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序章

『婚約破棄されそうな令嬢は知らないことだらけ』で活躍しております、ヴィオリアの恋愛物語です。序章にて、簡単に説明してありますが、よろしければ、そちらも読んでいただけますと嬉しいです。

 ヴィオリア・マーペリア辺境伯令嬢は、ガーリウム王国の王都にある、ガーリウム学園に通う。上級学年(3年生)である。

 幼い頃から、鍛練に勤しみ、領地では新人訓練に加わり、学園に入学してからは王都にある騎士見習い鍛練場へ足繁く通い、鍛練を怠らなかった。ヴィオリアは、決して強いわけではないが、その心意気、凛々しい鍛練の姿を見て、『戦乙女』と言われるようになった。その噂は、騎士団までにも及び、彼女を一目見ようと、隊長副隊長たちが、騎士見習いの鍛練教官に頻繁に現れるようになった。


 ヴィオリアは、10歳から、騎士団団長バルトルガー侯爵の次男ウズライザーと婚約をしている。現在、ウズライザーも同じ学年の同じAクラスだ。ヴィオリアは、辺境伯の一人娘なので、ウズライザーは婿入りし、騎士団で力を付けた後、辺境伯を継ぐ予定である。政略結婚とはいえ、それなりに、関係を築くべく、過ごしてきた。


 しかし、この春、学園にとある男爵令嬢が編入してきてから、二人の関係は変わっていく。ウズライザーは、その男爵令嬢に現を抜かすようになってしまった。ウズライザーは、ヴィオリアに贈り物や手紙を贈ることをしなくなったし、月に一度の逢瀬にも来なくなった。学園では、まわりの目があるにも関わらず、その男爵令嬢と絡み合い、醜態をさらしていた。


 そんなある日、バルトルガー騎士団長とマーペリア辺境伯とヴィオリアで、見習い鍛練場へと視察に行くと、ウズライザーが男爵令嬢を連れて来ていた。自分より確実に弱い者を相手に実演し、その男爵令嬢に汗を拭いてもらっていた。その姿を見た三人は、怒りはあるが、一時の戯れかもしれないと、見逃すことにした。

 その後、バルトルガー侯爵も、ヴィオリアも、ウズライザーには生活態度を改めるよう注意をしていく。


 この頃になると、ウズライザーの生活態度の悪さは、見習い鍛練場では噂になっており、まことしやかに、ヴィオリアとウズライザーの婚約が白紙になるのではないかという話まで広がっていた。騎士団の隊長副隊長あたりには、『美しいヴィオリアと次期辺境伯』という魅力的な話に、『是非婚約白紙になってほしい』という願いを持つものが後を立たない。そのおかげで、見習い鍛練場には、いつでも、鍛練教官がおり、例年にない活気であった。


 ヴィオリアとウズライザーが最上級学年(4年生)になるとき、ウズライザーに対して、注意喚起してきたにも関わらず、成績順のクラス分けにおいて、ウズライザーはCクラスに落ちていた。そのCクラスには、あの男爵令嬢もいて、ウズライザーの生活態度は、ますます悪くなっていった。


 そんなおり、ヴィオリア以外でも3人の令嬢が、同じように婚約者がその男爵令嬢に現を抜かしていることがわかった。そして、4人それぞれに婚約白紙に動くと誓う。


 騎士団長と辺境伯が状況把握をしており、あれ以来ウズライザーの生活態度が改められなかったことを鑑みて、ヴィオリアとウズライザーは、早々に婚約白紙となった。しかし、他の令嬢との兼ね合いもあり、婚約白紙になったことは、秘匿されている。


 そんな初夏、学園の夏休みまで、あと2週間ほどである頃…


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