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結婚を約束した幼馴染じゃなく俺が君を幸せにしてみせる  作者: 風間悟
第1章:負け確状態から始まる青年の恋物語
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高校生の日常1①:男子たちは語る

 テストが終わった翌週。藤原さんは山口と共に仲のいい女子グループと一緒にご飯を食べるとのことで、その日は珍しく、俺と雄太、高橋の3人だけで昼飯を食べることになった。


 なぜだか、俺たちを見る女子たちの視線が生暖かい感じなのは気のせいだろうか……。そういえば、前もそんな視線を向けられたことがあったっけ。これはちょっと本格的に調べてみるかな。


「なぁ、なんか俺たちを見る視線がおかしくないか?」

「高橋も気づいた? 実は俺もそんな視線を感じるんだよね。真夜は何か知ってるかい?」

「いや、俺も知らん。どこかで面白い噂でも立ってるんだろ……」


 どうやら、こいつらも視線については気が付いてるようだ。だがそれが何なのかについては知らないようだな。


「高橋は藤原さんに聞いてみたのか?」

「ちょっと前に聞いたことがあるよ。だけど、『えー知らないよ?』って言われてそれっきりだ」

「あははは、なんか探偵みたいなことでもしてる雰囲気だ」


 まぁ何も知らない俺たちが考えたところで、答えなんて出ないだろう。ここはさっさと話を切り替えるか……。


「ま、噂は俺の方で調べるさ……。ところで、珍しく男だけしかいないんだ。普段できないような話をするのが今俺たちがやるべきことじゃないか?」

「ほう、それは面白いな、真夜。確かにこんな機会はそんなにないよな。高橋はいつも愛しの藤原さんとべったりだし……」

「ちょっ、マジでやめてくれ。いつもペアみたいに扱われるのは心外だぞ! でも、たまにはそういうのもいいな」


 ということで、俺たちは男子高校生としての責務を果たそうじゃないか。


「んじゃま、とりあえず、うちのクラスの女子のレベルでも話すか?」

「……葉桜は知らないだろうけど、既にその話は終わってるんだよ」

「それは夏休み前の話だろ? 明けてからの評価は変わったか?」


「そう言われると、夏休み明けからについてはそんな話上がってないな。真夜が来たこともあって、みんなの関心がそっちに移ったのもあるかも」


 あー、俺が来たことで関心が移ったかぁ。でも、もう1か月たったし、そろそろいいだろうな。


「ちなみに夏休み前はどんな感じだったんだ?」

「ええぇと確か、藤原さん、山口さん、委員長の村田さん、美術部の米田さんがよく話に上がるね」


 委員長の村田さんか……。確かにあの人、美人だよな。ショートのボブカットで真面目な口調。んでもってそれなりに胸が大きくスタイルが良いときている。


 そして、美術部の米田さんは世の男子ならまさに理想とも言える金髪巨乳ギャルだ。それでいて絵が物凄く上手いと評判で、俺も見せてもらったがマジで上手かった。ちなみにうちの高校、意外と校則ゆるいから割と髪を染めてる生徒が多かったりする。


「あー、米田さんか。あの人も確かに人気だよなぁ。特に胸がこの4人の中じゃ一番デカいし……」

「あははは、高橋は巨乳派だったか。まぁ俺もだけどね」

「お前……、藤原さんという人がいながら、巨乳好きかよ」

「うるせぇ! あれは人類の夢だろ。葉桜は違うのか?」

「俺か? どっちかというと小さい方が好きなんだよ。……何というか一番女性としての体型が際立つというか」


 俺がそう言うと、2人ともありえないという表情で俺を見てくる。みんながみんな巨乳好きと思ったら大間違いだ。むしろ邪魔だろ。


「あ、ありえない……。お前、ロマンがないのか」

「真夜、嘘はよくないよ」

「嘘じゃねぇ。だからそういう目線で見るなら俺は、藤原さん、山口、それと美術部の小町さんあたりが好みだったりするぞ」


 藤原さんは言わずもがな。


 山口は身長は150ちょっとと小柄だが、スレンダー体型で、栗色の可愛らしいセミロングヘアが特徴的で結構好みだったりする。


 そして、米田さんと同じ部活にいる小町さん、この人は控えめな性格をしているが話しやすく、スラッとした体型で、意外にも太ももが少し太いという特徴を持つ。むしろその手の人からは割と人気なんじゃないかとさえ思う。


