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第53話 恋する爆裂王女


 ♧♧♧ ♧♧♧ ♧♧♧


 ギイイ・・・


 アルテナは、ビアンテ王城の玉座の間の

重たい扉を開く。


 大広間の両側には、剣を掲げる兵がずらーっと整列して並んでる。


 その奥には、リベッラ王女の父=レ・ブルーノ・ビコ・ビアンテ国王が座っているのが見えた。国王のそばには、あの執事も立っている。



 アルテナとリベッラ王女は、緊張感漂う玉座の間、レモン色のカーペットの上をゆっくりと歩いて行く。


 二人が目の前まで来るのを待ってから、やや緊張した面持ちで玉座のふかふかな椅子に座っていた国王が言う。


 「リベッラ………うん。良い顔つきに

なったね。」


 「それではアルテナ君、『 第三の試験 』の結果を伝えるとしよう。」



 ごくっ


 と息を呑み額に汗を浮かばせるアルテナ。彼のすぐとなりには、落ち着かない様子でじっと国王の言葉を待つリベッラ王女がいる。



 「残念だけど君は………」





 「不合格だね。」



 ……………………………


 しんと静まり返っていた玉座の間には、さらに深い沈黙が訪れる。


 なにやら国王に耳打ちをする執事の姿を、ただぼんやりと眺めているアルテナ。


 リベッラ王女はがっくりとうな垂れて、下を向いてしまっていた。



 すると、その沈黙を破るようにビアンテ国王が口を開いた。


 「……リベッラ、君は此度の試験でなにを学び得たのかな?」


 急に自分の名を呼ばれたリベッラ王女は、びっくりして顔を上げ国王の目を見て言う。


 「それは……」


 国王はゆっくりと言葉を続ける。


 「リベッラ……これから君は、どうしたいと考えているのかな?」


 「………!!」


 「お父様………わたし………」



「アルテナたちと会って色々思い出したの。………お母様との思い出も。楽しかったお城での日々も。フェニーチェの街にも初めて行ったわ!」



 「最初はほんとにイヤだったんだけど……楽しかった!そう!街にはたくさんの人が居てね。色んな食べ物もあって。それにギルドにも行ったわ。」



 「それで一つだけ分かったの。」


 「大切にしてる誰かを失いかけて………他人の痛みを初めて知って。とても悲しかったわ。その人を分かったつもりになってた。」


 「けど、違う。本当は……わたしも分かって欲しかっただけなの!!」


 「だからわたしはーー




 「アルテナたちと旅をしたり……」

 「もっと一緒にいたい!!!」


 「リっリベッラ王女様?!それはいくら王女様でも前例がーー


 執事エスカルドの言葉を手を上げて制した国王は


 「リベッラ……良く分かった。」


 「……お父……様?」



 「本当に……君にはいつも手を焼かせられるよ。ふおっふおっふお。」


 「気をつけて行くんだよ?辛くなったら、すぐにここへ帰って来ても良いんだからね。」


 と、深い慈愛のこもった目で娘を見た後、顔をくしゃくしゃにして笑うビアンテ国王。



 「お父様……大好き!」


 と、リベッラ王女は国王の元に駆け寄った。


 仲良く抱き合う親子を、アルテナはぼんやりと夢でも見ているような心地で見つめていた。


 自分は『 不合格 』だと言われたのに、なぜか顔がまだ熱く感じた。


♧♧♧ ♧♧♧ ♧♧♧


 こつこつこつこつ………


 「アルテナ・フォッティーゾ!」



 「……あ?なんだ、クソ真面目執事」


 「君はお嬢様を……必ず守ると……そう誓えるか?」


 「ああ?!ったりめえだろ!!もう仲間なんだからよ。」



 「ふふ。………」


 「はははは!」


 「なにいきなり笑ってんだお前?」


 「ふんっ!……国王陛下は『 不合格 』と仰せらていたがな……」



「アルテナ」


「君は『 合格 』だ。」


 「『 リベッラ王女様を守る 』。今後もその誓いを決して破るな。そして忘れるな。もし誓いを破った時は私が君を地の果てにいても見つけだし、そのムカつくツラをぶん殴ってでも………」


 「なあに二人でこそこそやってんのよ!」


 ビクッ!


 と、執事エスカルドは肩を跳ねさせた後、

ビシッ!とアルテナの顔に指を向けて


 「決してそれを忘れるなよ!」


 「王女様、どうか……無事にお帰りください。」


 そう言ってその場から立ち去った。


 「ああ?なんだったんだ??あの執事のやつ……」


 ぎゅうっ


 「うわあ!!!や、やめろって急に!!……リベッラあんまりくっつくなよ」


 「なによー良いじゃない!!なんたってもうわたしたちは『 お父様公認 』なんだからっ♪」


「はああぁ…………」


 やたら自己主張の激しい体を押し付けながら、嬉しそうに笑うリベッラ王女。


 そんな彼女を見て『 またやっかいごとに首をつっ込んでしまった……』と深いため息を吐くアルテナなのであった。


♧♧♧ ♧♧♧ ♧♧♧


 「つーことがあってよ………」


 「そうか。で、王女様は……」


 『今、こんな状態になっているワケか。』と、

ジャーベスは王女様の嬉しそうな様子を見て、言葉を続けるのを諦めた。


 ジャーベスの家に戻ってからも、アルテナにくっ付いてイチャイチャorデレデレするリベッラ王女は、


 「らんらんらんっ」


 「ふんふっふ〜ん……♪」


 と、さっきから下手くそな鼻歌を歌いながらアルテナにずっとべったりくっついている。


 「ははは!まるで別人だな!」


  「まっ、王女様のご機嫌がよろしいってことは『 万事解決 』ってことで良いよな!」


 「なんかまたフラグくせーけど……」


 「まっいっか!ちょっ、ちょっといい加減にしろよ。なあ、リベッーーー



その瞬間


アルテナの意識がーー


闇色に沈んだ•・* . * .*°。°* ・.・°・.・ *°。°*.*.※ ・*


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