葉っぱ
曇り空の下流れる
川の土手の桜は、
もう散り過ぎていた。
葉っぱが見えている。
今年は一度も満開
見てはいなかった。
ふと思い出したくらい、
忘れ過ぎていた。
何をしてきたんだろ。
弥生のひと月なら、
お菓子を渡していた。
季節の色合いの。
それから読み返した。
その詩の持ち主を、
気にしては暮らした。
感想、書いていない。
触れてはならないような
そんな気になるから。
読まなければいいのに、
読んでしまうその詩
何が起こっていたか。
戦争の様子も知らずに、
もう終わらせようと、
花散る雨、降りそう。
曇り後雨の世界で
詩の雫の詩の涙の
入り乱れた春先から、
次の季節へ倒れてゆく。
数えられるくらいの、
誰かの笑顔かあると、
生きている時間には、
ありがたい感じ。
何の前触れもない朝、
身も心も横たわる。
桜、見過ごすままに、
詩に、はぐれるままに。