最終章 -輪廻転生編-
最終章 -輪廻転生編-
西暦3276年 Atmosphere
未希「天帝っいい加減諦めろっ、最強の神罰機シヴァには誰も勝てないんだっ。」
空にシヴァから放たれた重力光線が命中する。
空「くっ……まだ、咲夜が帰ってくるまで………もうすこし…………」
セラ「マッハ10000………明弘のいた速度……………星の光が……歪んでいますね。」
セラ「灯火……あとは宜しくお願いします。楽しかったですよ。」
セラ「そーめん、もっと食べたかったです。」
未希「とどめだっ天帝」
セラ「未希っ油断しましたね。私を無視したのは失敗でしたね。」
未希「なにっ!?」
超加速したセラが反対方向からシヴァに向かって飛んでくる。
未希「ふん、ファランクス程度が神罰機シヴァに効くとでも思っているのかっ!?」
セラ「思い出しました。これが本来の私の戦い方っ。」
セラ「アース・サルト・きーーーーっく!」
超加速したセラは神罰機シヴァに正面から衝突した。
マッハ10000で飛翔する物体にマッハ10000の蹴りがさく裂した。
セラ「みんなで……そーめん…………食べたかったですね」
シヴァの船体にひびが入る。
同時にセラの体が砕け散った。
空「セラああああああ」
西暦3276年 Atmosphere
男「まっまて……オマエはダレだ!?」
灯火「えっ!?」
全身血まみれの男が灯火を呼び止めた。
男「オマエも……侵入者………なのか?」
灯火「もって……やっぱり!」
男「なんだっ……しかし、侵入者を見過ごせない………死ねっ」
男は灯火に拳銃を向ける。
灯火「えっ……そっそんなっ!?」
男は銃の引き金を引く
桜「待てっ!」
次の瞬間、男の天地が反転した。
頭から地面に叩きつけられる男。
何者かが灯火を抱きしめた。
桜「灯火っ、灯火っ、灯火っ……助けに………来てくれたんだね。」
灯火「桜ああああっ」
二人はお互いを抱きしめる。
灯火「これ……桜が殺ったの?」
桜「まさかっ、私が空さんに連れてきてもらった時にはもう死体が沢山あって、
でも生きてる人も何人かいて襲い掛かって来たんですよっ。」
灯火「桜に喧嘩を売るなんて……死にたかったのかな?」
男「くっくそっ……」
灯火「あっ生きてた。」
桜「いったい何があったんですか!?拷問とか面倒なのでお話して下さい。」
男「ヴァルナが暴走した………」
桜「ヴァルナ!?」
男「天帝を倒す為に作った……神罰機を操る事が出来る……新しいドゥルガー
ヴァルナ未希……」
桜「なんでそんなに天帝を倒したいのです?」
男「天帝の力……世界を……失った文明、世界の調和……
サンサーラシステムの復活を………」
灯火「サンサーラ………何それ?」
男「世界を……価値ある人類を作り出す為のシステム………」
桜「その話ならセラさんに聞いた事があります。一人の生贄を選んで戦わせるシステム……」
男「平等で……価値ある子供たちを作る為だ………」
桜「セラさんは貧しさから戦う事を選んだって言ってました。
人ってそもそも平等じゃないんじゃないですか?」
男「平等という言葉で子供に傷を負わせる事により、
社会への忠誠度を高める事が本来の目的だ。」
桜「でも、文献によれば現在の地球の人口は過去の1%もいないんですよ!?
一人選ぶと大変な事になりませんか!?」
男「関係ない……我々価値ある人間が社会を統率する事が重要なのだ。」
灯火「なんだかさっぱり解らないけど……なんかムカつく。」
桜「空さんやセラさん……今も苦しみ続けているんですよ。
選んだ人も苦しんだでしょう……まあ全員死んでますが………」
男「そんな事は関係ない……」
灯火「えっ?」
男「法により、この基地に侵入したお前たちを抹殺せねばならない……が、
この場は見逃してやる。」
桜「なんか偉そうですね……見逃してあげるのはコチラでは!?」
男「我々はヴァルナ未希を始末しなければならない。」
男「あいつが……天帝の力を手に入れれば人類を皆殺しにする。」
灯火「さっきのあの子がココの人を!?」
男「ああ、アレは失敗作だ。」
桜「あれ!?でも……未希さんが勝っても負けても、あなた方は終わりなんじゃ……!?」
灯火「なんで!?」
桜「未希さんが勝ったら殺されます、空さんが勝っても多分、殺されます。
アスラを抑える必要の無くなった空さんは多分貴方たちを許さない」
男「…………」
桜「それに皆さんは何人生き残ったんですか?
