私が怒ってるのはねぇあんたが翔のことの好きだって一回も相談してくれなかったことなの友達だと思ってたのに、私のこと信じてなかったの?」
「そんなっ」
「そーだよね、平気で犯人扱いしたぐらいだもんね、どうせ私達のこと何とも思ってなかったんでしょ!」
そんな訳ないと言いたかった。信じてたって、犯人扱いしたのは信奈の死で気が動転していたんだって言いたかった。だけど私がしたことは、許される事じゃないそして翔くんのことを綾に言えなかったのは確かに綾を信じきれていなかったからかもしれない。
「……」
もうなにも言えなかった。
「なんとかいいなさいよ!・・・もういい霧夏なんて大嫌い!!」
「あっ綾っ」
「もしかして、信奈の事もあんたがやったんじゃないの?」
「そんっ」
「翔の事もあんたになんか負けるわけないでしょ!あきらめて!!」
「あっ綾」
「二度と私の前に現れないで!」
そうゆうと綾は、その場から立ち去った。
「綾、待って!」
追いかけようとしたけど体が動かなかった。涙が溢れた。
グラッ
(・・・え?)
(頭が痛い)
そして私は気を失い倒れた。
第4章 悲しみの時