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結婚を約束した幼馴染じゃなく俺が君を幸せにしてみせる  作者: 風間悟
第1章:負け確状態から始まる青年の恋物語
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前期期末テスト④:前期期末テスト

 もろもろのテスト勉強を終え、ついに迎えたテスト当日。


 期末テストは3日間に分けて行われるため、テストは午前のみで午後がまるまる空くので、生徒からは意外と好評だったりする。まぁ午前で帰れるんだからそりゃ喜ぶよな。


 まぁテストが始まればそんな雰囲気などなんのその。みんなテストの出来栄えについて絶望したり、歓喜したりと忙しくなる訳だが……。


「なぁ、まだテストは始まってないのに、何で高橋は死んでるんだ?」


 そこにはこの世の終わりだと言わんばかりに絶望顔の高橋が机に座っていた。藤原さんに何故か聞いてみたのだが、まぁ高橋らしい理由だった。


「今日、歴史のテストあるじゃない? テスト範囲に含まれてる偉人の年表とか忘れちゃったらしいのよね……」


 どうやら、学生あるあるの当日ど忘れが発動したようだ。ご愁傷様……。


 まぁ今更詰め込もうが焼け石に水なので、ここはせめてそれ以外の所で点数を稼げることを祈ろう。合唱。


「藤原さんは余裕そうだな。テストに自信ありか?」

「勿論よ。みんなと勉強会開いて、教えながら復習してたんだから準備は万端よ。それは葉桜君もじゃないの?」

「そりゃな。今回はいい点数が取れそうな気がする」


 そんな話を高橋の前でしてたもんだから、俺の前でやめろーと悲痛な叫びをしていたので、俺たちは笑いつつ、元の席に戻って行った。


 さて、テストなんて普段の授業の振り返りみたいなものだ……。いつも通りやればいいだけだが、些細なミスが無いよう気を引き締めなければな。



***



 無事テストの1日目終了。


 今日のテストは数学Ⅰ・歴史・化学。保険体育の4教科だった。どれもそれなりに手ごたえを感じてはいるが、若干歴史に難ありと言ったところか……。なんか2か所ほどズレた気がする。


 全てに対して、めちゃくちゃ簡単かと言われたらそうではないんだが、なんというか先生の悪意というものをところどころに感じていた。明らかに満点は取らせないぞと言わんばかりに、ひっかけが多かった。


(まぁそれでも余裕持って解き終わったし、見直しする時間も確保できてるから大丈夫だろう)


 とはいえ、俺がそう感じているということは藤原さんもそう感じている訳で、高橋を含めた3人はそれ以上に絶望していることだろうな。


 さて、テストも終わったことだし、みんなでも誘って昼でも食べに行くべきか。それともこのまま帰って明日のテストに控えるべきか……。


(愚門だな……。青春を謳歌するにもここはみんなでいる一択しかない)


 雄太は他の奴と話してる最中で、山口は藤原さんの方にいるようなので、先に藤原さんの方に行って、飯の件を話すとするかな。


 そう決めた俺は藤原さんの方に向かって行った。


「藤原さん、テストの方はどうだった?」

「あ、葉桜君! ええ、問題ないわ。まぁところどころ先生の悪意は感じたけど……」

「あぁ、やっぱり藤原さんも感じたか。ところでこの後はどうする? よかったらみんなでどこか食べに行かないか?」


 そう聞いてみれば、高橋と山口はテストからの現実逃避からなのか、『行く行く!』と食い気味で同意する。藤原さんも、『そうね。私も行くわ』と言ってくれたので心の中でガッツポーズをした。


