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異常性癖が異世界転生した結果  作者: 冷精 紅鴉
第一章 学園生活編
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52話 搾り取られる


「う……腰が……」



目覚めた時、俺は全裸でベッドに眠っていた。昨夜は一晩中アクリーナの相手をさせられ眠ることができず、明け方になってようやく力尽きて眠ることができた。



「う、動けん」



体が重く、起き上がれなかった。当然だろう、疲労困憊の上に魔力枯渇、そして——



「スピー」



隣で同じように裸で気持ち良さそうに眠るアクリーナに、文字通り絞り取られたのだから。

本当に干からびるかと思った……


アクリーナは何やら肌の艶も良く、テカテカと光ってるように見えた。



「うー」



俺はゴロンとアクリーナとは反対の方へ寝返りを打ち悶絶した。


ああ、俺の初めてをこんな形で卒業するなんてな。まさか逆レで奪われるなんて思ってもいなかった。

人生14年、いや転生してるから大体30年くらいか?となると童貞30年で魔法使いになれるのはマジだったのだな……違うな、そもそも魔法使ったの5歳の頃だから実際20年程度で……いや考えるのはやめよう。


まあ、結果としては良かったかな。アクリーナもこれで救われたようなものだからな。まさに一石二鳥だ。あわよくばこれで距離を縮めて彼女も……


クーラスがそんな妄想に浸っているとアクリーナが目を覚ました。



「っ、うーん。おはようクーラス」


「んあっ!?あ、アクリーナ……お、おはよう」


「何、どうしたの?」


「い、いや何でも……」



急に声をかけられてビックリしたぞ。大丈夫か?さっきの声に出てなかったか?


そんなクーラスの慌てぶりを見てアクリーナはいやらしい笑みを浮かべてた。



「んん〜どうしたの?まだ足りない?」



チラリと胸元を見せるように前屈みになりながらクーラスに近づき挑発する。



「ばっ!そ、そういう意味じゃない!」



ほ、ほんとにコイツはアクリーナなのか?普段と全然様子が違うし、昨夜使ってた夢魔のなんとかって魔法の効果がまだ続いてるのか?


クーラスはそんなアクリーナに対しとっさに離れようとしたが上手く体が動かず布団をバサっとアクリーナの視界を覆うことしかできなかった。



「ん〜もう、昨夜はあんなに正直だったのに?」


「なっ!」



アクリーナに昨夜の出来事を指摘され、クーラスはあの凄まじい記憶が呼び起こされるのと同時に羞恥心が込み上げてきて赤くなった。



「〜〜!」


「ふふ、じゃあする?」



ツン、とアクリーナが布団の上から俺のアソコを触り舌舐めずりをした。



「や、やめろっ!」


「ふふ〜……」



それまで余裕の笑みをして誘惑していたアクリーナが急に黙り込んだ。



「ん?アクリーナ?」


「……あ、あ、あ」



カーッと顔が赤くなっていったと思った瞬間、余裕の表情が崩れていった。



「〜〜〜!!」



アクリーナは声にならない悲鳴をあげると、反対にあるもう1つのベッドに飛び込み全身を布団で覆った。



「ど、どうした?」


「何でもないっ!それより早く服着て!」


「あ、ああ!」



アクリーナの様子が変わりどうしたのかと近寄ろうとした時、アクリーナが声を荒げてそう言う。俺はその言葉に今の自分たちの状況を思い出しすぐに服を探して着た。




「な、なぁアクリーナ」


「……何?」


「いや、その……すまなかった」



何が何やらわからないままとりあえず謝罪をした。



「あ、あれは私が勝手にしちゃったことだし!クーラスは何も……何も……」



そう言いかけてアクリーナの顔が赤くなりそのまま目線を逸らした。



「……………」


「……………」



お互いに向かい合ったまま、沈黙が続き気まずくなっていた。



「あ、あーアクリーナ」


「っ!な、何?」


「ゆ、昨夜も言ったけどさ、俺もシャロンもお前から絶対に離れたりしない。これだけは絶対に約束するから」


「クーラス…」



俺もひとりぼっちでいた期間は長かった。だからこそ俺と同じ、いや俺以上に苦しんでいたアクリーナのことを見捨てるなんてそんなこと考られない。


するとアクリーナが少しの沈黙のあと口を開いた。



「クーラス、改めて言わせて。ありがとう」


「そんな……ああ、どういたしまして」



ここは素直に受け取ろう。



「ん?そういや今って何時だ?」



ふと窓の外を見ると太陽の光が空高くに上がっていた。



「「あっ」」



俺らは同時にそう言った。



「完全に遅刻だな」


「何だか逆に慌てないわね」



そう言った後、俺らはお互いに笑ってその場を後にした。







「そういえばシャロンて何で俺の部屋にいるんだ?」



俺は昨夜から気になっていたことを改めてアクリーナに聞いてみた。



「えーっとね……」



目をそらして歯切れの悪い様子でアクリーナはそう答えた。



「アイツは俺の部屋で何をしてるんだ?」



ずいっと顔をアクリーナに近づけもう一度同じことを問う。



「ちょっ!顔が……近い……」



アクリーナは目でわかるように顔を赤くした。



「わ、わかった。わかったから!」



ようやく観念したのかアクリーナがそう言って俺は顔を離した。



「クーラス、本当にわからないの?」


「何がだ?」


「……そう」



アクリーナが少し黙ってそう言った。



「いや、それじゃ答えに——」


「お前たち、遅刻とはいい度胸だな」



俺がアクリーナにそう言いかけた時、背後から野太い男の声がした。言われなくてもわかる、この声は——



「ゴ、ゴットハルト先生……」



アクリーナが怯え気味に奴の名前をつぶやく



「ヴィルヘルム、貴様は前にも無断で欠席したな?」


「あ、あれは——」


「問答無用!貴様ら2人とも特別訓練だ!!」



俺たちは文字通りゴットハルトに引きずられながら訓練場へと連れていかれた。

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