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心のささくれ

心のささくれ~一年は365日~

作者: 山本大介

 なかなかの子どもでした。


 あれは小学校高学年の時だったか・・・なにか悪さをして先生に怒られた私は憤っていた。何に憤っていたかは忘れてしまったのだが、先生が、

「もう、分かっただろ。これから気をつけるように」

 と、お叱りのシメに入ろうとしていた。

 普通の生徒なら、「すいません」と謝るところだが、恐らくその時、察するに私は納得

いってなかったんだろうと思う。

「一年は365日あります。絶対にと言えません」

 と、答えた。

「・・・・・・」

 固まる先生。

「先生はそんな事、言っているんじゃない。反省しているのかと聞いている」

「・・・一年は365日・・・」

「山本っ!」

 先生が憤怒の形相で怒る。

 私はびくっと固まる。

「だって、365日・・・」

 まさに火に油、先生は怒り心頭となっている。

「わかった。校庭10周走って来い!」

「・・・はい」

 私は逃げ出すように校庭へでた。

 

 私は泣きながら校庭を走る。

 理不尽さを感じながら、7、8、9、10周・・・山本少年は言われた周回を走っても、走り続けた。

 泣きながら・・・。


 やがて、

「山本っ!」

 先生が走ってくる。

 私は怒鳴り声にびくりとなり、足を止める。

「お前、10周って先生言ったよな・・・」

「はい・・・でも」

「反省してるのかっ!」

「だって。365・・・」

「勝手にしろっ!」

 山本少年は走り続けようとする。

「いい加減にしろ」

 先生は私の手を掴む。

「だって・・・」

「もういい」

 先生は苦笑いを浮かべた。

 私はくしゃくしゃの顔で愛想笑いをしながら震えていた。


 心のささくれまた一つ。



 ゴツゴツと尖った石でしたが、今じゃ頭髪のようなツルツルに(笑)。

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