表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏切りの街 〜すれ違う心〜  作者: 緑谷めい


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/5

2 誤解 sideリュカ



 無事にエマと結婚することが出来て、リュカは安堵していた。



 先輩騎士の紹介で知り合ったエマと付き合い始めたのは今から1年と少し前だ。可愛らしくて明るいエマ。リュカは出会って直ぐにエマに夢中になった。彼女を誰にも渡したくなくて結婚前にフライングもしてしまった。もちろん、責任を取るつもりで。だが、3ヶ月前、リュカは誘拐組織のアジトを突き止めた件でエマと彼女の家族に誤解をされた。そう、誤解だ。


 リュカが手柄を立てたかったのは、あくまでエマとの未来の為だった。早くに両親を亡くし兄弟もいないリュカは、大好きな恋人エマとの結婚を彼女の家族にどうしても認めて欲しかった。周囲から祝福される結婚がしたかった。それがエマを幸せにする道だと信じた。決してリュカ自身の為にした事ではない。騎士団内で昇進すれば、きっとエマも喜んでくれる。エマを愛してやまない彼女の両親や兄も、リュカとの結婚を快く許してくれるに違いない――そう思ったのだ。


 あの日、王都の街の裏通りにエマを一人で置き去りにしたリュカは、もちろん物陰から他の騎士達とともにエマを見守っていた。エマにあらかじめ計画を教えなかったのは、エマの挙動から誘拐組織の連中が変に警戒心を持たないようにと考えたからだ。

 一人になったエマは急いで大通りに出ようと走り出したところを誘拐犯達に捕まり、そのまま荷馬車に押し込められた。リュカ達騎士団は犯人達に気付かれぬよう、慎重に荷馬車の後を追い、ついにアジトを突き止めた。

 もちろんリュカ達はエマがアジトに連れ込まれて直ぐに突入し、彼女を救い出した。その際、エマに掠り傷一つ負わせはしなかった。捜索するとアジトの奥の部屋には他にも5人の娘が閉じ込められていて、全員を無事に救出することが出来た。

 エマは一連の出来事に心が追いつかないらしく放心状態だった。なのでリュカはその日、エマに詳しい話をしないまま彼女を家に送り届けた。振り返れば、その日のうちに、せめてエマの家族に丁寧に事情を説明すれば良かったと思う。あの時のリュカは、犯人達の尋問が行われている騎士団本部に一刻も早く戻ることばかりを考え焦っていた。

 

 結果としてリュカはエマに誤解された。

 エマはリュカが手柄欲しさに彼女を騙して利用したと思い込んでしまったのだ。彼女の家族も同じく誤解して激怒していた。そんな事とは露知らず、事件の翌週に求婚しようと勇んでエマの家を訪れたリュカは、エマに罵られ、彼女の父親、兄そして母親から暴行を受けた。こんなにもエマを愛しているのに!? リュカは絶望した。

 それでも翌々日、リュカは再びエマの家を訪ねた。リュカはエマを心から愛している。彼女との結婚を諦める訳にはいかなかった。

 だが、覚悟を決め己を奮い立たせて訪れたリュカを、エマも家族もにこやかに迎え入れてくれた。2日前とは打って変わった彼らの態度にリュカは一瞬戸惑ったが、すぐに理解した。きっと誤解が解けたのだ。良かった。本当に良かった。

 その後、結婚話はトントン拍子で進んだ。

  


 そして、事件から3ヶ月後、リュカはエマと笑顔で結婚式を挙げることが出来た。花嫁衣装に身を包んだエマは最高に美しくて見惚れた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