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日記を書くのは初めてだし、文章を書くのは苦手だ。
だけど、書かないといけない。
私の身に起こった出来事を全て覚えておくために。
あの日からもう長い時間が経った、既に私はこの世界の住人として自身を自覚し始めている。
あの日のことや、以前の私のことを忘れてしまう日も近いのかもしれない。
だからこそこうして日記を書こうとしている。
あの日のことはもう詳細には覚えていないが、思い出せる限り書き記そうと思う。
2019年4月24日
目覚めると何もない場所にいた。
夢だと思った。なぜならさっきまで私は大学のレポート課題に励んでいたから。
きっと疲れて寝てしまったんだろうと思っていた。
つまらない夢だと辺りを見渡していると、急に空間から声が聞こえてきた。
「月彗朧、お前は選ばれた。」
意味がわからない。声はその空間の全てから響いているようで、経験したことのない状況にめまいがした。
かろうじて言っていることは聞き取れたが、選ばれたとは一体なんなのだろうか。
めまいも夢にしてはリアルすぎる。
「これは夢ではない。現実だ。お前は死んだ。」
再び声が聞こえる。
夢ではない、現実、、死んだ?
頭が混乱する、理解できない。
「覚えていないのも無理はない。お前の死はお前の意識が沈んでいる時に起こった。」
どうゆうことだ、全く訳がわからない。
この声が一体何なのかは知らないが、何をほざいている。
「理解できぬのならその身で死を感じるが良い」
処女作です。
温かい目で見てやってください。。