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桃の花 あなたに贈る わが想い 

作者: 黒野 猫

今日であなたと会える最後の日。

明日になればしばらく会えなくなるね。

となりにいるあなたはどう思っているのかしら。さみしいなと感じているかしら。

感じていたらいいなぁ。


私たちの近くにはたくさんの人がいる

二人きりじゃないのが残念ね。でも、これはこれでにぎやかで好きよ。


一番近くには女官がいてね。私の世話をしてくれているのよ。3人いるのよ。

あと祝いの席でもあるから演奏者もいるのよ。

とてもきれいな音色でこの場を盛り上げてくれる。となりにいるあの人もとても楽しそう。


これでも結構高い身分だからこういう外にいるときは必ず私たちの身を守ってくれる者たちがいるの。

彼らがいると2人きりになりたいけどなれないのよね…。仕方がないわ。


ああ、あと彼らもいたわね。

いつもニコニコしてるのと、めそめそしているのと、むすっとしている人。

にこにこしているのも何考えているかわからないし、めそめそしているのはめんどくさいし、むすっとしているのは、見ているだけでこっちもイライラしてきそうだわ。どうにかならないのかしら。


そんな思いを吹き飛ばしてくれるのは桃の花と、そしてあなた。

楽しそうにうれしそうにして、たまに目が合うとふっと笑ってくれるの。

その笑顔に何回も助けられたわ。


私があなたに助けられたように、あなたを私は助けられているのかしら。








祝いの席も終わりが近づき、お別れの時間が迫ってくる。

いやよ。もっと一緒にいたい。まだ終わってないのよ。


ああ。だんだんと食事も演奏者たちも帰っていくわ。今年もまた終わってしまうのね。

まるで、織姫と彦星のように一年に一度だけあなたに会える日、その日が終わっていく。

ついには女官たちから帰りましょうといわれる。


もっと

あなたと一緒にいたかった。

もっと

あなたと…



「また来年、会おう。楽しみにしているよ」



あなたが去り際、私にくれた「言葉ラブコール


今年もまた、その一言だけで生きていける。



また来年、桃の花が咲いたころに。







読んでいただきありがとうございました。

まったり、ゆったり更新していきたいと思っています。

また、更新したときにはいらしてくれたら幸いです。


またのお越しをお待ちしております。

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