人口増やすのに……1000年くらいかかりますよ。」
あすみ「もし、我らに協力するならば……命だけは助けてやってもよい。」
男「えっ…………」
あすみ「我が名は斎藤あすみ。ブラフマーである。」
男「あすみ……さま………………あの伝説の……」
桜「えっ灯火!?」
男「家族が……妻は死にましたが………この奥に息子が………
どうか、おたすけ下さい、あすみ様」
あすみ「うむ。生き残った者を集めよ。そして私に忠誠を誓いなさい」
男「ありがたき幸せ……」
あすみ「ところで、お前名前は……」
男「熊耳と申します。」
あすみ「なるほど、サンサーラの風はまだ私に吹いているようですね。」
西暦3276年-Atmosphere-
未希「なっなんだと……私の神罰機シヴァが………ドゥルガー如きに………」
ニルバーナから帰って来たパールバディの前でセラが砕け散り
遠心力により宇宙の彼方へ吹き飛ばされた。
灯火「セラっせらああああ」
咲夜「だめっ灯火、まだあいつは死んでない、突っ込んじゃダメっ」
未希「天罰機ごときがっ!」
神罰機シヴァはパールバディに突っ込んでくる。
未希「しネッ」
咲夜「ダメっ逃げきれない」
シヴァとパールバディの前に空が立ちふさがる。
灯火「そ、そんな……」
シヴァの超重力カッターが空の体を引き裂いた。
咲夜「空っ空っそらっ……私達を………守って…………」
空「咲夜……さようなら………また会えて…………良かった。大好きだよ。」
天帝『空』は引き裂かれ塵と化した。
神罰機シヴァは光り輝く
未希「1000年……長かった、とうとう手に入れた……」
未希「全てを従え、運命すらも服従させる、絶対神の力。」
灯火「パールバディ、リミッター解除」
咲夜「えっ……灯火………」
灯火「もう、もう終わりにしようよ。私は今こそ空を祓う」
未希「下がれ下郎っ頭が高い」
パールバディは地球へと引き寄せられる。
咲夜「なっ何これ?重力……そんな地球の重力がこんなにある訳が………」
あすみ「これがあの子の力なのでしょう。」
咲夜「えっパールバディの速度がマッハ2万を超えてる……この速度で地表に衝突したらパールバディだけじゃない、地球にも大ダメージが……」
灯火「パールバディ、オーバーブースト!」
パールバディは天帝の力に抗う。
しかし落下は止まらない。
咲夜「駄目っ、お願いパールバディ……もう少し、もう少しだけ持って………」
天帝による超重力とオーバーブーストの反力でパールバディの船体が軋む。
咲夜「成層圏……いやっ対流圏まではせめて……お願い、灯火を灯火だけは助けて………」
灯火「咲夜………」
パールバディは成層圏限界面を超える。
物凄い空気抵抗がパールバディに襲い掛かる
パールバディの外壁がはがれ気圧が一気に下がる。
灯火「うっあああああ、息が……いきがで……き………ない」
咲夜「灯火、灯火、」
あすみ「咲夜、エマージェンシーディセント、緊急降下、
このままでは灯火が死んでしまいます。」
咲夜「でも、それじゃあ地上に激突して粉々に……」
あすみ「大丈夫、このパールバディから空中で脱出させます。」