 雄太はバンドメンバーと行くことになってるとの事だったので、今日は4人で飯を食べに行くことになったので、どこで食べるかを教室で話し合っていた。


「何食べましょうか。健斗は何かある?」

「うーん、ファミレスでいいんじゃないか?」

「さんせー、まひると一緒にパフェ食べる―!」

「ふふふ、そうね。こういう時は甘いものも食べたくなるわね。葉桜君も大丈夫?」

「ああ、俺もファミレスで問題ないよ」


 てきぱきとどこで何を食べるかを決めた俺たちは、下駄箱のある方に足を運びつつ、今日のテストについて話していた。


「お前ら、今日のテストは大丈夫だったか? 特に高橋は年表ど忘れしたんだろ?」

「ダ、ダイジョウブ……ダヨ」

「片言になってる時点でダメな感じしかしないが……」


 高橋はダメなのかもしれないな……。そう思ってると山口も山口で青ざめた顔をしながら、『あんな問題解けないよー』と愚痴を言っていた。これはテスト返却後にみんなで反省会がありそうだな。


 それを察しているのか、藤原さんは、『大丈夫よみーちゃん。今回も反省会しましょうね』と笑いながら言っていたので、反省会常習犯だったらしい。


「そういう2人はどうなの?」

「私はいつも通りよ。多分どれも90は超えてるはずよ」

「俺も同じく。歴史は若干自信ないが、それでも80は超えてるだろうな」

「「この、勉強できます民族がーー!」」


「普段から真面目に授業を受けていないツケだな」

「健斗、みーちゃん。自分たちが真面目に授業受けてないからって人の所為にしちゃだめよ!」


 正論パンチを食らい、うなだれてる2人と共に俺たちはいつものファミレス向かった俺たちは、各々食べたいものを注文した。そこで俺は高橋に例のあれを聞いてみた。


「そうだ、高橋」

「ん? なんだ?」

「実はテスト明けの土曜日なんだが……、埼玉に曼殊沙華まんじゅしゃげ──つまり彼岸花ひがんばなが綺麗に見られるスポットがあってな。そこに埼玉にいる親友らと3人で行くことになってるんだ」

「あー、そこ知ってる! たまにSNSで上がってくるけど物凄く綺麗な所なんだよね!」

「へー、そんな所があるんだな。んで、なんで俺にその話をするんだ?」


「俺の親友で雫っていう女性がいるんだけど、そいつが藤原さんに会いたがってるんだ。……んで、既に藤原さんにはそれを言っていて、一緒に来てもらうことになってるんだが……、お前も来ないか?」

「えー、葉桜君、私はぁ?」

「すまん、今回は許してくれ。いきなり知らない奴が来たらあいつらもびっくりするからな」


 まぁあいつらのことだから、突然メンバーが増えようとも雫なら女の子だーとか言って受け入れるだろうけど、今回の目的は合法的に藤原さんを呼ぶことでもある。山口には悪いが、俺の下心に付き合ってもらう。


「そ、そうなのか……。教えてくれてありがとな。うーん、土曜日だろう? その日は部活があるからなぁ」

「今すぐじゃなくてもいいけど、金曜までには答えだしてくれよ? 流石に当日はやめてくれ」

「出来れば、健斗も一緒に来て欲しいなぁ。きっと楽しいよ!」

「う、ま、まぁお前がそこまで言うなら、考えておいてもいいぞ」

「うん!」


 すぅー、……辛いッ!


 そんな仏のような顔になっている俺を見て、山口は小声でドンマイと言ってくれている訳だが、その優しさは今の俺には効くんだ……。


 ちなみに既に気が付いてるとは思うが、山口は俺が藤原さんの事が好きで、色々奮闘していることは知っている。だが、へこたれる時間なんて俺にはない。現状の俺は藤原さんにとってはただの友達だ。ここから先に進むためにも今はまだ我慢だ。


(我慢してる最中にゴールインしてたら……、考えるのはやめよう)


 土曜の話について一区切りついたところで俺たちが頼んだ品が来たので、そこからはテストやら最近配信されたアイドルの新曲などの話で盛り上がった。


 翌日からのテストについてもつつがなく進行し、テストは無事に終了した。


 俺と藤原さんはいつもとそんなに変わらなかったが、例のごとく3人はテストが終わるその瞬間まで絶望顔が崩れることはついぞなかったのは言うまでもない……。

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