決着 6
―陽視点―
「…………」
スマホを見つめる。時刻は午前八時十五分前。ナイトミュージアムが終わるのは八時。
閉館時間ギリギリだ。
人喰いの屋敷を倒してから、四時間近く経ってしまっている。それなのに。
山本さんが、見つからない――。
大塚国際美術館はかなり大きい。とはいえ、妖怪四人と私。五人で探しているのに。見つ
からないなんて。
嫌な予感がじんわりと広がっていく。
「日髙さん」
「!」
天狗と雪女がこちらに向かって歩いてくる。天狗はこちらに向かって首を振った。
「っ……」
見つからなかったのか。
反対方向からコナキ爺と河童がやってくるが。表情が暗い。この二人も山本さんを見つけられなかったらしい。
「……」
重くて暗いものが胸に広がっていく。
退治屋をやる以上、救えない人がいることは覚悟している。それでも、知り合いとなるとまた別で……。なかなか諦めきれない……。
グッと拳を握りしめた。その瞬間、「まだここにいたのか」と声がかかった。
いつの間に来ていたのだろう。どこからともなく夜行さんが現れる。
何故か夜行さんの姿は、人喰いの屋敷と戦った時より表情が暗い。けれど今の私は、それに突っ込める心持ちではない。
夜行さんは私達も暗い顔をしているのを見て「そうか」と呟いて、私の頭をポンポンと押さえる。
「仕方がない。どうしようもなかった」
「……うん」
私は唇を噛みながら頷く。
「帰ろう」
いつも読んでくださってありがとうございます! 現在、二章も構想中ですので。引き続き応援していただけると助かります。
なんとも後味の悪~い結末となりました。常連の山本さん……。これから登場しないと思うと、やっぱり残念な気持ちになります。