咲夜「でもそれじゃあ、灯火が地面に叩きつけられちゃう」
西暦3276年-Atmosphere-
神罰機シヴァは超重力で出来た光の螺旋を月に向かって撃ち続ける。
未希「地球の次は、ニルバーナ。全てを破壊する。」
未希「もうサンサーラシステムも人間も必要ない。
絶対者たる私だけが存在すれば、それでいい。」
月基地ニルバーナが月の一部と共に吹き飛んだ。
未希「これが天帝の力、天帝の知性、絶対の法則、私だけがサンサーラ」
桜「獲物を狩って、にったり笑う……甘いですね天帝様っ、
破片で私が見えませんでしたよね」
神罰機シヴァに白い天罰機が突き刺さった。
未希「なっなんだこれは?」
未希「えっ……この機体は………」
桜「天罰機サラスバディ、昔の貴方が乗っていた機体らしいですね。」
桜「さあ、地上に落ちなさい。サラスバディリミッター解除、オーバーブースト。」
シヴァとサラスバディは地球へと落下する。
未希「しっしかし地上に落ちればお前だって……」
桜「ただで落とすと思わないで下さい。」
桜「大気圏摩擦が最大になる角度で回りながら落ちて行けば、
セラさんの一撃でボロボロになった外装じゃ耐えられませんよね…………」
神罰機シヴァは地上へと落ちて行った。
西暦3276年-Atmosphere-
パールバディは深い重力の井戸の底へと落ちて行く…オーバーブースト終了……
もう地球の重力と天帝の生み出した超重力に抗えない。
成層圏を超えて対流圏の世界へ……
咲夜「パールバディ、もう少し、もう少しだから……お願いっ灯火を助けて……」
咲夜「ずっと見守っていたから解る、この子は希望……暗闇を照らす微かな灯火」
あすみ「高度3300m、灯火を射出しなさい咲夜」
咲夜「灯火、さよなら。」
あすみ「咲夜……お別れですね。」
咲夜「あすみ、責任とって灯火を助けなさいよね!」
パールバディは灯火を射出、そのまま超重力により地上へ落下していった。
西暦3276年-Atmosphere-
あすみ「灯火…灯火…………目を覚まして、両手を思いっきり広げなさい。」
灯火「えっ………ぎゃあああああああああ」
あすみ「空気抵抗、両腕を思いっきり広げるっ!!」
灯火は全身で風を受ける。
灯火「おちてるううううううう」
桜「灯火いいいいいい」
サラスバディが灯火を捕らえ収容した。
灯火「びえええええええっさくらああああああ」
桜「よしよし、今度は私が迎えに来てあげましたよ。」
あすみ「桜………解っていますね…………」
咲夜「灯火は無事っ!?」
パールバディから連絡が入る
桜「はいっ……咲夜さん…………」
咲夜「良かった。」
桜「咲夜さん…………」
咲夜「解ってる私、パールバディが地上に激突したら地上が大変な事になるって……」
桜「ごめんなさい……」
咲夜「謝らないで桜、灯火の事宜しくね」
桜「はいっ……対神誘導弾……………」
灯火「えっ桜……待って………」
桜「発射っ……ごめんなさい咲夜さん、ごめんなさい、ごめんなさい」
空……私も貴方の処に………やっと行けるね…………
明弘もセラも……そして私を選んだ…みんなもそこにいるかな?
