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第21話 爆弾発言


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 あくる朝。


 昨晩、古代遺跡『 龍の谷(ウァリス・ドラコニス) 』から再び石造りの部屋に戻って来ていたアルテナは目を覚ました。


アルテナ

 「うーん!……良くねたー……

ん?なんか良いにおいが……」


プルーデンス

 「アルテナ、起こしちゃったかい?おはよう。目覚めの『 コーヒー 』でも飲むかい?」


アルテナ

 「おう!おはよー!……って先生、その良いにおいの飲みもん?ってなんなの?」


プルーデンス

 「ああ、コレかい?良い香りだろう。挽きたてが僕のこだわりの味さ。」


 「コレは、『 コーヒー 』と言ってね。大人は決まって朝に飲む、かかせないものなのさ。君も飲んでみるかい?」


アルテナ

 「おお……ってなんか真っ黒だけどほんとに飲めんのかこれ?……良いにおいは……するけど。」


 「……ごくっ。」



プルーデンス

 「アルテナ、どうかな?」


アルテナ

 「……うえぇ……めちゃくちゃ苦ぇ……。これ毎朝飲んでる大人って、ぜってーどうかしてんな。」


プルーデンス

 「ははは。君にはまだちょっと早かったかな。まあ。君も大人になったら、そのコーヒーの味の深みにきっとハマると思うよ。」


アルテナ

 「たぶん一生わかんねぇよ」


 プルーデンスとアルテナが他愛のない会話をしている一方で、ノエマは父のベッドのなかで昨日、遺跡の最下層で見た一連の出来事を思い返していた。


ノエマ

 『あの龍……『 スキエンティア 』ってよばれてた。あの子の気持ち……ふくざつだけど、なんだかものすごくせつなくて……悲しかった。」


 『あのおじいさんも……スキエンティアにまた会えて……ほんとうにうれしそうだったし。』


 『それに……なんだか……

だれかとにてる気がするような……』


ノエマは目をつぶったまま物思いに耽り、

ベッドから動かないでいた。


プルーデンス

 「ノエマ、もう朝だよ。起きているんだろう?昨日のこと……もう大丈夫かい?」


 内緒話をする子どものような小さい声でプルーデンスがノエマに声をかける。すると布団の中から--

 

  ぴょんっ


フィリム

 「フィー!」


プルーデンス

 「おおっと……っと、と。」

 プルーデンスの胸めがけて

フィリムが飛び込んで来た。


「フィリム、おはよう。

君も、元気みたいで良かったよ。」


 「さあ、二人とも。こっちに来て、

お父さんの特製朝ごはん、

食べてもらえないかな?」


ノエマ

 「お父さん……わたし……」


フィリム

 「フィ?」


プルーデンス

 「ノエマ、大丈夫さ。ほら、冷めないうちに。

久しぶりにみんなでたべようじゃないか。」


 プルーデンスはそう言うと娘たちを連れ

テーブルへと向かった。


ノエマ

 「すごい……!」


 『 翡翠色の花瓶 』には、『 二輪のアネモネ 』が飾ってある。そのまわりにはたくさんの手料理が並べられ、もあもあと温かな湯気を立てていた。


 ベーコンエッグにオレンジジュース。甘い味付けのスクランブルエッグとミルクもある。


 他にもオートミールと、小さくカットされたバゲットにふわふわのサンドウィッチ。シナモンロールまである。


 たっぷりの緑黄色野菜サラダは彩り豊かでフレッシュ。スープもコーンスープにオニオンスープまである。


 プルーデンスはいつものドヤ顔で、

父の威厳を知らしめる。


アルテナ

 「むおー!モエミャ(ノエマ)……ごくっ。

おはよー!わりぃ先に朝メシくってたわ。

ってか先生の料理まじウマだわ!」


プルーデンス

 「はっはっは!だろお?家じゃあもっぱら僕の仕事だったからね。ほら、ノエマとフィリムも座って食べなさい。冷めないうちに。」


ノエマ

 「うん。ありがと。お父さん。」


 ニコッと、それはもう嬉しそうに。

顔をくしゃくしゃにして父は微笑んでいた。


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 食事を終えた子どもたちは、

めいめいにくつろいでいた。


アルテナ

 「だあ〜……もう腹いっぱい。先生の手料理はまじで超最高だったよ。ありがとな。」


ノエマ

 「お父さんの作ったパンとスープ!

わたしだいすきっ。」


フィリム

 「フィー!」


プルーデンス

 「ははっ。なんてことはないさ。みんなに喜んでもらえて僕もすごく嬉しいよ。」


 プルーデンスはコーヒーを飲みながら

本当に嬉しそうに言う。


プルーデンス

 「もう一度、龍の谷に向かう前にみんなに話しておきたいことがいくつかあるんだ。」


アルテナ

 「うん、俺も聞きたいし。

いいよなっノエマ?」


ノエマ

 「うん。すごく気になる。」


プルーデンス 

 「それじゃあ。」


 と、プルーデンスがそう言うとマグカップをテーブルに置いて。また、指で空中に8の字を描いて、石造りの部屋に半透明の黒板を出現させ授業を開始した。


プルーデンス先生

 「おほんっ……あーあー。

マイクのテスト中……」


 「朝ごはんの後で、たぶんみんなボーっとしているかと思うけど。気を取り直して……」


 「では、今日も授業をはじめるね。」


 「まずは、昨日ほんのすこし遺跡の内部でアルテナには話したことなんだけど。僕は実は……」


 「『 AIと異星人の記憶体 』で作られた人間なんだ。」


アルテナ&ノエマ

 「はああ〜〜〜!?」 「………!?」


 プルーデンス先生はあくまでも話を続ける。


プルーデンス先生

 「もっというとね。

 『 AIと異星人としての自分 』の意識を

 統合して、

 『 再構築された完全なる記憶体 』なんだよ。」


アルテナ

 「プルーデンス先生、

またいきなり爆弾ぶちこんできたな。」


ノエマ

 「お父……先生!」


プルーデンス

 「ん、なんだいノエマ?質問かい?

なんでもいってごらん。」


ノエマ

 「はい。じゃあ……お父さんはじぶんで、

『 今のお父さん 』をつくったの?」


プルーデンス

 「おしいな〜!さすがの僕も一人では出来なかったよ。答えは……」


 「そう。アルテイシア。ノエマ、君のお母さんのおかげで、『 今の僕 』が作られたんだ。」



アルテナ

 「いや、待てよ先生……ノエマもスルーかよ。

先生、今『 異星人 』っていった……のか?」


プルーデンス

 「アルテナ、良いところに気付いてくれたね。そうなんだ。僕の生まれ故郷は、地球じゃない。」


 「『 惑星フィデリス 』という、地球よりもずっとずっと宇宙の向こう側にある」


 「ここから『 46億光年先の遠い惑星 』

なんだ。」


 「アルテイシアもそうだよ。だから、僕らの娘であるノエマは、『 純粋なフィデリス人 』なんだ。」


アルテナ&ノエマ

 「「〜〜〜!!?」」


プルーデンス

 「ノエマを授かった後すぐに、アルテイシアと僕は《《ある準備》》に取りかかっていた。」


 「それは、アルテイシア……彼女の『 観測者 』としての『 最後の仕事 』だったんだ。」


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