「あー、小町さんね。知ってるかい真夜? 彼女……、彼氏が既にいるんだよ」

「マジで!?」

「俺も知ってるぞ。確か1組にいる佐藤淳さとうじゅんっていう野球部のイケメンがいるんだけど、そいつと付き合ってるらしいぜ」

「はぁー、やっぱり、性格のいい娘は彼氏作るのも早いなぁ」

「あははは、言われてるぞ、高橋」

「だから真昼は違うって! 俺は貧乳には興味ないし、真昼の性格、俺にだけ悪いじゃんか」


 そんな感じで猥談していたら突如、雄太が恐ろしいことを呟いた。


「そういえば、知ってるかい? うちの高校には百合ではなく、BLカップルが存在するって噂だ……」

「……マジで?」

「ほう、それは面白いな。続けて」


「なんでも、お互いに付き合ってる彼女がいたんだけど、その彼女らが百合に目覚めたらしくってね……。そして、その彼女らで付き合うことになったから別れることになり、その傷を癒すためにお互いを慰めていたら……」

「なぁ、それ、なんていう同人誌? 流石に作り話だろ……」

「あぁ、俺もそう思うんだが……」


 いや、そんな噂真に受けるやついないだろ。本の読み過ぎだな。恐らくカップル2組が破局したまでは正しいかもしれないけど、それ以降は着色された話とみた。


「だが実際、男同士で手を繋いで下校している所を目撃したという話もあるんだよ」


「それでも、どっかの腐女子が創作として流した噂だというのが真相だと思いたいな」

「そうだよな。……でもさ、実際にBLって存在するもんか? 百合ならわかるけども」


 おや、百合は肯定するにも関わらず、それを否定しますか……。今の多様性の時代にそれは禁句だぜ? どれ、ここはひとつお仕置きをしますかね。


 そう考えていると、雄太も同じような考えをしていたのか、俺の方を見てニヤリと頷く。ならばここはやるしかないだろう。ちょうどこの話をし始めた辺りから女子たちの視線が少し変わったようだ。ということはさっき感じた視線についてもある程度の予想はつく。


「なぁ、高橋……」

「ん? なんだ、葉桜。……ちょっとまて、何で無言で俺の方に近づく?」


 俺は無言で高橋に近づく。高橋は冷や汗をかきつつ、『おい、何をするつもりだ?』と言い、逃げようとするが、後ろから雄太が肩を抑え、椅子から立ち上がれなくする。そして、俺はそのまま、高橋を見つめ顎をくいっと上げると、女子の黄色い声が教室中に響き渡る。


「お、おい、まさか冗談だよな? 俺はその世界に行く気はねぇぞ!」

「安心しろ、俺もその世界に行く気はさらさらない。だがこれは多様性を否定した前に対する罰だ。安心しろ、こう見えて俺はイケメンの部類だ……」


 逃げられない高橋を他所に、俺は少しずつ顔を近づける。ちらっと、女子たちを見れば物凄く食い気味で凝視している。


(さて、お遊びもこれくらいだな)


 悪ふざけもここまでとし、俺は、『ハイ! サービスタイム終了!』と言って、この危ない空気を終了させた。


 高橋はどっと疲れが出たのか、『人生で初めて死を覚悟した』と言っていたので、まぁお仕置きとしては十分すぎるだろう。ちょっとやり過ぎたか?


 なお、雄太は終始爆笑し、藤原さん含めたクラスの女子はみな、それほどまでに残念だったのか、深いため息とともに、『やっぱり葉桜君が攻めで~』と会話し始めていた。どうやらこのクラス、意外にもそっちに興味がある奴が多数いるようだ……。


 ひとまず、高橋には悪ふざけが過ぎたことを雄太と一緒に謝罪し、残りの休み時間を各々ロマンについて語り始めた。


(ま、こんな日常もたまにはいいよな……)

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