三話目
ま~た短いです。今回は皆である場所の近くに行きます。
それでは、駄文ですがどうぞ。
木々が鬱蒼と茂る森の中をけもの道を必死の進む三人と一匹の姿があった。
その中で先頭を歩くのは肩のあたりに無雑作かかっている髪の毛が眼の前をちらつくのを気にしながら、先日、母親が直してくれた着物の膝にまた穴を空けないように歩く一人の少女である。二番目には、その少女より、少し背の低い、母親からもらったお弁当を落っこどさないよう四苦八苦しながら歩く五歳あたりの小さな少年である。その少年の三歩ほど後ろには、肩に猫を乗せて歩く、その三人の中で一番年上であろう少女が前の少年がお弁当を落とさないようにも守りながら、あるいている。
「姉ちゃん、まだ~?」
「う~ん、もう少しだから」
耕作が前を歩く姉のミエに後どれくらいかを聞く。
「ほら、耕作、お弁当はお姉ちゃんが持つからもう少しなんだからがんばろ?」
鈴が耕作に自分が弁当を持つからがんばろうと促すと
「だいじょぶだい!!お姉ちゃんは後ろから黙ってついてくればいいんだよ~だ。なあ?ミケ」
(いや、そんな事で同意を求められても困るんだが)
と、同意を求められた俺は内心こまりつつも一応同意の意をしめすために鈴の肩から頬のあたりを舐める。
「ひゃあ!!もう~ミケのばか!!これでもくらえ!」
すると今度は鈴が俺を捕まえようと手を伸ばしてきたので、肩から飛び降りて前を歩くミエの頭に飛び乗る。
「うわぁ!!」
ミエはいきなり頭の上に何かが乗っかったので驚き声をあげるが、それがミケだとわかるとすぐに安心したのか、またしゃべりながらもミケを落とさないように気を付けながら歩きだす。
「もう~、いきなり飛び乗ってこないでよね。びっくりしたんだから」
「まあまあ、いいじゃんか。それよりもまだ~?」
またまた耕作が後どれくらいかをきいてくる。
「ん~たぶんもうつくよ」
「ほんと!!やったー!!」
もうつくと聞いた瞬間に耕作が勢いよく走りだす。
「あ!!ほんとにしょうがないな~。転ぶんじゃないよ~」
「大丈夫だよ。お姉ちゃんは心配症すぎるんだよ」
「そんなことはないと思うんだけどな~」
実際鈴は物凄い心配症だ。例えば、前に耕作が転んで膝を擦り剥いた時はその傷から悪い物が入らないようにと、ほんの少しの傷に対してまるで骨折したかの様に包帯代わりの布でぐるぐる巻きにしたり、俺が近くの森に昼寝をしに行ってそのまま夜まで寝ていたときなど、夜中中ずっと俺のことを探し続けて、家に帰ったら思いっきり泣かれ、その後一週間外出禁止、さらにやっと外にでたと思ったら今度は鈴がついてくる。みたいなことが発生し、それが一週間続いた。
「あ、ついたみたいだね」
「うん、ここだよ、ここだよ」
どうやらついたらしい。やっぱり考え事をしていると進むのが早いらしい。何がとは言わないが。
「お姉ちゃ~ん、姉ちゃんもはやく~」
どうやらすでに耕作が弁当を広げて待っていたようだ。というか耕作は場所を知らないんじゃなかったのか?………何か気にしちゃいけない気がしたからそのままにしておこう。うん、そうしよう。
「早く食べようよ~。もうお腹すきすきだよ~」
「んじゃ、食べますか」
「はい、ミケも食べるでしょう?」
それはもちろん。何せ花さんの作ったご飯でしょう?食べないわけがない。
「す~す~」
「むにゃむにゃ」
「……………」
どうやら全員寝てしまったようだ。先ほどまで食べられていた弁当は綺麗に片づけられていて、今はそばにあった大きな大樹によっかかりながら三人仲良く寝ている。
そういえばこの樹の近くだったな。俺が鈴に助けられたのは。
はい、なんでしょうね、この絶望感。
次回、過去編に入るかも!?
ミケの過去とは!!そして鈴との始めてあった時の内容は!!
そうご期待あれ!!(はたして期待できる物かどうかわかりませんが)
今回も感想等ありましたら、お願いいたします。