苦しかったね、悲しかったね。
でもこれで終わり……ごめんね……………さゆり
対神誘導弾がパールバディに命中、パールバディだった物は蒸発して大気となった。
西暦3276年-Atmosphere-
桜「ごめんなさい、ごめんなさい」
桜は灯火に抱き着いて泣いている。
あすみ「桜……よくやってくれました。貴方なら出来ると思っていましたよ。」
あすみ「それに……落下し始めた時点で止める方法など無かったのです。」
サラスバディが突然爆発した。
未希「はあっはあ……油断……した………なっ。」
未希「なんて奴……絶対者の私をここまで追い詰めるなんて………」
未希「しかし、天罰機はもう無い。これで私の勝ちだ。」
あすみ「意外としぶとかったですね。これが人類の結末という事ですか……」
桜「私としたことが……仕留めそこなってしまいました。」
未希「ニルバーナもぶっ飛ばした。もう私を……阻む者は………なに?」
未希「何だ……来るなっ、殺すぞ、お前ごときが私に何か出来るとでも………」
未希「なんだオマエは?なんなんだ?」
灯火「貴方は凄い、凄いよ………」
灯火「でも、もういいの……戦わなくても………」
未希「バカなっ放せっ殺すぞ!」
灯火「ひとりぼっちになったって……寂しいだけだよ。」
未希「私は天帝、世界の絶対者っ!」
灯火「ここに……普通に幸せに暮らせる世界に帰って来たかったんだよね?」
未希「そっ………違う…………私は………………」
灯火「貴方は今日から自分のお家で、畑なんかを耕して、魚を釣ったりしながら暮らして行くの………」
未希「な……なん…………だと?」
灯火「まあ、この島にはあんまり若い人いないけど、結婚して子供を沢山生んで楽しくくらせばイイの」
未希「おっお前は何なんだっ」
灯火「私は灯火、貴方のお友達になる女」
未希「ばっ馬鹿なっ何人殺したと思ってるだっ……そんな事言ってオマエだって私を……」
灯火「貴方を傷つけ続けた人たちも……仕組みも……もう何も無くなっちゃったから」
灯火「何故貴方がそうなってしまったのか……私には解らない」
灯火「でも、世界最後の巫女、貴方のお友達になる私だけは貴方を許します。」
灯火「大丈夫だよ、貴方は私が必ず守るから。」
灯火の体が輝きだす。
未希「えっ……これは………私の天帝の力が抜けて行く………」
あすみ「何が正義で何が悪であるか……私にすらわかりません。でも未希、
あなたは本当に良く戦いましたが、」
あすみ「しかし天帝因子は貴方の敗北を悟ったようです。」
あすみ「天帝の力はより強い者に受け継がれる力。だから貴方はもう休んでも良いのです。」
未希「私は……私は………死ぬ………いや、きえるの?」
あすみ「いえ、貴方は再びこの世界になるのです。」
あすみ「世界に帰りなさい」
未希「そうか……これがサンサーラ……」
灯火「えっ……そんな………」
未希「私はきっと友達……が……ほ…し……かっただけ…なのかもしれないね
……ありがとう、さようなら………灯火」
未希は塵となって消えた。
桜「でもっそれじゃあ灯火が天帝に!?」
あすみが現れる。
灯火のみぞおちに思いっきりパンチを入れる。
灯火「げほっげろげろおおおおおお」
あすみ「さあ、天帝因子。私に帰りなさい。天帝に勝利した勇者に勝った私に。」
天帝の力を取り戻したあすみが現れる。
灯火「ひどい~」
あすみ「灯火、我が子孫……この力は元来世界を永遠に見守り続ける者が持つべき力」
あすみ「私は未来永劫、この星を、この宇宙を見守り続けます」
あすみ「私は熊耳を探しに行ってきます、直前に脱出して銀河系方向に飛ばされているようですから
そして、1000年前の後かたずけをしないとなりません。」
あすみ「灯火、ちゃんと神社を守るのですよ。」
灯火「はい~」
あすみ「桜、灯火をお願いします。」
桜「はい、おまかせ下さい社長!」
あすみ「灯火、幸せに暮らすのですよ」
灯火「はい。天帝様……ありがとう、さようなら。」
あすみは天へと昇って行く。
あすみ「あ、それとお供え物をケチったり、
ポンコツに食べられたりしたら怒りますから注意なさい。」
灯火「えっ?」
あすみニッコリと微笑むと天へ昇って行った。
次の瞬間、物凄い爆風。
桜「えっ……何?ミサイル??」
灯火「ああ、おかえりなさい……ポンコツロボ子」
セラ「灯火~お腹がすきました~あと手と足取れちゃったんで
修理に連れてって下さい~ご飯の後で~」
数か月後
桜「みんな……また会えたり……してますかね?」
灯火「うん、きっと会えるよ」
セラ「はい、サンサーラシステムは稼働中です……皆さん今頃仲良く楽しんでいますよ……」
風のサンサーラ -天罰の翼-
完
PV動画
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プチのサンサーラ
https://www.youtube.com/watch?v=g0hoI7HoNLA
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