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異常性癖が異世界転生した結果  作者: 冷精 紅鴉
第一章 学園生活編
25/119

25話 主席合格



あれから2日が経った、今日はルードルフ学園の合格発表の日だ。俺とシャロンは荷物をまとめ、宿を後にし学園へと向かった。



「うぅ〜結果見るの怖いよ」


「大丈夫だ、心配するな」



正直俺も剣術試験のせいで不安しかない。シャロンの手前、虚勢を張ってはいるものの怖かった。



学園に着き、俺らは真っ直ぐに合格掲示板に向かった。



「あったぞシャロン、俺ら無事に合格だ」


「ほんとに!?やったー!」



子供のようにはしゃいでシャロンは喜んでいた。とりあえず俺も一安心だ、剣術のことがあったしどうなるかと思った。


もう一度掲示板の方に目をやると、名前の下に点数が発表されているのが見えた。よく見ると順位ごとに名前が載っている。



「…え?」


「どうしたの?クーラス」


「点数が……」



点数を見て俺は驚愕した。そこには




合格者掲示板


1 クーラス=ヴィルヘルム

座学50+α 剣術50 魔法50+α 合計170点


2 シャロン=フレンツェン

座学50 剣術50 魔法50+α 合計160点


3 アクリーナ=アルデバラン

座学46 剣術38 魔法50+α 合計154点


4 グロリア=フォン=バイルシュミット

座学50 剣術50 魔法50 合計150点



「プラス…α?」



合計点が満点を超えていたことに2人は驚いた。座学か魔法、もしくは両方に+αという形で加点されていたからだ。



あのグロリアには加点はされてはいないが、それでも全教科満点を取ってはいる。さらにそのグロリアから蔑まれていた朱眼の忌子、アクリーナは剣術が低いものの魔法で加点をされグロリアを抜いていた。


一体なんだというのだ、特に俺が気になったのは剣術である。俺とシャロンは受験者いじめをしたあのゴットハルトが試験官だったというのに満点だったのである。



「と、とりあえずクーラス、受付、行かなきゃ」


「…そうだな」



掲示板を確認した後、合格者受付の方へ行き書類を受け取った。振り分けられるクラスが記されたもの、寮についてなどの資料、そして上位10名は特待生となるのでそれに関する資料も同封されていた。


クラスは全部でAからEまでの5クラスがあり、これも試験の順位で振り分けられる。



俺とシャロンは無事、同じAクラスに振り分けられた。



「やった同じクラスだよっ、クーラスっ!」



シャロンが子供のように跳ねて喜んでいる。まあ俺も同じクラスになれてよかった。


次に寮についての資料を取り出す。そこには寮の全体図、施設についての資料が入っており、それによると寮の部屋は1人部屋から4人部屋まであるらしい。


何人部屋を希望するか希望票も同封されていた。だが男子は1人部屋から希望することができるが女子だけ2人以上の部屋からしか希望できないとのこと。



「シャロン…」


「ク、クーラスぅ…」



こうなるのも無理はない、引っ込み思案な性格な上に、今まで俺や家族としか過ごしてきてないんだからな。


同年代の知り合いなんか俺しかいないし、いきなり初対面の人間と同じ部屋で過ごすなど彼女には辛いだろう。



「シャロン、女の子が1人の部屋なんか何かあったら大変だし仕方ないよ」


「でも…怖い……」


「安心しろ、何かあったらすぐ駆けつけるよ」


「大丈夫、かな…」


「大丈夫だ、それに友達ができるかもしれないぞ?この機会にさ、その性格も少しずつ改善していこうぜ、な?」


「う、うんっ」



とか言いながらも、俺は当然ように1人部屋を希望した。複数人部屋などプライベートな時間がなくなってストレスが溜まってしまいそうだ。







次の日、俺らは泊まっていた宿を引き払い学園へと向かった。入学式は午後に行われるが、その前に入寮の手続きをしなければならない。



「誰と相部屋になるんだろうな」


「うん…」


「そう不安がるな、誰だって最初は緊張するもんだよ、すぐ仲良くなれるさ」



だが1つだけ不安な点がある、それはグロリアとその信者のことだった。アイツらは態度を見る限り普段から周囲を見下してるようだしそれに魔法の試験の時、シャロンに対しての視線がアレだ。もしアイツらと同じ部屋になってしまうと……どうなるかなんて目に見えている。



寮の入口に着くと俺らと同じように入寮する生徒でごった返していた。列に並び部屋割りの書かれたプリントを受け取り、各々自分の部屋を確認して寮内へと入った。だが俺の番になった時



「えっと、クーラス=ヴィルヘルムさん?」


「はい」


「ちょっと1人部屋が足りなくて、あなたの部屋だけ2人部屋になっちゃったんだけど…」


「え…」



2人部屋になってしまったか、これだけ人がいるのだし、抽選になってしまうのも仕方ないか。



「ああでも安心して、部屋自体は2人部屋だけどあなたしかいないから、ちょっと部屋が広くなったようなものよ」


「あ、はい」



これはいいことを聞いた。2人分の部屋を1人で使うなど、なんて贅沢なんだ。


受け取ったプリントを見ると、確かに2人部屋だが、そこには俺の名前しか書かれていなかった。



「クーラス、またあとでね」


「ああ」



プリントを受け取った2人は、それぞれ自分の部屋へと向かった。



えーと俺の部屋は3階か、見晴らしは良さそうだし毎朝気持ちの良い朝が迎えられそうだな。




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